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  JR東日本 651系1000番台 伊豆クレイル  2016/10/31 UP  
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JR東日本 651系1000番台 IR01編成4連 編成表 国府津車両センターー
←小田原C             伊豆急下田@→
クロ651_1101-モロ651_1007-モロ650_1007-クロ650_1007
*イベント列車「伊豆クレイル」用 2016.7.16〜運行開始
もと大宮総合車セOM301(4連)編成:「スワローあかぎ」「草津」「あかぎ」用
なお1000番台は2013.11〜直流専用化改造(もと106-12-12-12) 
参考:JR電車編成表2016年冬版      撮影2016.08
−鉄道車両写真集−
JR東日本 651系1000番台 651系1000番台 伊豆クレイル   
651系  スーパーひたち
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1・3号車は旅行商品として提供されますが、
4号車は一般客も乗車券・グリーン券で乗車できます
JR東日本 651系1000番台 IR01編成 伊豆クレイル   撮影 2016/8  小田原駅 

 1形式、1両のみなのに -1007号機−JR東日本 651系1000番台「伊豆クレイル」−

651系は常磐線の特急「ひたち」で使われていた485系電車の置き換え用として、1989年3月デビューした交直流特急用電車です。
1988〜90年に88両、1992年に11両がいずれも川崎重工業で製造され
基本7連(4M3T)×9と付属4連(2M2T)×9の計99両が、勝田区に配置されました。

上野 - 日立間で在来線初の130km/h運転をすることになった実績も実力もある特急電車ですが、
制御方式は211系や205系と同じ界磁添加励磁制御、主電動機もMT61(120kw)で、これらは国鉄時代に採用されたものです。
(もっとも台車はDT56/TR241にチューンナップされていますし、ギア比も3.95(205系は6.07)となっています。)
交流区間でも電力回生ブレーキを可能となる界磁添加励磁制御車両として唯一の系列であることが注目されますが、
以後登場する系列がおしなべてVVVFインバータ制御となり、その高性能がかすんでしまったきらいがあります。

2011年3月11日の東日本大震災が発生するまでは、いわき駅 - 原ノ町駅・仙台駅間では4両編成(K200番台編成)も運行されていました。
しかし、原発事故の影響で「ひたち」が仙台にまでたどり着けなくなったことは、ご承知のことと思います。
2012年3月のダイヤ改正からは定期列車はすべて11両編成(K100番台編成=7両+K200番台編成=4両)の運転となっています。
そして2013年9月、K203編成が、2015年12月にはK204編成が、そして2016年3月にはK202編成が廃車されてしまいました。
働き場所を追われた彼らもまた震災の被害者というべきなのかもしれません。

そして2013年3月、651系はE657系に置き換えられ、常磐線での定期運用を終了することになるのです。

651系のみならず,1997年製の新型653系まで常磐線から姿を消すことになったことは不思議に感じられたワケですが、
もともと653系はグリーン車のないモノクラス編成で「フレッシュひたち」に使用されていたものです。
常磐線の主役には役不足だったということです。
485系で運行されていた「いなほ」用とすべく新潟へ転じて行きました。
加えて「しらゆき」用に付属編成を有効利用できるということが大きかったのではないでしょうか。

さて651系に話を戻します。
勝田区に配属されていた651系の一部は、大宮総合車両センターと郡山総合車両センターにおいて改造され、
新たに651系1000番台として再デビューを果たすことになりました。
国鉄形特急の生き残りである185系を置き換えるため、
2014年3月15日のダイヤ改正から新たに高崎線系統の特急(「スワローあかぎ」・「あかぎ」・「草津」)に投入することになったのです。

もともと651系は常磐線での使用に合わせた車両で耐寒構造となっています。
耐雪構造ではありませんが、高崎線系統で使用するには問題ありません。
ですから改造の内容は、直流区間のみでの走行となるため電動車の直流化がおもなものです。
パンタグラフをPS26形からシングルアームのPS33D形に交換、交流避雷器などの屋根上の交流機器の一部を撤去しました。
しかし、交流機器は回路の分離がなされたのみで残存されています。

基本7両編成(4M3T)6本と付属4両編成(2M2T)3本の計54両が、
大宮総合車両センターに配置されました。

しかし取り替え対象となる185系(新前橋区 63両)はすべて7両編成で付属編成はありません。
2015年3月改正までは、「あかぎ」「スワローあかぎ」の一部に11両編成の列車を登場させましたが、
1年で付属編成は定期運用から外れ、現在、全列車が7両編成での運転となっています。

結局、高崎線特急でもあぶれてしまった4両編成は、イベント列車としてその活躍の場を求めてゆくことになります。
付属編成であったOM301編成(←K206編成)に白羽の矢が当たりました。
大宮総合車両センターで改造を施し、IR01編成と改められ、
国府津車両センターに転属した651系1000番台は2016年7月より小田原 - 伊豆急下田間で運行を行うことになりました。
観光列車「伊豆クレイル」です。

全車グリーン車(指定席)で定員98名。そのラインナップをご覧ください。
1号車(クロ650-1007←クハ650-1007←クハ650-12)
- 海側は窓側に向いたカウンター席、山側は1人掛けボックスシート(24席)
2号車(モハ650-1007←モハ650-1007←モハ650-12)
-バーカウンター・ラウンジを備えたパブリックスペース(座席なし)
3号車(モロ651-1007←モハ651-1007←モハ651-12)
- 4人用コンパートメント5区画、および車いす対応の2人用コンパートメント(22席)
4号車(クロ651-1101←クハ651-1101←クハ651-106)」
- 回転式リクライニングシート(40席)、および固定式ボックスシート(12席)。

お気づきでしょうか?2号車を除いて、すべて新形式。それもすべて1両のみという珍車揃いです。
加えていずれも−1、すなわちトップナンバーではないのです。

種車のナンバーを引き継いだからですが、
651系付属編成は、その多くの仲間たちが廃止の憂き目に遭い、生き延びてはいてもその身をもてあます運命にあります。
唯一、華麗なる変身を果たした「伊豆クレイル」編成。
私には、そのナンバーに、そんな仲間たちの思いを宿しているように感じられるのです。

参考文献:JR電車編成表 2015夏 ほか 
       2014年10月号 「鉄道車両年鑑2014年版」
       「伊豆クレイル」に関するJR東日本のパンフレットおよびHP
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