鉄道写真管理局 珍車ギャラリー 阪急電鉄 6050 もと2200系試作車 2006.3 .11UP
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 J鉄局TOP珍車ギャラリー>阪急電鉄 6050 元2200系 電機子チョッパ→インバータ制御試作車
阪急6050 元2250 
2700
  (M車) 
スチール製 S50年 アルナ工機 製
長さ(m) 幅(m) 高さ(m) 自重(t)
19.0 2.709 4.095 37.6
制御装置 モーター(kw) ブレーキ 台車(製造)
BS429A
電機子チョッパ
135×4 HRD−R FS369A
(住友)

 

6050                    十三駅   99.3.20



今回ご紹介する6050は、現在6000系ではなく、7000系の先頭に立って活躍しています。
また7000系8連は、MM’ユニットを両端に配置した編成ですが、この編成のみがTc車を両端に配置しています。
いったいどうしたことでしょう?実は、この6050。もともと2200系のTc車だった2250だったのです。

2200系は、試作車としての位置づけで電機子チョッパ制御の長期実用試験が実施された高性能車です。
残念ながら、電機子チョッパ制御は、コストなど諸々の事情から、阪急では実用的でないと判断され、
その後量産された車両に搭載されることはなく、阪急で唯一の電機子チョッパ制御車となってしまいました。
このように書くと、、2200系は失敗作だったという見方も出来るかもしれません。
 しかし、阪急初でもあるこの8両固定貫通編成は、
阪急で最も美しい編成美を持っていた車両だった
と私は思っています。
そしてこの6050の8連が、現在、この編成美を受け継いだ神戸線唯一の編成なのです。

6050 8連(7000系
大阪 ◇ ◇ ◇ ◇ 神戸
6050 7616 7516 7565 7575 7605 7505 6150
Tc M M’ T M’ Tc

2200系 登場時(S50〜
大阪 ◇ ◇ ◇ ◇ 神戸
2250 2700 2701 2750 2751 2710 2711 2251
Tc M M’ T M’ Tc
*2750,51(T)→6000系に組み込み


両端に動力車を配置する方が合理的であろうとは思うのですが、6000系にせよ、7000系にせよ、
先頭車に動力車を配置して以後、見た目の印象ですが、重たい感じがして私には、2200系ほどの軽快さが感じられません。
 一方、京都線の6300系は、2200系同様、先頭車にTc車を配し、同じ車両構成です。
特急専用車として2800系譲りのデザインでファンも多く、私もその一人です。
しかし、京都線の電車である6300系は,約6cmですが幅が広く、軽快さをわずかに欠くのです。
また6300系から始まった上部のアイボリーラインは私には蛇足に思われてなりません。

8000系登場以後、デザインの点で阪急は迷走を続けていると感じている私ですが、
アルミの窓枠がアクセントとなる2000系以来の阪急のデザインは、
ともすれば、地味な印象となるマルーンの色調もエレガントなものに仕立て上げていて私のお気に入りのデザインです。
 
2200系は、この2000系のデザインをベースにしながら、単に行き先表示器を取り付けただけでなく、
窓のサイズもやや拡大し、車体番号、車紋などに加え、1車両あたり3つの集分散型クーラーユニット、
そしてM車に取り付けられた2丁の交叉形パンタグラフとのバランスも絶妙なもので、
6000系7000系と続く阪急黄金期のデザインの嚆矢となるものです。

 阪急のデザインは、直線を基調としながらも、うまく端部のR(曲線)を処理しており、
決して安っぽくなく、重厚でありながらスピード感さえ感じさせます。その最たるものが2200系であると私は思っています。
 西宮北口から一気に武庫川橋梁へ向かって加速してゆく2200系の姿に、
孤高のヒーローを演じる宝塚の男優さんのセクシーさを感じたといったら言い過ぎかなあ。

2200系 VVVF車混結時(S60〜) 2721はアルナ工機納入1000両目
大阪 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 神戸 2700,10(M)→2760,70(T)に(92.4)
2250 2700 2701 2720 2721 2710 2711 2251 2701,11(M’)→2761,71(T)に(92.5)
Tc M M’ M’ M’ Tc
VVVF *(T)→6000系に組み込み


2200系 阪神淡路大震災時 (6000系との混結 2+4連)
大阪 ◇ ◇ ◇ ◇ 神戸 2720(M)→6762(T)に
6025 6125 2250 2720 2721 2251 2721(M’)→震災により廃車、代替え新車6772U(T)
Mc M’c Tc M’ Tc
R VVVF *(T)→7000系に組み込み
*2250.51(Tc)→6050.6150に改番。7000系のMM’ユニットと組み4連で、運行。(95.6)
*2760.61(T)→6760.6761に改番。(95.7)
*2770.71(T)→6770.6771に改番。(95.7)
*2750.51(T)→6750.6751に改番。(95.7)


昭和60年に、2720. 2721 の2両が増備されます。これは今をときめくVVVF制御装置をもつ、長期実用試験車両で
編成中央部のT車2両と置き換える形で組み込まれました。4M4Tから、6M2Tになったわけです。
つまり阪急では、電機子チョッパ制御車とVVVF制御装車が同一編成で運行されていた時代があったのです。
概して電機子チョッパ車は、特殊なデバイスゆえ、他系列の車両とは混結できないものと思っていたのですが、
こんな例もあるのだとちょっと意外な感じすらします。

  しかし、2200系にとんだ災難がおとずれます。阪神淡路大震災です。宝塚−宝塚南口間で被災しました。
M車はVVVF制御装置を取り外され(当時すでに電機子チョッパ車は電装解除され4連でした)6000系のT車となり、
Tc車も6000系のTc車として改番され6050、6150となったのです。結果、2200系は形式消滅してしまいました。

 ともあれ2200系亡き後、6000系のTc車として生き残った6050と6150ですが、前述したように
現在、6000系8連のTc車として再び神戸線で活躍しています。番号が変わってしまったのは残念ですが、
奇しくも2200系の全盛期を彷彿させる彼女たちを含んだ唯一の編成に出会えるのが、神戸線での楽しみです。
ところが、2200系もそうであったように、阪急沿線に住んでいながらなかなか出会えません。
出会えてもカメラを持っていなかったりと行き違いです。
そんな彼女と出会えた1枚をUPしました。出会えた時は、本当にうれしかった。
でも…彼女たちに出会うたび、あの地震のことを思い出してしまうのは、哀しいことです。


阪急2251 在りし日の姿
     2251 在りし日の姿             岡本駅

阪急 6762 元2720 
     6762 元2720          十三駅   99.3.23
−鉄道車両写真集−
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