J鉄局TOP>珍車ギャラリー>北陸鉄道 ED301 電気機関車
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ED301(旧) |
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S29年11月 |
東洋工機 製 |
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長さ(m) |
幅(m) |
高さ(m) |
自重(t) |
11.6 |
2.7 |
3.96 |
30.0 |
制御器 |
モーター(kw) |
ブレーキ |
台車 |
HL-D
電磁空気
単位スィッチ式 |
TDK565A
(74×4)
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AAMC
自動空気
ブレーキ |
TR改 |
ED301(旧) 西金沢駅 1992.12.29 |
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北陸鉄道が発足した後、1954年に東洋工機.電機で製造された箱形電機です。
1952年より、金名線沿線を流れる大日川上流にダムおよび2発電所の建設が進められており、
その資材輸送のため導入されました。
戦後製なのになにやら古くさいのは張り上げ屋根でないという点が大きいと思うのですが、
新製当時はポール集電だったそうですから、その当時の姿は古典機といっても差し支えないスタイルだったと思われます。
いやいや古くさいのはそれだけではありません。台車をご覧ください。なにやら旧型国電風のこの台車。
なんと国鉄が昭和6年に試作した電気式気動車キハニ36450形の台車を使っているのです。
電気式気動車とは、エンジンで発電機を回して電気を起こしその電気でモーターを動かす電車でありますが、
これだけのものを搭載するわけですから重いのです。1両あたり50トンを超える重量なので
2軸の動台車(TR改)に3軸の従台車(TR78)を使用するという、現存していれば超AAAクラスの珍車です。
さて、ごらんの通りED301には2両分(36450,36451)の動台車を使用しているわけですが、
乗り心地を少しでも良くするためにバネの長さを確保したと思われる手の込んだ台車の造りとなっています。
さて、貨物が廃止された後、除雪用として使われたED301ですが、
能美線、金名線と廃止され、僚機のED201で十分間に合うため、滅多に動くことはありませんでした。
遠からず廃車になってしまうのだろうなあ。と思っていたのですが、
なんと平成6年にELとしては珍しいカルダン駆動の新性能電機に生まれ変わっていたのです。
これは平成2年に導入された東急7000形の足回りに用いられた西武701系の台車FS342にMT54×4を取り付けたものです。
もっとも制御装置はHL74、ブレーキもSMEと旧態然としたものですから、7000形の部品確保を兼ねているのかもしれません。
電気機関車自体、乗り心地や軽量化が特に問題となることはなく、ツリカケ駆動が現在も主流なのですが、
このカルダン駆動のFS342といい、かつての台車TR改といい、
乗り心地にこだわった台車がED301に取り付けられる奇縁に、おもわず唸ってしまいました。
2006.4.念願の新 ED301 に出会えました。
台車が良くみえる写真を撮影するため、作業員の方にお願いして撮影させてもらいました
車庫外からでも撮影できるわけですから怪訝な顔をされましたが、
理由を説明してこのカットだけお許しをいただいたわけです。
2010年、ED301は廃車されました。その後、若桜鉄道に譲渡され、同線、隼駅で保存されています。
参考文献;「北陸鉄道ED301の台車について」真鍋裕司氏 鉄道ピクトリアル No461 1986.3
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ED301(新) |
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H6年更新 |
東洋工機 製 |
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長さ(m) |
幅(m) |
高さ(m) |
自重(t) |
11.6 |
2.7 |
3.96 |
30.0 |
制御器 |
モーター(kw) |
ブレーキ |
台車 |
HL-74
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MT54
(120×4)
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SME |
FS-342 |
*鉄道ピクトリアル No701(2001.5)のデータより |
ED301(新) 鶴来 2006.4 |
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