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2007.1.7UP | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
J鉄局TOP>珍車ギャラリー>西武鉄道 E31形 電気機関車
西武の電気機関車たち 関西の大手私鉄では、昔から貨物量はさほどなく、電気機関車も南海にいた東芝40tクラスがせいぜいでした。 対して関東では、東武、西武などでまとまった貨物量があり、電気機関車も大型のものが多数存在しました。 その中でも西武のELは、個性的なものが多く、どれもこれもかっこいいのです。 今回、最後のELとなる E31形電気機関車をメインにご紹介したいと思います。 *E851形電気機関車私鉄の電気機関車中で、白眉といえるのは、なんといっても西武のE851形でしょう。昭和44年西武秩父線の開業に伴い、東横瀬にある三菱セメント工場の製品輸送のため製造されました。 東横瀬−芦ヶ久保間、正丸峠にある連続25パーミルの急勾配を、重連で1000tもの貨物列車を牽引し、 都市部においても電車と平行ダイヤを組むことが出来る性能をもっています。 側面の丸窓もバッチリ決まったスマートな車体でありながら、堂々たるF級の電気機関車で出力は2550kw/h(=EF65)。 もちろん私鉄では最強です。 *E31形電気機関車ところが、その18年後、昭和62年に製造されたE31形は、西武最後の電気機関車となるのですが、出力はというと520kw/h。E851形の5分の一ほどしかありません。 モーター一つとってみても、E851は425kw/h(MB428-AVR=MT52タイプ) E31は130kw/h(MB146D)で、電車並です。そう、実はこれ、電車用モーターの再生改造品なのです。 台車も、1983年まで国鉄飯田線で活躍していた80系電車の廃車発生品(DT-20A)を履いており、 いってみれば旧型国電の足回りを持つ電気機関車といえるでしょう。 でもなぜ、こんな非力な電気機関車を西武は作ったのでしょう。 E31が登場した昭和62年当時、西武にはまだ、多くの外国製電気機関車が生き残っていました。 そのいずれもが大正から昭和初期にかけて作られた、電化黎明期ものです。 サンプルとして輸入された性格をもつものといえ、どれもこれもA級の珍車でしたが、 さすがに寄る年波には勝てず、いよいよ取り替えられることになったのです。 とはいえ、E31は、当時残っていたE41(EEデッカー)ほどの出力しかなく、 E51(ブラウンボベリ)、E61(G.E)、E71(W.H)にも及ばないものでした。 ただ重連総括制御が出来、時にはE851の代役として正丸峠を越えたこともあるのです。 しかし、自重が40.7t。軸重10t強しかないコンパクトなE31にとっては、 十分な引張力がだせず、雨の日などは空転が多く、4両ほどのタキ1900でさえ重荷であったように思われます。 非力な電気機関車と悪口ばかりたたいているようですが、私は結構、E31のデザインが気に入っています。 機関車より2割方小さいサイズである電車の台車を使っていますから、そのままだと短足に見えてしまいます。 そこで車体下部を黒く塗ってカモフラージュしています。 また屋根もやや低くしたため、電車の再生品であるパンタグラフも下駄を履いています。 E851と並べたら、また電車と較べても小さく感じられれるボディですが、単独で見ればなかなかどうして、堂々たるものです。 今は、正丸峠越えの貨物もなく、E851は引退してしまいましたが、 E31は、新車(電車)の甲種回送や、工事用列車として道床のバラスト(砕石)を運ぶホキを牽引する仕事についています。 工事用列車といえば、電車改造のものか、移動機クラスの専用DLで済ますところが多いのですが、 このようにあえて電気機関車を自社で製作したところに西武鉄道の意地みたいなものを感じるのです。 ![]() いかな非力な電気機関車E31であっても、 平坦な関東平野を3両程度の貨車に対し 2両で力を合わせなければならないほどのことはありません。 プッシュプルのように見えますが、 行きと帰りで仕事を分担しています。 *データはE31のみ「鉄道ピクトリアル#650」 他は「私鉄電気機関車ガイドブック東日本編」誠文堂新光社刊による。 E32 所沢 -----------------------------------------------------------− 西武鉄道にいた古典的電気機関車たち−E41形−E42 所沢 1983.1 ![]()
*43.44の数値を記しています。他もおおむね同じ。 −E51形−E51 所沢 1983.1 ![]()
−E71形−E71 所沢 1983.1 ![]()
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