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  上毛電気鉄道 700系 714編成   2010/08/14UP
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上毛電気鉄道 700系 714-724編成 −はしる水族館−

上毛電気鉄道 700系714編成 クハ724-デハ714          大胡駅

上毛電気鉄道 700系 2両編成 編成表
←中央前橋A クハ720-デハ710 @西桐生→

714F  724+714 (元京王 クハ3759-クハ3709)

−鉄道車両写真集−
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 上毛電気鉄道 700系714編成 クハ724-デハ714          大胡駅 

2010年の夏、上毛電気鉄道を訪ねました。

最初に訪ねたのは、1989年8月。
その時は、西武の旧型車が活躍していました。
2回目に訪ねたのは 1992年4月。
その時は東武の旧型車が、そして3回目の 2000年3月には、京王の中古車が…というわけで、
今回は4回目の訪問となるのですが、電車そのものは、前回撮影した、
すなわち1998から2000年にやってきた京王の中古車をいまなお使っています。
新しい電車が入ったわけではありません。

もっとも、彼らも京王時代から通算すると、40年以上経過することになる高齢車輌です。
でも、今のうちに写真を撮っておかないと…
と切迫しているわけでもありません。
実際、そんな感じは全然しません。
なんといっても上毛電気鉄道には、昭和3年製という当線開業時より使われている。
現役の鉄道線電車としては、最古参の凄い電車がいます。
デハ100形101号です。
最初に訪ねたとき、中央前橋の駅にデハ100形が滑り込んでくるのを見て、
その時でさえ、そのクラシックな姿に驚いたほどです。
上毛電気鉄道は、こんな古い車両も大切に使い続ける鉄道会社なのです。

そんなわけで今回も、彼らと再会するのを楽しみにしていたのです。
そして、東急にいた電気機関車が今、上毛電気鉄道にやってきています。
実はこれが最大の狙いでした。

でも…残念。
ターゲットは大胡駅の車庫奥深くにしまいこまれていました。
駅員さんは、
「来週の14日にイベントがあるからおいでなさい」
とあっさり言ってくださいます。
そりゃあ、お金と暇さえあれば毎週でも喜んで訪問しますが、そうも行きません。

でも、気を取り直して、京王からやってきた電車たちにカメラをむけました。
彼らは実は以前と少しばかり変化しているのです。

何が変わったかをお話しする前に、彼らのことをおさらいします。

京王電鉄の3000系は1962年に井の頭線に登場、
1988年製造の第29編成まで26年もの長きに亘って製造されています。
京王の3000系は、ステンプラと呼ばれていました。
その由来はステンレスの車体にFRP(強化プラスチック)製の色とりどりの顔を持っていたことにあります。

上毛電気鉄道に譲渡されたのは、1998年から2000年にかけて
先頭車(3006F〜10Fまで)=クハ車(5×2)10両と
中間車(3006F〜10Fまでとは限りません)=デハ車6両です。
すべて2両編成に改められました。(デハ710形−クハ720形)
前者については3750番台(Tc2)にモーターを取り付けMc化しました。
(711F〜714F、718F:クーラーは分散式)
後者については、新たに運転台を取り付け、内3両はTc化しています。
(715F〜717F:クーラーは集中式)
いずれも3000系としては古いタイプで出力も控えめになっています。
なお入線にあたってはパイオニア台車からTS800系台車に取り替え、
制御器などの走り装置も大きく変更されました。
なお入線時はすべて鮮やかな青緑(フィヨルドグリーン)のマスクで登場しましたが、
2005年以降検査出場した車両はすべて別の色にあらためられました。
京王時代はレインボーカラーと呼ばれ7色あったのですが、
上毛電気鉄道ではそれを上回るカラーバリエーションで
8編成すべてが違う色です。
711F フィヨルドグリーン
712F ロイヤルブルー
713F フェニックスレッド 
714F サンライトイエロー
715F ジュエルピンク
716F パステルブルー
717F ミントグリーン
718F ゴールデンオレンジ
このように今や、色とりどりの顔を持ち
華やかにイメージチェンジしてるのが上毛電気鉄道700系です。

イメージチェンジといえば、そう、電車ばかりではないように思われました。
女性社員の姿がやけに目立つのです。
赤城駅からの電車に飛び乗ったためでしょうか。
「切符はお持ちですか」
とやさしく声をかけてくださった方も女性です。
この方は制服を着ておられましたが、車掌さんではないようです。
そしてこの電車を運転されていたのも若い女性の運転手さんでした。
最後に前橋中央駅での集札業務に従事されていたのも女性です。
電車がこのようにカラフルにお色直ししたのは、
「女性の社員さんたちの意見なのかな…」
と思われました。
そして、その思いを決定的に感じたのが、「走る水族館」号として運転されている714編成です。


車内に入ってびっくり、海の中をイメージされたのでしょうか。
車内の壁は青一色!
窓にはカワイイ魚たちのイラストがラッピングされています。
そしてつり革のところには、
ハワイ名物であるレイのようなものがいくつもぶら下がっています。
ぬいぐるみたちも顔を覗かせていて、もうこれはメルヒェンの世界!
男の発想では、絶対にありえない車内の装飾です。

でも、これを実行に移すには
恥ずかしさ−失礼!−抵抗もあったと思うのです。
それでもこれが実行に移されたのは、
女性の声の強さを以外の何者でもない。と思わざるを得ません。

上州の名物は「かかあ天下にからっ風」。

ひょっとして…
「お客が増えないって、いじいじしてるんじゃないわよ。」
「女性客を惹きつけるっていうんなら、思いっきりカワイイ電車にすればいいじゃない。」
「ここは女にまかせなさい!」
なんて声があがってたりして…。

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参考文献;私鉄車両編成表 83 93 02 05
「京王井の頭線3000系他社譲渡車の現状」
遠藤武氏 鉄道ファン #587 2010.3
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