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2005.7.16UP
日本初の本格的プッシュプルトレイン 大井川鉄道(井川線)クハ600形 601長島ダムの建設にともない、井川線の4kmほどが水没することになり、中部電力はその補償として同区間のアプト式の新線建設を認めます。 1360mのアプト式区間を含む、4.8kmが開通したのは、1990年10月。 かつて碓氷峠で採用されたこの方式が、数十年の歳月を経て 最新のテクノロジーで復活することになったのです。 とはいうものの、新鋭のED90形機関車そのものは、日本で唯一のアプト式とはいえ 1500Vの直流モーターで釣掛駆動と、特に目新しさは感じられません。 むしろ電子保安装置をはじめとする安全への配慮。 山の中に封じ込められる特性上、保守になるだけ手がかからないようにする工夫。 (それならなおのこと交流モーター&VVVFにしておきたかった、生まれたのがもう数年後だったら…) そして、次に新車が導入できるか目途がたたないため、 徹底的な長寿命設計がなされている点が注目されます。 さて、アプト式の新車であるED90ほど目立ちませんが、今回は 同時期に先行して試作されたクハ601に是非とも注目して頂きたいのです。 急勾配の路線では、重量のある機関車は。坂下側に連結するのがベスト。 そのため山側の客車に制御器をとりつけ、坂下側の機関車を総括制御することにしたのです。 こうすることによって終点で機関車を付け替える必要もなくなり一石二鳥。 といいことづくしのように思えますが、簡単にはいきません。 なにせこのボディーは、スロフ310の改造。車両限界ゆえのコンパクトサイズ。 (クハ602以降の量産車は、用済みの貨車であるトキ200形に新造の車体を載せたもの) それでいて、機関車はEL(それもアプト式!),DLの2種類、DL用24V。EL用100Vの2系統の電気系統を備え、 それでなくても窮屈な運転室に双方のマスコンを上手に納めなくてはならないのです。 加えて技術陣は、必要十分な運転情報を運転手に提供できるインターフェースまで作り上げました。 日本初の本格的プッシュプルトレインは、その後、嵯峨野観光鉄道やJR西日本の奧出雲おろち号へ そのスタイルが受け継がれてゆきます。 しかし、これほど多様な運行形態に対応しなければならない制御客車が、 登場することは、今後この井川線以外には考えられないように思えます。 91.1.5早速、井川線を訪ねました。 千頭駅のだれもいない井川線ホームで1時間以上出発を待ちました。 クハ600の鉄ちゃんシート(1列目定員3名)を確保するためです。 トンネルの多い区間ですが、客室からの全面展望を確保するため運転室後ろのカーテンがないのです。 当然映り込みがないようにガラスには特殊な工夫がされています。 「どうだったか?」って、前面展望の素晴らしさもさることながら、運転手の操作に目を奪われ、 「よくぞ鉄ちゃんに生まれけり!」あっという間の鉄旅でした。
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