銚子電気鉄道
2006.8.20 UP       JS3VXWHP TOPへ  
鉄道切符管理局ローカル線切符紀行 
 
  
銚子電気鉄道 デハ1001 銚子電気鉄道 デキ3 電気機関車
笠上黒生駅     デハ1001  デキ3  仲の町車庫
83.5.22
この写真は、銚子電鉄の主力、デハ1000形です。
平成6年に営団地下鉄(現東京メトロ)銀座線の2000形の車体と小田急2200形の足回りを組み合わせ、
京王重機で改造したものです。 
 同系列の車両が日立電鉄にあり、同車両が、非冷房車であるがために
日立電鉄の乗客減に歯止めをかけられなかったのではないか.

ということについては珍車ギャラリーでもご紹介しました。  
 駅舎には大枚を投じてくれたU山社長でしたが
、ここでも冷房車の投入はなりませんでした。
車両と施設の双方に課題があったと思われますが、
今も冷房化率0%で、潮風に舞う車内の風鈴だけが、精神的な”涼”をもたらしてくれます。


銚子電気鉄道 硬券
銚子電気鉄道 入場券

赤字体質の銚子電鉄

銚子電鉄は、総武本線の終点銚子から、なおその先端にある犬吠埼を巡り、
漁港のある外川まで6.4kmの道のりを19分かけてのーんびりと走るローカル私鉄です。
 
 開業は大正12年7月ということになりますが、うち銚子−犬吠間は大正6年に、
開業後わずか4年にして廃止された銚子遊覧鉄道の廃線跡を利用しています。
なんでもその廃線跡はバス専用自動車道だったとかで、
おそらく日本で初めての自動車専用道だったと思われます。
それはともかく犬吠−外川間を延長開業した銚子鉄道は2年後の大正14年には
電化され現在の形になりました。
(ちなみに現社名である「銚子電気鉄道」となったのは昭和23年です。)

 銚子遊覧鉄道が、廃止されたのは大正6年に勃発した第1次世界大戦の影響だったそうですが、
十分に採算がとれていればこんなことにはならなかったでしょう。
ですから同区間を再生した銚子電鉄は、その生まれからしても
高収益をあげられる路線とはいえなかったようです。

 昭和30年代、まだ地方鉄道が元気だった時代でさえ、銚子電鉄は赤字経営に陥っていました。
昭和44年には市による欠損補填をうけ、以後、国そして県からも補助をうけ、
やっとの事で経営を続けていたのです。

内野屋工務店

 さて、平成2年。そんな経営環境の厳しい銚子電鉄を傘下におさめ
再建を図ろうと10億円もの投資をした企業が現れます。
千葉、東金市に本拠を構えるデベロッパー「内野屋工務店」です。 
 デザインのセンスについては賛否両論があるようですが、
犬吠駅をはじめ銚子、観音、君ヶ浜の各駅は、
ヨーロッパ調の個性豊かな駅舎に生まれ変わりました。
またゴリラをイメージしたキャラクター「アル.カッポレ」のヘッドマークに、
ちょっとレトロな味わいのカラーリングの車両も、銚子電鉄に新しい時代の到来を告げました。

 しかし、国からの補助が打ち切られることになった翌年の平成10年、
内野屋工務店は自己破産。絶体絶命の危機を迎えましたが、
 
 どっこい銚子電鉄は頑張っています。
内野屋工務店によるCIがどれだけの効果を上げたかはわかりませんが、
Wikiペディアによるデータによると昭和62年年116.8万人だった年間輸送人員は、
内野屋工務店の破産と同年である平成10年には83.7万人。
そして、その5年後の平成15年には67.4万人にまで落ち込んでいます。

銚電を支える市民のマイレール意識

 ではなにが、銚子電鉄を支えているのでしょう。
まず第一に上げられるのは市民のマイレール意識です。
銚子市観光協会などを中心とした「銚子電鉄運行維持市民の会」が結成され
存続に向け署名運動を展開しています。約1ヶ月弱で8.8万人もの署名を集めました。
ちなみに 銚子市の人口は7.5万人。すごいパワーだと思うと同時に、
市民にとって銚電が愛すべき存在なのだということを感じずにはおれませんでした。

銚子電気鉄道 一日乗車券 弧廻手形
 

銚電のぬれ煎餅

そしてもう一つ、
特産の醤油を使用した銚電名物「ぬれ煎餅」を挙げないわけにはゆかないでしょう。
平成7年に始まった犬吠駅での「ぬれ煎餅」の実演販売は好評で、
今では運賃収入を上回っているとかいないとか。?
 ちなみに私は、犬吠売店で2000円以上使ったので、
弧廻手形(1日切符)に仲の町の入場券を加えても3倍近い出費をしたことになります。
 
 帰途の電車の中で、缶ビールのあてに買った
「ぬれ煎餅(おつまみ用130円也)」を賞味しました。
醤油の香ばしい香りに、じわあとしみ出す濃い口醤油の味わいが、これまたビールに合うのです。 

  「鉄道が銚子の特産物醤油と共に、まちのシンボルとして生き残る…これも悪くはないなあ。」 
 来てよかった。−−チョット幸せな気分で銚子の町を後にしました。
 
犬吠駅の売店にて 銚子電気鉄道 デハ701 外川駅
犬吠駅の売店にて  デハ701    外川駅  83.5.22 
 
−鉄道車両写真集−
銚子電気鉄道1 83年5月  銚子電気鉄道2 94年8月 06年8月
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参考文献;銚子ポータルサイト「すきっちょくるっちょ」のWEBページ
      

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