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−JR四国 N2000系 量産先行車 2424 −
JR四国の2000系特急気動車は2つのグループに分けることができます。 2424以降はN2000系と呼ばれ、このグループは、高徳線向けに製造された改良型となります。 最高速度130km/h運転を可能にしたというのが最大のポイントで、 1995年に量産先行車2両(2000形先頭車:2424・2458)が、登場しました。 特急「宇和海」の増発に向けて増備されたというカタチになっています。 特急「南風」にも用いられました。しかし、ともに在来車両との併結運用で130km/h運転はしていません。 続いて1997年に2500形(中間車)が量産車として落成しました。 1998年には量産車の先頭車が登場し、1998年3月の 高徳線高速化工事完成に備えました。 最終的に16両が製造されたことになります。 全車とも富士重工業で製造されています。 ところで富士重工業では、智頭急行HOT7000系(1994年〜)を製造していますが、これがベースになっているのはいうまでもないでしょう。 エンジンの出力は330psから350ps(コマツ製SA6D125H-1A)に増強されました。 (ちなみにHOT7000形は、355ps(SA6D125H)×2) ところで、なぜN2000系に量産先行車が必要だったのでしょう。 高速運転というのなら、電車ではありますが、1992年に8000系試作車がデビューしており、 最高速度160km/hをマーク、現在、8000系特急「しおかぜ」は130km/hの運転区間が多くを占めます。 N2000系は気動車ですが、特に8000系電車の台車構造を基本に多くの改良が加えられています。 また気動車にしても、前述のようにHOT7000形という先例があるのです。 私はJR四国において高徳線が特別な意味を持っているからだと感じています。 1987年4月の民営化以後、JR四国は、翌年1988年4月に第1次高徳線高速化 (最高速度110km/h化、それまでは85km/h)を達成。 特急「うずしお」の運転を開始します。 そして、 前述のように1998年3月第2次高徳線高速化(最高速度130km/h化)工事を完成させることになるのです。 普通列車にあってもそうです。 JR四国は、1000形や1500形といった新型気動車を高知や松山に先んじて徳島運転所に配置してきました。 それらは特急の高速化に欠かせないモノだからです。 JR四国は、新たに作られた高速道路網とまともに張り合わなければならない宿命に直面してきました。 瀬戸大橋と予讃線電化は、JR四国が生き延びるための必須条件だったというべきでしょう。 そして、土讃線についても2000系気動車を導入してスピードアップを図りました。 これについては、すでに取り上げています。 しかし、土讃線とりわけ、多度津−高知間は、もともとの線形が悪すぎるのです。 これ以上スピードアップしようとすれば四国山脈をぶち抜くトンネルを掘る以外にありません。 対して、高徳線は一線スルーなどの対策で、まだ高速化できる余地がありました。 JR四国としては、そのやる気をまず示すということが大事だったのではないでしょうか。 もちろんそれだけではありません。 ブレーキもディスクブレーキに改められ、滑走防止装置が搭載されました。 このように足下を固めたのも、 「何が何でもこのプロジェクトを成功させたい。そして営業実績をUPし。後の高徳線電化への足がかりとしたい。」 という思いが感じられるのです。 量産先行車は、従来の2000系気動車と外観や座席はほぼ同じです。 しかし、貫通扉、客用扉に赤色が配され、前面警戒色の黄色帯も太くすることでスピード感をアピールしました。 そして量産車にいたっては前面もリニューアルされ、同じ貫通型車体であっても、ひと味違うスタイリッシュなデザインとなりました。 (車体外装も紺色と赤のツートンカラーに変更。これを受けて、量産先行車2両の外装も量産車に準じたものに変更されています。) N2000系にはグリーン車もなく、モノクラス。 2両編成で使われることも多く、魅力に乏しいといわれれば確かにそうです。 でも、同じようなモノクラス特急気動車であるJR西日本のキハ187系とは違う気迫のようなものを私は感じます。 阿波大宮から板野へ向かう急勾配区間。 私は、かつてサイキョージ氏と最前列でその光景を眺めていたのですが、そのパワーにしびれてしまいました。 徳島駅で下車。 前面窓の下には「SHIKOKU」の文字が、そして乗務員室下側面には「N2000」の文字が表記されています。 私にはそれらが、なんとも誇らしく感じられたのです。
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