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天下のJR東日本が他社から譲り受けた209系−JR東日本 209系3100番台 川越線八高線用−

JR東日本 八高線 川越線用 209系 3100番台、
 川越車両センター 71(4両)編成
←八王子@
クハ208_3101-モハ208_3101-モハ209_3101-クハ209_3101
   (70-020-新車-新車-70-029)
H16.12 TWRより転籍 MM’
はH17.3 川重製
Tc'M'MTc
−鉄道車両写真集−
JR東日本 209系3000番台.3100番台
八高線.川越線用の車両た
ちへJUMP
 JR東日本 209系3100番台 72編成 クハ209-3102    2010.3 北八王子駅 

209系という電車は、
20世紀のJR東日本を代表する通勤用電車で、
試作車である901系が製造されたのは1991年。
(1994年-量産化改造209系900番台 2008年廃車)
量産型である209系については、翌年の1992年から
1999年にかけて製造されました。

「重量半分.価格半分.寿命半分」
がコンセプトで経済性に優れる反面長持ちしないことを
あえて採用した系列でした。
というわけで前述したように元901系の900番台は、
新幹線電車でもないのに17年という短命さです。

最終グループとなるのは
E231系にバトンを渡すべく試作車として
1998年製造された950番台や
1999年に同じく拡幅ボディで登場した500番台で、
外観のイメージとしては
209系というよりはE231系といってもいいような気がする車輌たちです。
まあ、209系もこの500番台でおしまいだろうな。と思われたのですが、
なんと2004年。209系3100番台というのが登場します。

これが今回ご紹介する珍車です。

209系3100番台は八高線、川越線用に、3000番台(1996-)とともに川越車両センターに配置されている4両編成の209系で
客用扉が半自動(ドアスイッチを設置)となっている点以外は、0番台と同一のスペックです。
3000番台と違って、3100番台は改造車がその大半を占めてはいるのですが、
モハ209-3101=モハ208-3101のユニットは正真正銘の新車です。
でも、彼らは最終グループのような拡幅ボディではなく、旧タイプのスクエアなボディです。
併結する改造車に合わせたためですが、この改造車がくせ者なのです。
正確に言うと209系ではありません。
元を正せば東京臨海高速鉄道(TWR)70-000形。つまりJR東日本の車両ではないのです。
天下のJR東日本が、国鉄ではない他社で使われた中古の鉄道車両を所有しているのも
意外といえば意外ですが、なぜこのようなことになったのでしょう。

東京臨海高速鉄道は、東京都が筆頭株主となる第3セクターの鉄道会社で、
1996年に 新木場 - 東京テレポート間の「臨海副都心線」を開業しています。
この時 東京臨海高速鉄道は70-000形4両編成4本(01 - 04編成、計16両)を用意しました。
しかし当時、東京臨海高速鉄道は本格的な車両基地を有しておらず、
保守点検に関してはJR東日本に委託することにしたのです。
そこで大株主でもあるJR東日本と互換性のあるJR東日本の当時の車両。
つまり209系をベースにした車両を導入したというわけです。
そんなわけで70-000形は、車体も台車も主要機器も設計はほとんどがJR東日本の209系と共通です。
車両コストも安あがりで、保守費用の節約にも大いに貢献したと思われます。

2002年。東京臨海高速鉄道は、天王洲アイル - 大崎間を開業し全線開業。
めでたくJR東日本埼京線と相互乗り入れを開始することになりました。
これを機に東京臨海高速鉄道では埼京線直通用列車をJR東日本の205系と同じく10両編成化し、
さらに「りんかい線」内の専用列車も6両編成化することになります。

そして2004年には全車両を10両編成にしました。
このことでJR東日本の車両も「りんかい線」内列車に充当することができ、運用の自由度が増しました。
でもこの時、組成変更で余剰車6両発生することになるのです。
それが70-020, 70-029, 70-030, 70-039(以上4両=Tc)、 70-027, 70-028(以上2両中間M車)です。

ところでこの2004年。東京臨海高速鉄道は、以上6両の廃車を出す一方で、新車を同数の6両登場させているのです。
いかな寿命半分の209系がベースとはいいながら、これはおかしいですね。
そのからくりをお教えしましょう。
新車6両はF、C号車に充当されるT車ばかりです。
これは当時「りんかい線」内専用列車に充当された6連(4M2T)×5本10連(6M4T)×3本
組み替える際に必要だったのはT車6両ということなんです。
トータルでは30両から30両へということで増減はありませんが、
M車は4×5=20両から6×3=18両に減じており、2両の余剰車が発生しています。
そして3編成に減じたということで運転台付きのTc車も2編成分つまり4両が余剰となったのです。
これらについては大阪市営地下鉄などのようにT化するという方法もありますが、
ちょうどそのとき、JR東日本では八高線の103系4連を取り替えたいという思いがありました。
その際にこの4両のTc車含むこれら6両は、好都合な車両ということになるのです。
よって、これらがJR東日本に売却されることになりました。
なにせ、ベースは209系なのです。
多少、顔の造作は違いますが
これに新造のMMユニット2両を加えれば、209系の4両編成を2本都合することができます。

これがJR東日本 209系3100番台です。

彼らは本来の働き場所からはじき出されたわけで、気の毒なようにも思えるのですが、
私には、最後の209系として3000番台とともにカメラマンの被写体となるのではないかという気がしてなりません。

東京臨海高速鉄道 70-000形 70-109   大森駅

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参考文献;JR全車両ハンドブック 1995
鉄道ピクトリアル 「新車年鑑 1996、2005」1996、2005/10.
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