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  JR東日本 E001形「TRAIN SUITE 四季島」  2018/04/03 UP
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JR東日本 E001形「TRAIN SUITE 四季島」10両編成 尾久総合車両センター 
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参考:JR電車編成表2016年冬版  

-鉄道車両写真集-
JR東日本 E001系 「TRAIN SUITE 四季島」
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  JR東日本 E001形 「TRAIN SUITE 四季島」  撮影2018、12  王子 

「唯一無二」の存在-JR東日本 E001形 「TRAIN SUITE 四季島(トランスイート しきしま)」

JR東日本の豪華列車(クルーズトレイン)
「TRAIN SUITE 四季島(トランスイート しきしま)」は
 2016年に川崎重工業で1~4、8~10号車、
 2017年に総合車両製作所横浜事業所で5~7号車が製造されました。

いわゆるクルーズトレインはJR九州の「ななつ星」が最初(2013年)ですが、
これは従来の客車列車であり機関車が牽引するものです。
JR西日本の「瑞風」ではディーゼル発電機から供給される自前の電力によってモーター走行するものとなりました。
(動力源を常時ディーゼルエンジンに依存することから気動車に分類されます。)
対して、E001系ではEDC方式という新方式を採用しました。
これは、非電化区間において、ディーゼル発電機から供給される自前の電力によって自力で走行するという点は「瑞風」とおなじですが、
電化区間では普通の電車同様、架線から供給される電力によって走行する点が違います。
「瑞風」同様、いずれの区間においても同じ電動機を駆動させて走行するのですが、
E001形は電車であり、一部ディーゼル発電機を併用するというスタンスです。

メカ的には
1・2・3号車および8・9・10号車が各々3両ユニットとなる電動車でT車2両を挟み込む動力分散方式(MT比6M4T)の10両編成となります。
そう、基本は電車と考えてください。
JRの在来線電化区間であれば、どこの電源でも対応できます。
従来の交直流電車は、直流1,500V、交流20kV 50/60Hz、の3電源がメインでした。
しかし、E501系では北海道新幹線を経由してJR北海道への直通運転にも対応するため、
交流25kV 50Hzを加え、4電源方式に対応している点が凄いところです。

直流電化区間においては2・3・8・9号車の
交流電化区間では2・9号車に装備されたPS37C形パンタグラフ(シングルアーム)により集電し、
各電動車に搭載されたCI25形主変換装置に電力を供給します。
(IGBT素子による3レベルPWMコンバータ1群+2レベルVVVFインバータ、1C4M方式)
(交流区間では主変圧器によりあらかじめ降圧された後に主変換装置に供給)
主電動機はMT75B形誘導電動機。

非電化区間で実力を発揮するのは、MTU製直噴式V形12気筒ディーゼルエンジンDML57Z-G形。
(総排気量57200cc、連続定格出力1800kW)
先頭車である1・10号車の車体中央部にある機関室の床上に搭載されています。
発電機はDM114形、完全ブラシレス構造の回転界磁形です。
当然、補助電源にも使用されます。
これらを機械室に搭載し、屋根上にはラジエーターファンやグリルが装備されました。
結果、1号車は64.1t、10号車は63.9tという異例の重さになっています。
ちなみにDE10型ディーゼル機関車の重さは約70tです。
なお最高運転速度は110km/h、起動加速度は1.5km/h/s、減速度は3.6km/h/s。
スパルタンな走行性能をめざしたものではありません。

対してブレーキには十分な配慮が見られます。
ブレーキ用抵抗器とその冷却用送風機・ブレーキチョッパ装置を装備しました。
これは列車本数が少ない区間で回生ブレーキが失効しても、
安定した電気ブレーキ力を得られるようにするためのものです。
なお非電化区間においては発電ブレーキとして動作します。
その他、抑速ブレーキ・耐雪ブレーキ・直通予備ブレーキも備えています。

台車(先頭車:DT83、中間車:DT84とTR266、TR267)は、
左右の車体の揺れを抑えるフルアクティブサスペンションに加え、
上下の車体の振動を緩和させる可変減衰上下動セミアクティブダンパを装備します。
(ヨーダンパは、中間車のみ装備。)

空調装置にも抜かりはありません。
客室となる2-4・7-9号車には分散型のAU739形を4台、屋根上に搭載します。
その内の3台は各個室専用で、残りの1台が通路などの共用部用となっています。
なお個室用の空調装置が故障した場合、共用部用の空調装置がこれを補います。
DXスイートである7号車には車体両端部に2台設置。
5・6号車はE233系の二階建てグリーン車と同様のAU729-G2形を車体両端部に搭載、
先頭車の1・10号車には、セパレート形のAU221形を床上に2台搭載しています。

車体は北海道などの寒冷地を走行するため、耐寒耐雪仕様であるのはもちろんのこと、
車内の静寂性を保つため、床は防音床構造となっています。
1 - 4・8 - 10号車(川崎重工製)がダブルスキン構造のアルミ合金製であるのに対して、
5 - 7号車(総合車両製作所横浜事業所製)がステンレス鋼となっているのは、 
ラウンジカー(5号車)やダイニングカー(6号車)、そしてDXスイート(7号車)
において高天井の大きな空間を実現するためです。
台車間を低床としたバスタブ構造をもつE233系などの二階建てグリーン車と同様のステンレス車がベースとなっています。

1号車からE001-1(展望車)
  +E001-2(スイート車)+E001-3(スイート車)+E001-4(スイート車)
  +E001-5(ラウンジ車)+E001-6(ダイニング車)
  +E001-7(DXスイート車)+E001-8(スイート車)+E001-9(スイート車)
                    +E001-10(展望車)の10両編成となります。

編成表を見ると、E001形は、ラウンジ車⑤+ダイニング車⑥を中心に、
寝台車×6両(②~④/⑦~⑨)がこれを挟み込むように連結され、
双方向の先頭に展望車×2(①⑩)を配置した均整のとれたレイアウト。

なにがユニークかといってこの車両群がおもしろいのは、どの車両も極めつけの個性派であるのにもかかわらず、
すべて「E001-」となっているところです。
E001系ではないのです。E001形としてリリースされています。
これは、この10両編成が「不可分」のかつ「唯一無二」のユニットである。
ということをこの名で表しているのです。

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