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長野電鉄 2000系 ロマンスカーいわゆる中小のローカル私鉄は、大手といわれる私鉄や国鉄から中古車を導入して走らせることが多く自社でオリジナルの車両を開発して走らせることはあまりありません。 しかし、長野電鉄では自社線の特性、すなわち 長野市を中心とする通勤通学輸送に加えて志賀高原の玄関口湯田中への観光輸送に対応する オリジナルの車両を開発しています。 長野といえば冬季オリンピックが開かれた土地柄です。耐寒耐雪仕様はもちろんのこと、 山ノ内線の急勾配線を走行できるパワーと強力なブレーキも要求されるわけです。 ハンパな電車では務まりません。 2000系は、1957年。観光用の一部座席指定の特急車両としてデビュー。 当時、狭軌用車両としては画期的なWN駆動で、 75Kwモーター「MB3032-A」をMM方式で制御する「ABF-108-15」最先端の3両編成でした。 (なお必要に応じて2〜4に編成替えも可能) そして、ファンデリアに蛍光灯とすっきりした明るい車内は観光客のみならず 沿線利用者にも大好評だったそうです。 1964年までに3連×4本=12両が日車で製造されました。 1989年より冷房化。集約分散式CU-113形を2基搭載し、あわせて新塗装に改められました。 昔日の姿とは印象が異なりますが、 大型の曲面ガラス二枚を用いた流線型のスタイルは、決して古くささを感じさせることはありません。 長電オリジナルといえば、OSカー。昭和42年のOS1 そして昭和55年のOS10。 OS1は、35年以上を経た21世紀の今でさえ、どこに出しても通用する洗練されたスタイルです。 しかし彼らは2000系より一足先に姿を消してしまいました。 そして2000系も廃車対象となり、姿を消しつつあります。 今や、もと営団日比谷線の3500系に変わって、もと東急の8500系が長電のメインとなっていますが、 東急時代とほぼ変わらぬ姿で、「今、自分は田園都市線に乗っているのでは?」と勘違いするほどです。 シルバーで無塗装のステンレス車両は、 長野の街にも山野にも似つかわしくないように思われるのですが、どうでしょう?。 2011年夏、旧塗装に戻された2000系D編成に再会できました。 彼らの姿を見るにつけても、りんごカラーの電車がなくなってゆくという寂しさとともに 地方鉄道発の鉄道文化が過去のものとなり、 その存在価値を失いつつある現実を感じないわけにはゆきませんでした。 思えば大手の私鉄でさえ車両の開発コストを削減するため、 JR東日本のE231をベースにした車両を走らせるという時代なのです。 長野電鉄にオリジナルの新ロマンスカーを望むのは儚い夢なのでしょう。 2005年8月、小田急ロマンスカー「HISE10000系」が4両編成×2に組成され、長野電鉄に導入されました。 そして、2011年2月にはJR東日本253系NEXであった2100系「スノーモンキー」が営業を開始。 定期特急運用から離脱した2000系は、2012年春には完全に姿を消す予定です。 長電の車両がすべてステンレスの通勤車一色にならなかっただけでもよかったと自分を慰めている私です。
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