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  東京都交通局 都電荒川線 7000形 7001  2011/10/8UP
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東京都交通局 都電荒川線 7000形 7001 町屋駅前
都電荒川線
7000
01-19
(6.9.11.12.14欠)
S30年製
S52年更新改造
日車製
アルナ工機 改
長さ(m) 幅(m) 高さ(m) 自重(t)
12.520 2.203 3.685 16.5
駆動方式 制御器(電圧) モーター(kw) ギア比
ツリカケ NC170
間接制御
NE60
60×2
ブレーキ 定員(座席) 冷房機 台車(製造)
空..電 96(24) S62-H3年冷房化 D-20A
冷房化については、rp593のP154を参照
鉄道車両諸元表:鉄道ピクトリアル 特集路面電車  No593 1994.7
7001   町屋駅前                    撮影日不明

都電荒川線 7000形 7001  -Mr.荒川線- 

東京都電7000形は存続が決まった荒川線(1974年に 27・32の両系統を統合して改称)用車両として
1977年デビューした更新車です。
車体はアルナ工機(現・アルナ車両)製の新造車体ですが、
台車に電装品といった主要機器類は旧7000形から流用しています。
ちなみに旧7000形は、そのメカにおいて、
同型式とするには、ちょっと無理があるのではないかと思えるほど、バリエーションに富んでいます。
しかし、新7000形に更新された旧7000形3次車では、さほど大きな変化はありません。

新7000形は、1978年にワンマン化されました。
その後、1985年から冷房化と塗装変更がすすめられ、集電装置もビューゲルからパンタグラフに交換されました。
2002年からは再更新工事が施工され、シングルアーム式パンタグラフに交換されたものも存在します。
(7001、7019、7020、7022、7025)
今回は集電装置を3通りも装備した珍しい路面電車として,7001号をその代表としてピックアップいたした次第です。

-鉄道車両写真集-
都電荒川線 7000形 旧7000形 7500形 8500形 8800形
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とりもなおさず集電装置を3通りも装備したということは、それだけ長生きをしたということでもあるのですが、
1980年代に冷房改造もせずに廃車されたものもあれば、冷房改造してから廃車されたものもあります。
また豊橋鉄道に譲渡された仲間もいます。(1992/2000年)

しかし、2011年現在、7000形更新車は、いまなお21両も在籍するのです。
同じ7000形にして、この違いは何なのでしょうか。

これに加えて、解せないのは、都電7500形の廃止です。
2011年3月。そのすべてが引退することになりました。

都電荒川線 7500形 7501 大塚駅前 2009.8 都電荒川線
7501
7501-20
うち7両欠
S37年製
S59年改
日車製
アルナ車両 改
長さ(m) 幅(m) 高さ(m) 自重(t)
13.520 2.203 3.890 16.5
駆動方式 制御器(電圧) モーター(kw) ギア比
ツリカケ 日車NC533
間接制御
日車NE60
60×2
ブレーキ 定員(座席) 冷房機 台車(製造)
空.電 96(24) S59冷房化 D-23
7501 大塚駅前                2009.8 鉄道車両諸元表:鉄道ピクトリアル  特集路面電車  No593 1994.7

7500形は1962年製で旧7000形3次形車の7年後の車両です。
1972年には18両が荒川車庫に集結し、
荒川線の存続決定後、7500形の7509と7514を除く16両が、7000形同様がワンマン運転対応に改造されることになりました。
ただこの際、7000形は車体が新造されましたが、7500形は既存車体の改造での対応となりました。
でも1984年から87年にかけて、7500形は13両に対して
都電初となる冷房車改造工事がなされ、同時に車体更新もなされているのです。
(7502・7504・7508の3両を除く)
7000形が現在の車体に更新されたのは1977年ですから、7500形更新車は車体も7年は新しいのです。

特に7500形に思い入れがあるわけではないのですが、私としては7500形が気の毒に思われてなりません。

番狂わせの大きな原因は何でしょう?
一つは荒川線の完全冷房化が強く望まれていたことにあると思います。
1980年代、地下鉄を除けば、もう冷房車は当たり前、路面電車であってもそれは同じで、
伊予鉄道松山市内線などは88年には完全冷房化を達成しています。

東京都交通局は、7500形の冷房化で対応してきたわけですが、それでは数が足らないのです。
新型車の登場を待つまでもなく、7000形に冷房改造工事をすることになりました。
言うまでもなくクーラーユニットは相当な重量物です。工事にあたっては、全面的な改修工事がなされました。
つまり7000形は再リニューアル工事で再び若返り、車両の状態としては、こちらが上というになったのです。
それでも、これは新車投入までの急場しのぎという一面はあったと思います。

待望の新車である8500形は、1990年にデビューしました。
車体は全鋼製軽量構造で、都電では1954年落成の6500形以来となるカルダン駆動車です。
そして都電では初のVVVFインバータ制御を採用しました。
まさに満を持した高性能車両です。
1992年に8502・8503、1993年に8504・8505のそれぞれ2両ずつ、計5両が増備されました。

それと入れ替わるカタチで7000形8両は、1999年までに廃車されています。
(うち4両は1992年と2000年の2度にわたり、豊橋鉄道に譲渡)

でも、8500形は5両で製造がストップしてしまうのです。
8500形自体に問題があったわけではありません。
財政上の問題です。
折しもバブルが崩壊し、都の財政にもブレーキがかかってしまったのです。
7000形車両の取り替えは見送られ、7000形の冷房化工事を推し進めることで冷房化をはかりました。
そしてその結果、7000形冷房車の数は、7500形を上回る勢力となったのです。
そうなれば、部品の確保についても、メンテナンスについても7000形のほうが有利です。
番狂わせの原因はどうやらこのへんにありそうです。

それにしてもトップナンバーである7001がなぜ生き残ったのでしょう。
かつての6152号のように、動態保存的に残っているわけではありません。
繰り返しになりますが、新7000形は旧7000形の更新車です。
車番は旧7000形のそれを引き継ぐことはなく新たに7001 - 7031に揃えられました。
ならば7001は旧7000形で最も状態のいいものから改造したのだとも考えられるのですが、
新番号は改造順ではなく旧番の若い順から付番されています。
つまり、最も経年を経たものが、
わかりやすく言えば一番古いものが7001に用いられているのです。

なぜトップナンバーの7001が生き残っているのか?詳しいことはよくわかりませんでした。
ただ、参考文献の一覧表を見て気づいたことがあります。
じつは、トップナンバーの7001(=旧7055)は、1955年12月に新製配置されて以来
ずーっと荒川電車営業所に配置され、この地を離れたことはありません。
7500形はもちろん7000形にあっても、こんな車両は7001だけです。
ひょっとしたらそんなことも影響しているのかもしれません。

思えば7001は、荒川線の歴史そのものといえるように思われます。
まさに【ミスター荒川線】ですね。


新7000形は更新車ながらも正面1枚窓でスマートなデザインの新造車体です。
その後日本各地に登場した路面電車に大きな影響を与えました。
なお、荒川線車両は路面電車の仲間と見なされてはいるものの、ステップがありません。
ホームを嵩上げし、これを路面からスロープでつなぐことで、
お年寄りにも障がい者にもやさしいバリアフリー対応となっていることも注目です。


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参考文献;鉄道ピクトリアル 「都電7000形ものがたり」 (特集 路面電車 No593) 1994.7 
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