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J鉄局TOP>珍車ギャラリー>南海電気鉄道 31000系特急「こうや」「りんかん」用
小は大を兼ねる-南海31000系-南海高野線 特急「こうや」用31000系は 1999年に登場しました。30000系「こうや号」の代替用に製造されたものではありません。 増備するというのであれば、30000系で良いわけです。 制御方式がVVVFに変更されたための新形式か。 といえばそうでもない。 31000系はオーソドックスな抵抗制御です。 彼のお話をする前に、 兄貴分である30000系から先にお話を進めましょう。 特急「こうや」用30000系は 1984年に登場しました。 製造後20年以上を経過した 20000系「こうや号」デラックスズームカーの 代替用に製造されたものです。 橋本以南への乗り入れに対応するため17m車となっています。 4連×2本が在籍することにより、 特急「こうや」の通年運行が可能となりました。 さて高野線では、かねてから、特急「こうや」用30000系を使用して 「なんば-橋本」間の区間特急を運転していました。 1980年代に町開きをしたニュータウン(林間田園都市:計画人口5万人)の通勤客の利用を見込んだものです。 これは好評を博していました。 そこで1992年、この需要に応えるべく特急「りんかん」用11000系を投入することになりました。 30000系同様、オールMの4両編成ですが、20m級車体であることから 特急「こうや」としては運行できず、橋本以北で運行する特急「りんかん」限定車両となりました。 11000系は、南海線10000系サザン(2次車:中間車)を基本とした貫通型の車体となります。 サザン同様、ビジネスユースを意識した仕様でした。 塗装も10000系と同じとなるなど、そのデビュー当初、目新しさは感じられませんでした。 また制御装置もVVVFインバータ制御ではなく、オーソドックスな抵抗制御です。 31000系は、好調な特急「りんかん」の増備車として、1999年に登場しました。 貫通型で11000系「りんかん」と外観は似ていますが 「こうや」として使用するため(橋本以南への乗り入れに対応するため)17m車となっていることがポイントです。 これは、製造後15年を迎えた30000系「こうや」の更新時期に合わせ 「こうや」の運休を解消するため製造されたものでもあるのです。 4連×1本(モハ31001-モハ31100-モハ31101-モハ31002)のみの在籍です。 31000系は、廃車となった21000系ズームカーの制御器を改造、流用しているため、 制御方式は抵抗制御となっています。 加えて、同様のシステムを持つ30000系・11000系に併結対応改造することで、 「りんかん」「こうや」を8連化することが可能となりました。 2000年「りんかん」の8連化に際し、 11000系は車体色を増結する30000系、31000系と統一、白地に赤帯となり面目を一新しました。 10000系サザンのページでもご紹介しましたが、古い制御器であっても使えるものは、これを上手に使い回し、 運用の幅を拡げるというやり方は、さすが南海!実に納得がいくところです。 31000系は、高野線のフラッグシップである30000系のような華々しさはなく、 スマートな11000系と違って、寸詰まりで中途半端な存在であるかのように見えます。 1編成しかなく、かつ旧態然とした抵抗制御の足回りを持つ地味な彼は、会社ならリストラ対象…? ということにもなるのかもしれません。 しかし31000系は、高野線特急の歴史的必然から生まれた車両であり、 その運用の中核に位置すると言っても過言ではありません。 ただ、林間田園都市は、2000年をピークに人口が伸び悩んでおり、 特急「りんかん」もこれからが正念場となるでしょう。
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