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_JR北海道 711系900番台昭和43年、小樽−滝川間が北海道内で初の電化線となりますが、その前年に試作されたのが、クモハ711−クハ711 の900番台です。 711系は、下二桁が11ということから近郊形という位置付けで、車体寸法は113系と同じなのですが、 寒冷地ということで両端に出入り口を設けた急行形に近い車体です。 台車にも耐寒耐雪対策ということで空気バネを用い、乗り心地も上々。 一方、低速時の加速は鈍く、むしろ急行用交流電車751系といっても、おかしくない車両でした。 事実、急行「さちかぜ」や「かむい」としても使用され当時の急行用車両と比較しても、 何の遜色もない車両だったといえるでしょう。 登場時は交流電機と同じ「赤2号」の塗色で、重厚なハイテク車両のイメージでした。 外見ばかりではありません。制御方式は抵抗制御ではなく、サイリスタによる連続位相制御。 抵抗の繋ぎ換え時に発生するショックもなくステップレスの新世代の電車に匹敵する乗り心地でした。 抵抗器をぶら下げていない関係上、電気ブレーキはありませんが、 MT54タイプのモーターを150kwに出力をUP。量産車は1M2Tとし製作コストを抑えました。 空転を起こしにくい制御方法ならではのワザです (MT54は113系や485系にも出力120kwで用いられている汎用モーター) 試作車もクハを加え3連で使われます。おかげでクモハは、前面にでることはなくなりました。 試作車は2編成製作されました。とりわけ901は内地の急行電車のような側窓で、 出入り口も大きく最初は確か折戸だったように思います。 902は量産車に近い外見ですが、それでもTcのベンチレーターに違いが見られます。 クハ711−902 クモハ711−902 JR化後のS62年。量産車の一部に、札幌地区のラッシュ時対策として車体中央部に3つめのドアーを新設します。 しかし、構造上の問題で両端のクハ711のみとなり、中間車には取り付けられませんでした。 窓の小さい北海道用車両ですから剛性は高そうなんですが… なお、試作車である900番台にはもちろん取り付けられていません。 晩年は、他の仲間と同様、赤系統の塗色ですが少し明るくなり(赤1号)アイボリーのラインも加えられました。 試作車はH11年に、初期形もH10年からH16年にかけてほとんど姿を消してしまいました。 H17年4月現在、残っているのは18編成。そして現存する後期形のうち9編成×3連が、 H13年からH14年にかけて冷房化されました。 まだSLの煙が、幾筋も立ち上るかつての岩見沢駅を颯爽と通過してゆく急行「さちかぜ」のイメージは、 もはや過去のものですが、まだしばらくはその勇姿をしのぶことができそうです。 クモハ711−901 クハ711−106 |
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