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DE601 日本のDLとは思えない面構えです DE601 こちら側に貨車をつなぎます。 電気連結器等がうまく映っていないのが残念です。 太平洋石炭販売 DE601 電気式ディーゼル機関車平成14年1月。太平洋炭礦閉山のニュースが飛び込んできました。機械化の進んだ効率のよい同炭鉱もやはり安価な輸入炭には太刀打ちできなかったか。と思うと同時に、 あのDLたちもいよいよお役後免になるのか。と暗い気持ちでいたのですが、 どっこい生き残って今も石炭を運んでいるのです。 なんでも世界有数の保安設備をもつ採掘技術を継承し これを海外に移転するため5年間をめどに釧路コールマイン社が設立され、 採炭量は年間70万トンと往時の3分の1以下に減ったものの鉄道による輸送も継続されることになったのです。 さて,太平洋炭礦以来の子会社である太平洋石炭販売輸送は、昭和54年、釧路臨港鉄道を吸収合併し、 太平洋炭礦の石炭を釧路港へ、また国鉄東釧路駅へ運んできたわけですが、 86年国鉄連絡貨物がなくなり、以後、選炭工場のある春採から、 知人にある南埠頭の石炭桟橋までシャトルトレインと称する石炭列車を走らせてきました。 99年4月のダイヤでは11往復の列車が上り下りとも同時刻に両駅を発車。 12分かけて同時刻到着する運行パターンになっていましたが、平成14年以降は6往復設定されているものの、 実際には3往復程度で運休の日も多いと聞きます。しかし残っているだけでもありがたいと思います。 釧路まで出かけていって運休だったつらさを味わっている私ですが、 運転さえしていれば、実に興味深い運行パターンを目にすることができるでしょう。 シャトルトレインは24両の貨車(連接車ですから12ユニット)の前後にDLをつなげたスタイルになっています。 春採駅では、これを2分割し、2両のDLがそれぞれ選炭工場に貨車たちを、 プッシュないし牽いて石炭の積み込みを行います。積み込みを終えたら元通り合体し、 知人へ向かいます。知人では、2本ある石炭桟橋にむけ、やはり2分割して荷下ろしを行います。 なお、分割併合の作業、及び石炭排出扉の開閉はDLからの遠隔操作で行われます。 そのためDLには空気管付密着連結器に、制御用の電気連結器まで装備されています。 扉の開閉については、任意の車両についても可能で、 ここまでやるんだったらDLも総括制御すればいいのにとも思うのですが、 2台のDLは総括制御ではなく、無線連絡によるノッチ操作です。(液体式は総括制御が苦手) まあ考えてみれば、双方の駅で分割して作業を行う際、どうせ機関士は2人いるのだから、問題なしです。 日本最後となる石炭列車の存在自体、貴重なものですが、 この運行パターンが又、大変興味深く珍しい存在と言えるでしょう。 そして使われている機関車がまた、個性派揃いなのです。なかでも極めつけはDE601です。 DEとありますが、動軸数は4つ、この「E」は電気式である。ということなのですが、 さて電気式DLとは、いったいどんな機関車なのでしょう。 内燃機関を用いた車輛は、自動車でおわかりいただけると思いますが、変速しないとエンストしてしまいます。 出力が小さければギヤーチェンジ【機械式】で変速してゆけますが、大出力の鉄道車両ともなりますとそうもゆかず、 エンジンで発電機を回しそこから得られた電力でもってモーターを回す【電気式】という方法をとっていました。 かつては国鉄のDF50がその代表例です。 しかし 回転エネルギーを一旦、電気エネルギーに変換し、 再度回転エネルギーに変換するわけですから効率はよくありません。 また電気機関車にディーゼルエンジンと発電機を乗っけているわけですから、重量もかさみます。 そこで登場したのが、【液体式】というやつで、油が充填されたトルクコンバーターで変速する方法が 日本では一般的な方法となってゆきます。 日本では、と申しましたのは、他でもありません。世界的には、特にアメリカでは電気式がメジャーなのです。 電気エネルギーを介さない点では効率がよいように見えるトルコンも 実は「すべり」つまりは半クラッチ状態でもってエネルギーを伝えるためロスは大きいのです。 「東芝三菱電機産業システム」のHPによると、電気式の方がむしろ2割方効率がいいとしています。 もっともインバータ制御で電気ブレーキによる回生エネルギーもふまえてのことだとは思いますが。 メンテナンスの容易さも含めて、軽量化がなされれば、電気式は旧式のシステムではないのです。 さて、日本車輌は昭和45年、米国GE社と提携し輸出用試作車を電気式で製作します。 これが、DE601なのです。米国キャタピラー社製の1050PSエンジンに280Kwモーターを4個装備しています。 DD13級の僚機のスペックを調べて見ました。単純に比較はできませんが そんなに重量がかさむわけでもないし、非力でもないようです。 JRの最新式DLであるDF200レッドベアーは電気式です。 DD51が量産されていた時機に、日本車輌は次世代DLの可能性を電気式に見いだそうとしたのかもしれません。 参考文献;「注目の貨物輸送(太平洋石炭販売輸送)」 早川淳一氏 鉄道ピクトリアル No680 2000.1 D401 選炭工場に潜り込んでゆくので、 ラジエータにカバーがついています。
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