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2005.10.23UP
*最後の和田岬線スペシャル--JR西日本 キハ30系 300番台--山陽本線に通称「和田岬線」という区間があります。兵庫駅から南へ2.7km。終点の和田岬まで途中駅はありません。 時刻表を見ると昼間は全く列車がなく、なんと日曜日には朝夕1往復ずつしか走っていません。 しかし平日の朝には約20分おき、夕方以降も10往復の設定があります。 つまり和田岬駅付近の工場(おもに三菱重工神戸造船所)で働いておられる方々のための 通勤専用路線といってよいような路線なのです。 思い起こせばオハ64系時代の朝のラッシュ時は、もの凄いもので 両端にDD13を連結した列車がピストン輸送する度に、 デッキにまで鈴なりになった人々が和田岬駅の出口へ一気に吐き出されてゆくのです。 その様は高度成長時代の勢いそのものという感じでした。 ラッシュ時に、こんなにも多くの工場労働者の方々が利用されている点では 鶴見線とよく似た性格の路線といえるのですが、なぜか長く電化されることもなく、 オハ64系の後継には、両開きの大きな扉をもつ通勤用気動車ともいうべきキハ35系が導入されます。 そのままでも十分、オハ64系の代役は務められると思ってたのですが、 先代のオハ64系と同様、座席の一部を撤去し、片側に大型の出入り口を集中させる (オハ64系の場合は増設、キハ35の場合は撤去)という特殊な構造を引き継ぎます。 所要時間は3分。ラッシュ時専用ということもあって座席は無用というわけでしょうが、 閑散時、とりわけ夜間などは、なんともお寒い車内でした。 さて「キクハ」という称号は、関東鉄道などには見られたものの、国鉄JR系の車両では初めてではないでしょうか。 エンジンを取っ払って制御車化したわけですが、多くの人を乗せるものの 平坦な区間を長編成で使うという特殊事情がこんな珍車を可能にしたわけです。 とこんなふうに書いてゆくと関東の方々には 和田岬駅の周辺は海芝浦駅みたいに工場しかないように想像されるかもしれません。 しかし実際には笠松通商店街などもあり住民の方々も沢山住んでおられるのです。 20数年前、当商店街の「ミス笠松」となった大学時代の友人も「はよ電車、走らして欲しいわ。」と言ってました。 さてその後、彼女の願いは叶い2001年7月1日、和田岬線は電化されたのですが、 相も変わらずの列車ダイヤで、2002年のワールドカップの時でさえ、増発されることはありませんでした。 神戸ウイングスタジアムが、目の前なのにもかかわらずです。 電化によりキハ35-300番台は、当然のことながら姿を消し、今は103系の6連がピストン運転しています。 和田岬線スペシャルの103系を期待したのですが、今回はフツーの103系のままでした。 昔ほど工員さんの姿も見られなくなった以上、もう和田岬線専用の特殊な車両が登場することはないでしょう。 オハ64 2 中央のドアは走行中もごらんの通り… オハフ64 2 こちら側は普通の客車に見えます。 お寒い車内です。 |
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