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  JR東日本 485系5000番台「彩」  2016/12/15 UP  
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JR東日本 485系5000番台 「彩」 長野総合車両センター 
N103(6両)編成
←長野E                 上野@→
クロ481_5502-モロ485/484_5007-モロ485/484_5024-クロ481_5503 
参考:JR編成表2015年冬版   
2006年5〜12月に長野総合車両センターで改造。
2015年7月、使用を直流に固定化したのに伴い車番を+4000に。
−鉄道車両写真集−
彩 (いろどり
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  JR東日本 485系5000番台「彩」  撮影2016.8  高尾駅 

ー485系最後の番台区分− JR東日本485系5000番台「彩」

いよいよ国鉄時代の車両が希少な存在になってきました。
四国を除く日本全国で活躍してきた485系もそのほとんどが過去帳入りし、今やJR東日本にわずかに残るのみです。
さて、そのJR東日本が所有する485系ですが、2016年4月現在、定期列車は新潟−糸魚川間の快速列車1往復のみです。(3000番台)、
その他現存しているものといえば、ジョイフルトレインに改造されたものが大半で、
台枠・機器類は流用されてはいるものの車体は新造されその面影はすっかり失われてしまっています。
ところが、同じジョイフルトレインでも「彩」は車体も流用されました。
ですから種車である485系のシルエットを色濃く残している貴重な存在です。

「彩」の種車である485系は、快速「くびき野」に使用されていたT21・22編成(新潟車セ 所属 4連)で、これを6連に仕立て直しました。
1974年から75年にかけて新造された485系です。編成表をご覧ください。

JR東日本 485系 彩 長野総合車両センター 編成表
←長野E                 上野@→
クロ481_1502-モロ485/484_1007-モロ485/484_1024-クロ481_1503 
2006年5〜12月に長野総合車両センターで改造。
クロは北海道向け耐寒耐雪強化形の1500番台、
モロは本州向け耐寒耐雪強化形の1000番台が種車。

車番については「クハ・モハ」→「クロ・モロ」に変更しただけになっています。
なお、余剰となったT21編成のクハ481-333・1507は廃車解体されました。

それはさておき、長野車セに配置されたN201編成「彩」は、2007年1月のデビュー以後、
主に長野から甲府までの中央、篠ノ井線のほか、長野から新津までの信越本線での運用に投入されました。
もちろん交流区間でも活躍しています。
北は奥羽本線青森まで、西は北陸本線大聖寺まで入線した実績があるそうです。

活躍の場を拡げるために改造工事も施工されました。
トンネル断面の小さい中央東線で使用するために、パンタグラフは狭小トンネル対応のシングルアームパンタグラフ(PS32形)に換装されました。
また先頭車であるクハ485-1500番台では、その識別ポイントでもあった運転台上のヘッドライトBOXが外されました。

加えて 先頭車は腰部にあった前照灯・後部標識灯を上部に移設。
愛称表示機も従来の幕式から大型液晶ディスプレイに交換。白を基調とした塗装と相まって、
顔つきも精悍に生まれ変わりました。

 1号車 :クロ481-1503 (回転リクライニングシート1席×9+2席×10)談話室付き 定員29名。
 2号車 :モロ484-1024 (簡易コンパーメント×7) 定員28名。
 3号車: モロ485-1024 (簡易コンパーメント×7) 定員28名。マッサージチェア付き
 4号車: モロ484-1007 (フリースペースカー)談話室付き 定員0名。
 5号車: モロ485-1007 (簡易コンパーメント×5)定員22名。
 6号車: クロ481-1502 (回転リクライニングシート1席×9+2席×10)談話室付き 定員29名


2015年7月、+4000の車番変更が行われました。
交直切り替え機能を使用不能(直流に固定)にしたことによる識別のためです。
前に採り上げた651系1000番台 伊豆クレイル もそうですが、
JR東日本では交直流電車の交流機能を停止してもJR西日本のように183系化するということはしないようです。
185系の後釜としていずれ653系651系が充当されるだろうと予想はしていてE151系なんかが出現するに違いない.
と思っていた私は少し拍子抜けです。

とにかく車両の保有台数が半端ではないJR東日本では車両を改造するにつけても、その種車の数が多すぎて
一時的な保管場所でさえ確保するのに苦労するような企業です。
改造するにしても最小限にとどめ工期を少しでも短くしたいという気持ちが強いようです。
JR西日本とは企業風土も違うのですね。

ところで、どうして使用を直流に固定化したのでしょうか。
それは2015年に開業した北陸新幹線の影響です。
北陸新幹線沿いとなる信越本線は3セク化され、えちごトキメキ鉄道がこれを承継しました。
今後JR東日本の団体列車が乗り入れるについては別会社となるため何かと調整が必要となります。
また、えちごトキメキ鉄道の交流区間(北陸本線)についてはJR貨物の交流機関車こそ従来通り運行を続けるものの
旅客列車はそのほとんどがディーゼル化されてしまい、電車はというと前述した新潟−糸魚川間の快速列車1往復のみです。
今なら、この区間で交直流用電車に習熟した運転手を確保することができますが、これもいつまで続くことやら…。
加えてJR東日本としては長野以北も自社路線である新幹線で稼ぎたいところです。
引き続き長野区に配備される「彩」ですが、
基本的には新幹線と競合しない中央線、篠ノ井線をメインに活躍させるのがリーズナブルと言うことになるのでしょう。

それにしても1964年にデビューし、1989年から淘汰されてきた485系です。
2015年に新番台区分が登場するとは…、驚きです。

参考文献:鉄道ピクトリアル 鉄道車両年鑑 2007年版「485系「いろどり」彩」2007.10 No795 の記事

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