JR四国 キロハ186 2 
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JR四国 キロハ186 2 ゆうゆうアンパンパンカー キロハ186_2 ゆうゆうアンパンマンカー 1986年8月
2002年9月改造
日本車輌 製
多度津工場改造
長さ(m) 幅(m) 高さ(m) 自重(t)
20.800 2.916 3.620 34.0
エンジン 定格PS(rpm) 変速機 ギア比
DMF13HS
×1
250
(2000)
DF115A 2.613
ブレーキ 定員(座席) 冷房機 台車()
CLE空気B
機関B
直通予備B
(20) AU26
20.600×1
DT-55
(TR240)
鉄道車両諸元表(気動車):出典は鉄道ピクトリアル 新車年鑑 2003.1987
*トイレなし  
*改造前は、24(G席)+32(普席)
*185系では、珍しく冷房用電源として駆動用とは別にエンジンをもつ。

 グリーン券のいらないグリーン車(キロハ186_2) 「ゆうゆうアンパンマンカー」

 キハ185系は、国鉄最後の特急用新形式車両として1986年に製造されました。
民営化を直前にひかえたことに加え、とりわけ経営基盤が脆弱な、四国に投入されることになったため、183系とは、違うコンセプトで製作されています。
 その最たるものが、”短編成で使用できる”ということです。
185系が導入された当時、四国では、181系による特急列車が運行されていました。
でも老朽化が目立つキハ28.58系による急行列車が、まだまだ多く走っていたのです。 
これらを急行列車は、小単位のものが多く、これらを185系で置き換えることが急務と考えたのです。
キロハなどという合造車ができたのもそういう理由からです。
しかし、急行列車置き換え用の185系では、新生JR四国の救世主は務まりませんでした。

 民営化されてまもなく、瀬戸大橋が完成しました。
瀬戸大橋線の開業は、JR四国にとっては朗報でしたが、高速道路も併設されていることから、大量の自家用車に加え、高速バスというライバルとも対抗してゆかなければならなくなったのです。
四国の鉄道は、線形の良くない山間部を縫うように走る路線がその多くを占めます。
走行性能も、従来の181系並み、急行格上げの格下特急用車両では、勝負にならないのです。
そこで、振り子装置を搭載した2000系のの登場です。(詳しくは2000系のページをご覧ください)
一時は、”しおかぜ””南風”という看板列車にも使われた185系でしたが、わずか5年ほどでその座を2000系に追われました。
今や”剣山””むろと”としてローカル特急に甘んじている状態です。
また20両が、JR九州に引き取られて新しい活躍場所を得ましたが、行き場のない一部の185系は、3000.3100番台となり、予讃線の普通列車として使用されています。
その凋落ぶりは目を覆うばかりです。
合造車であるキロハ186についても、中間車であるため、ますます使う場面がなくなり、8両中4両が九州でキハ186となったほか、四国においてもイベント用にでもして使わざるを得ないという状況になってしまいました。

そんな経過をふまえて、改造されたのが、キロハ186_2 「ゆうゆうアンパンマンカー」です。

 アンパンマン列車は、2000年秋に、土讃線の特急”南風””いしづち”でデビューしました。
185系ではありません。2000系です。翌年、秋には予讃線でもその姿を見ることができるようになりました。
アンパンマンの楽しいキャラクターを車体いっぱいにプリントしたその姿は、結構インパクトがあります。
またこの車内も凄い!!写真右上をご覧ください。これは2000系アンパンマンカーの車内ですが、なんと愛らしいことか。
今年の春、私も乗車したのですが、50歳を超えたオヤジが、二人。
缶ビールをちびりちびり、やりながら旅している姿とは何とも不釣り合いだったと思われます。
ビジネスマンにとっても、「これはどうも…」と気恥ずかしい思いで乗っておられるかたも多かろうと思われます。
 でも「ゆうゆうアンパンパンカー」は、
「高徳線、徳島線においてもアンパンパンカーを導入しよう。」
という、JR四国のアンパンパン戦略の一環に位置づけられ堂々のデビューを果たしました。
1両を二分割した半室構造を利用して、一部屋を丸々、プレイルームにするということをやってのけたのです。
 父親経験者なら、ショッピングセンターの一角にあるプレイルームで子供のお相手をされたご経験がおありと推察いたしますが、まさにそんな感じです。(写真でご紹介できないのが残念!)
 さてイベント用にでもして使わざるを得ないと、先ほどは申し上げましたが、このプレイルーム、なかなか気合いが入っています。
というのもプロジェクトチームでは、実際に利用されるであろう、5歳以下の子供たちやその母親たちに対しモックアップを作成。
そこから様々な意見をフィードバックするということをしているのです。
 仕切りのフェンス一つとっても、
「子供たちが登れない高さであり、かつ閉塞感がなく、保護者からは全体が見渡せるようにする。」
など安全面からの配慮がそこかしこに見られます。
 
 ところで、この「ゆうゆうアンパンパンカー」は、キロハとなっていますが、乗車するのにグリーン券はいりません。
座席ルームは、かつてグリーン室だったところで、座席も従来のグリーン車用のものです。
でも普通車なのです。もっともプレイルームにグリーン券がいるはずもありません。
 キハに形式変更するのが、妥当な気もするのですが、
「子供たちをVIP待遇するのが”ゆうゆうアンパンパンカー”なのだ。」
と考えてみてもいいような気がします。
 
 地方にあっては、一家に2台以上の自家用車が当たり前という時代です。
鉄道なぞ、必要としないという子供たちに、見向きもされない車両ばかりを造り続けていたのではダメなのです。
夢と憧れを与え続けるアンパンマンにあやかって、未来の大事なお客様に楽しんでいただくのが、「ゆうゆうアンパンマンカー」です。

 「ゆうゆうアンパンマンカー」も5年目をむかえ、このほど、リニューアルされました。
外装も明るくなって、若返ったようです。
 一人でも多くの子供たちに”鉄道の旅”を楽しんで欲しいものです。

参考文献;鉄道ピクトリアル 特集キハ181.183.185系 No772 2006.2

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