参考文献;鉄道ピクトリアル No436(84.9)
        
 大井川鉄道
 2005.7.17UP JS3VXWのHPです
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特集 大井川鉄道より
  大井川鉄道 クハ511 千頭駅  クハ511 千頭駅      
   
 大井川鉄道は、東海道本線金谷駅から千頭までの39.5kmの大井川本線(1500V電化路線)と
千頭から井川へ至る25.4kmの井川線(非電化路線)より成り立っています。

 奧大井の電源開発と木材輸送を目的として作られた鉄道ですが、
昭和15年時点での大株主の筆頭は、内蔵頭(くらのかみ)とあり、
なんとこれは皇室における株主所有の名義人なのです。
大井川上流域は御料林で、大井川鉄道がこの運材に関わるということで株主となっているわけです。
 
 ほか電力関係の会社が多く名を連ねているのも
大井川鉄道と電源開発が密接な関係にあるのを裏付けているでしょう。

 大井川本線は昭和2年に開業。同6年には全通しています。
電化されたのは昭和24年ですから、それまではそれこそSLの里だったわけです。

 大井川の広い河原と、お茶畑を眺めながらの旅は、のどかでいいもんですが、
人家は少なく、沿線人口は3万人。静岡県のローカル私鉄が多く消えていった中で、
もはや貨物もなく輸送需要の小さいこの鉄道が残っていることは、
不思議と申し上げても過言ではないと思われます。

 井川線は昭和8年に電力会社の専用鉄道として762mmのナローゲージで開業。
戦後、井川ダム建設のため、井川まで延長。これにあわせて昭和29年1067mmに改軌されました。
井川線が中部電力専用鉄道から大井川鉄道へ移管され、
地方鉄道として旅客営業するのは昭和38年8月のことです。

 ダム建設資材輸送の使命を全うした後は、運材輸送が主となってゆくわけですが、
それも長くは続きません。
 ダム工事の現物補償として、残された鉄道は観光にその活路を見いだすことになります。
幸い、昭和29年に新設された区間は30の橋梁と53のトンネルを擁する渓谷路線で、
絶景が連続する風光明媚な 夏でも涼しい格好の観光路線です。

 さて、その井川線の沿線に長島ダムが建設されることになり、4kmほどが水没することになりました。
迂回ルートを造るか。はたまたこの際廃止してしまうか。論議がなされた中で、
大井川鉄道は、アプト式の新線を造るという選択肢を選択します。
ダムが建設されるにあたって、道路が格段によくなっている以上、
単なる輸送手段ではなく井川線の存在感を高めることこそが、
存続への唯一の道と考えたのです。

 鉄道の存在感を高めるという点ではSLもその一環として位置づけることができます。
確かに、SLもアプト式の新線も、お客を呼ぶことはできるでしょう。
しかしその維持には、高い経費がかかるのです。
それだけで黒字になるなどとうてい考えられないことです。
残念なことですが、鉄道全体からすると乗客の減少に歯止めがかかっていないのが現実です。

鉄道を維持するための、大井川鉄道の経営努力に心から敬意を表したいと思います

 

大井川鉄道 DD201   DD201 井川駅1993.2.15

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