鉄道写真管理局 珍車ギャラリー 国鉄 オヤ31 建築限界測定車 2006.11.19UP
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JR西日本 オヤ31 31 建築限界測定車 *建築限界測定車(JR西日本所属)

オヤ31_31 (オシ33_104改) 1957年3月 長野工場改造
長さ(m) 幅(m) 高さ(m) 自重(t)
20.000 3.800 4.300 32.0
ブレーキ 定員(座席) 冷房機 台車()
AV なし TR-23

 オヤ31 31(JR西日本)と32(JR北海道)は、
戦後、米軍に徴用された経歴を持つ、貴重な車両です。
 使用される頻度が少ないとはいえ、このような車両が、
現役で在籍していることは凄いことです。
-----オヤ31_31                  宮原客車区

 国鉄には、かつて事業用車が数多く存在しました。
しかしこれらの諸車に課せられた業務は大概、自動車で代用できることもあって、JR化を契機に一部試験用の車両を除いて、
その多くが姿を消しました。

 ところが、わずかに残ったその試験車の中に、とんでもない珍車が存在し、今も現役で活躍しているのです。オヤ31です。

試験車というと、検測などの業務に用いるTechno Inspector(小田急)などハイテク車をイメージしがちですが、オヤ31は違います。
戦前それも昭和初期に製作されたスハ32系を改造した車両で、今も種車のイメージを強く残しています。

 オヤ31は、建築限界測定車と呼ばれる車両で、新線が開通したときなど、無事列車が通過できるかを測定する車両です。
トゲのような矢羽根を広げたその姿は、かんざしを何本も髪に挿した花魁(おいらん)の姿にたとえられます。
 しかし実際に、その目立った姿を見かけることは、滅多になく、
オヤ31の試験列車が、運行されたときには、その都度「オイラン列車 ○×線で走る!」と鉄道雑誌に掲載されるほど、レアな存在です。


JR東海 オヤ31 12 JR東日本 オヤ31 13
---------オヤ31 12          米原客車区?-----------オヤ31 13            仙台駅?

   オヤ31 車歴表
   

スロハ31525 スロハ31 49 スヤ31_1 オヤ31_1
田中車両 新潟鐵工
1937.8 新製 1941 改称 1949.? 改造 1953.6 改番
1987.2 廃止 保管
スハ32820 スハ32 157 スイネ32 21 スイネフ30 1 スヤ34 21 オヤ31_11
日車東京支店 幡生工 特別車 大井工 特別車 大森工 大森工
1934.3 新製 1941 改称 1947.7 改造 1949.9 改造 1951.3 改造 1953.3 改造
FANNIBAL #1725 1987.2 廃止
スハ33089 __スハ32_426 オヤ31_12
田中車両 長野工 1995.12
1937.12 新製 1941 改称 1959.3 改造 廃止
JR東海継承 保存
スハ33114 __スハ32_451 オヤ31_13
新潟鐵工 長野工 現役
1937.11 新製 1941 改称 1961.3 改造 仙セン
JR東日本継承
スへフ30255 スヘフ30_6 スヘ31_13 __スヤ51_16 オヤ31_21
不明 傷病兵輸送用 小倉工 病院車 小倉工 特別職用車 小倉工 2005.5
1937.? 新製 1941 改称 1946.5 改造 1950.3 改造 1954.3 改造 廃止
BRISTOL #2911 *1 #26 JR九州継承
スハフ34525 スハフ32_224 スハフ32_224 オミ35_11 オシ33_104 オヤ31_31
梅鉢車両 不明 酒保車 不明 料理車 長野工 現役
1937.3 新製 1941 改称 1945.9 徴用 1948.11 改造 1952.1 改造 1957.3 改造 大ミハ
PRESCOTT #2428 PINEWOOD #2734 名称なし #3315 JR西日本継承
スハ32994 __スハ32_331 スミ43_1 オシ33_105 オヤ31_32
日車 大船工 ラジオ車 不明 料理車 長野工 現役
1937.3 新製 1941 改称 1950.7 改造 1952.1 改造 1957.11 改造 札サウ
GARY #3107 名称なし #3316 JR北海道継承

参考資料;スハ32系客車 車歴表T、U 蔦英一氏 藤田吾郎氏 製作 鉄道ピクトリアル No777、778


JR九州 オヤ31 21   オヤ31 21(JR九州)は、特別職用車としての経歴を持つために、
密閉式(大型のガラス窓が入っている)の展望室が残っています。
 この写真からは良く確認できないのが残念ですが、
ダブルルーフであることはご確認いただけるとおもいます。
 さて、この華麗な姿を持つこの車両は、米軍用車両として使われる前、
戦争で傷ついた人々を運ぶ傷病兵輸送用の病客車でした。
 激動の昭和を生き抜いた歴史の証人ともいうべき存在でしたが、
残念ながら、2005年5月廃車され、保存されることもありませんでした。
 
 門司港に鉄道博物館が出来たのにもかかわらずです。
なぜこんな貴重な車両を保存できなかったのか?残念でなりません。

-----オヤ31 21               門司

 当局では、特にこだわっているわけではありませんが、現存しているなら、そちらをタイトル車両にすることを原則としています。
今回も、オヤ31 31をタイトル車両とするつもりでした。しかし廃車となったJR九州のオヤ31 21が捨てがたく、
この際、オヤ31の全資料を含めて、国鉄オヤ31一族をまとめてご紹介することといたしました。


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