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  IRいしかわ鉄道521系IR04編成  
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−ピッカピカの中古電車−IRいしかわ鉄道521系IR04編成

−鉄道車両写真集−
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えちごトキめき鉄道 ET127系 ET122形へJUMP
IRいしかわ鉄道 521系 2連、
←富山A @金沢→
   クモハ521--クハ520 
参考:JR電車編成表2015年夏版 撮影2015.3
IRいしかわ鉄道 521系 IR04編成 クモハ521_55-クハ520_55 撮影;2015.3 富山
 
2015年3月、北陸新幹線が 金沢まで延伸開業しました。
なお、その際、並行在来線は経営分離され、地元自治体がメインとなる3セク鉄道がそれを承継することになります。
JRが発足して以後の新規開業の新幹線は、これがほぼお約束になっているようです。
今回、信越本線(JR東日本)のうち、
長野県内となる「長野−妙高高原間」を転換したのは、
長野新幹線開業時に発足した「しなの鉄道」でしたが、
信越本線(JR東日本)のうち、新潟県内となる「妙高高原−直江津間」および
北陸本線(JR西日本)のうち、新潟県内となる「直江津−市振間」を転換したのは「えちごトキめき鉄道」。
北陸本線(JR西日本)のうち、富山県内となる「市振−倶利伽羅間」を転換したのは「あいの風とやま鉄道」。
北陸本線(JR西日本)のうち、石川県内となる「金沢−倶利伽羅間」を転換したのは「IRいしかわ鉄道」。
と3社が新規に開業しました。

さて転換、開業に当たっては、現状の設備、車両を継承するのが原則です。
ですから車両について、
「しなの鉄道」は、今回の転換に当たって、115系(1977.78年製)を譲り受けました。
「えちごトキめき鉄道」は、E127系(1995年製)、
「あいの風とやま鉄道」は521系(2009年〜2010年製)と413系(1985.86年製)。
そして「IRいしかわ鉄道」は521系(2009年〜2015年製)です。

国鉄時代に製造された旧式の115系や413系が譲渡されている一方で、
転換のその年それも30日ほどしか経っていないピカピカの新車である521系が中古車として譲渡されているということです。
言いそびれてしまいましたが、「あいの風とやま鉄道」では北陸本線のうち、
新潟県内となる「直江津−市振間」すなわち日本海ひすいラインでは、ET122形気動車を新製して配備しています。

このへんの事情はどうなっているのでしょうか。

電化区間でありながら、あえて気動車で運行することにしたのは、北陸本線のなかでも市振-直江津間の輸送需要が低いからです。
ですから新造の気動車ET122形は単行用車両です。
さて転換前、ここを走っていたのは413系などの3連。
転換時、その区間で走っていた車両を継承するというのが原則とはいえ、これでは供給過剰というわけですね。
加えて、この区間は、全区間が電化されているとはいうものの、
糸魚川−梶屋敷間にはデッドセクションがありここを境に電化方式が異なっています。
そのため交直流電車を導入せざるを得ないのですが、多くの機器を搭載する交直流電車を単行で作るのには無理があります。
あえて新造するにしても高価なものになってしまうでしょう。
交直流電車であるJR西日本の521系を中古で導入するにしても2連ですし、維持コストも高くつくため、
輸送密度が低い線内に見合うものとして単行用気動車を導入することにしたというわけです。
(ちなみにこの作戦は「肥薩オレンジ鉄道」が九州新幹線開業時に用いたワザです。)

さて「えちごトキメキ鉄道」では、直流電化区間である信越本線(妙高高原-直江津間=妙高はねうまライン)も承継しているのですが、
こちらについては、JR東日本が使用していた115系ではなく、同じく中古車ではあっても、JR東日本のE127系を導入することにしました。

115系は、もはや廃車が進んでおり、数年後には全廃されることが予想されます。
こんなのもらってもありがたくないですね。
だからといってすべて新車で取りそろえるというのは大変です。
そこで白羽の矢が立ったのが新潟地区に配置されていたE127系というわけです。
E127系はメンテナンスに有利なインバータ電車で、1995年製。まだまだ使えます。
新潟地区に配置されていましたが、これを機に直江津地区に移動、
開業に間に合わせました。
ちなみにJR東日本は転出したE127系の穴埋めをするため、2014年12月、E129系を12編成=24両新造しています。
陰ながら、「えちごトキめき鉄道」を支援していたことになります。

一方同じく、信越本線(長野-妙高高原間)を転換する「しなの鉄道」は115系を導入しました。なぜでしょう。
「しなの鉄道」は、前述したように長野新幹線開業時に発足した3セク鉄道会社です。
かつて、この時、大量に譲り受けたのが115系です。
「しなの鉄道」では、まだしばらくこれを使用し続けることになっています。
ですから、あえて115系を譲り受けて、これを北しなの線(長野-妙高高原間)用車両として、
在来車と共通運用する方が効率的であると考えたのです。
北しなの線を独立した路線と考え、別途車両で運用することもできなくはないでしょうが、
遠からず車両を更新する際も同系列車両で一気に取り替えてゆく方が、メンテナンスのうえでもリーズナブルというわけですね。

「IRいしかわ鉄道」は、「しなの鉄道」とは逆の立場であると申せましょう。
すなわち、これから北陸新幹線が延伸される際、石川県内の在来線(北陸本線)を担ってゆかなければならないのです。
JR西日本は2022年に敦賀まで延伸させる計画です。
IRいしかわ鉄道は、JR西日本から521系2連×5本を譲受しました。
福井延伸の際も、521系が譲渡されると思うのですが、なるたけ新しいJ編成で揃えたいのが、「IRいしかわ鉄道」の思いです。

ここでJR西日本521系について、お話ししておきたいことがあります。
521系はJR西日本初の新造交直流近郊型電車です。
番台区分もされていないので、バリエーションがないように思われているようですが、
そんなことはありません。

2006年10月、北陸本線長浜駅〜敦賀駅間、湖西線永原駅〜近江塩津駅が直流化されるのに機に投入されました。
2010年3月からは北陸本線の金沢地区にも運用されるようになりました。
J編成は、521系のなかでも、2013年11月から増備された新しい車両のグループ(3次車:36〜56編成)です、
521系のデビューからは8年以上、2次車(2009年10月〜2010年3月)からは2年以上のブランクがあります。
その間にアーバンネットワークでは225系(2010年5月製〜)がデビューしました。
3次形はこの225系の設計思想を取り入れたひと味違う車両なのです。
スペックを見ると、性能的には違いはないので新形式にする必要こそ感じませんが、
JR西日本は番台区分がお好きです。番台区分もしていないのは少し不思議な気すらします。

というわけで、IRいしかわ鉄道としては来るべき延伸開業時にむけて、少しでも新しい仕様の車両を導入しておきたいところです。
そこでJ20、21編成を譲り受けることになったのですが、
これがなんと開業直前の2015年2月6日に近畿車両で落成し、JR西日本籍となっているのです。

そういえば、先日、パソコンショップでプリンターを買いました。
価格を調べていったのですが、あきらかにそれより安いのがあるというのです。
ちなみに最新モデルです。店員さんに確かめると、一応中古扱いなのだそうです。
「これですわ。箱、開いているでしょ。でも、ほら、中は手つかずの状態です。
インクも新品です。数を売らなきゃいけない一方で、新品をここまで値引きできないという事情があるんですね。お得ですよ。」
段ボール箱が多少痛んでいるようではありましたが、買っちゃいました。
WiFi付きのおかげで、我が家に一時3台もあったプリンターは1台に統合
スキャナーとしての使い勝手も良く、いい買い物をしたな。と満足しています。

プリンターと一緒にしちゃあいけませんが、
IRいしかわ鉄道も来るべき延伸開業に向けてしっかりと財布のひもを引き締めているというところなのでしょう。

ところで、鉄道ホビダスニュース 2月6日版によると、この試運転車両の写真が掲載されていました。
これがなんとJR西日本カラーで登場しているのです。
IRいしかわ鉄道に引き取られることが決まっているのに、うーむなんと申しましょうか?

えちごトキめき鉄道のET127系にしても、あいの風とやま鉄道の521系にしても、
JR色のままで走らせている編成があるんですね。
IR04編成もJR西日本色で走らせてやる方がコスト削減につながると思うんですけど…。



 参考文献 鉄道ピクトリアル 鉄道車両年鑑 2014年版 No896
               IRいしかわ鉄道 あいの風とやま鉄道 えちごトキめき鉄道のHP
               鉄道ホビダスニュース 2月6日版



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