オリエントエクスプレス JR東日本 オニ23 1
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*和製オリエントエクスプレス オニ23 1

 昭和63年10月24日から12月25日にかけて、あのヨーロッパの豪華特急「オリエントエクスプレス
(以下、OEと表記)」
が日本全国を走ったのを覚えておられるでしょうか。
TV局の開局30周年記念事業として行われたものですが、
狭軌鉄道である日本に台車の交換のみでOEが走行できたこと自体、
今でも信じられない気がします。
とはいえ、暫定的ではあってもJR東日本の形式をもつOEが存在したのです。

オリエントエクスプレス JR東日本 オニ23 1 オリエントエクスプレス JR東日本 マニ50_2236
   ハイビジョンシアターカー      オニ23 1 マニ50 2236        
写真はすべて大阪駅 1988.11.6

 さて先ほど台車の交換のみでと記しましたが、OEを牽引したのは日本の機関車です。
自動連結器をもつ機関車とバッファーリンク式連結器をもつOEを直接つなぐことはできません。
双方の連結器を持ち、仲介役となったのが、今回ご紹介する「オニ23 1」と「マニ50 2236」なのです。
もともとマニ50を両端につなぐつもりだったらしいのですが、日本全国の主要駅で展示する際に、
OEの走行シーンetcを上映しようとスポンサーである日立の意向で、
ハイビジョンシアターカーを登場させることになったのです。
わずか2ヶ月のためですが新形式のオニ23が登場しました。
種車はナハネフ23 8。日立製作所笠戸工場で改造されました。

種車である20系は、日本の寝台列車の白眉とも言うべきブルートレインの草分けとして、
居住性はさておき、デザインは最も洗練されているのではないか。
と私は、今なお思うのですが、
OEのプルマンカーのデザインを模したその姿は、本物にはさすがに位負けしていました。
(もともとデザインコンセプトが違うのだから当然といえば当然ですが…)

オリエントエクスプレス プルマンカー 4158 WSP
プルマンカー No`4158 形式WSP


昭和63年といえば、その年に登場した「北斗星」や
翌年に登場した「トワイライトエクスプレス」など、
豪華な食堂車やサロンカーを連結し、
今までとは違う寝台列車の方向性が打ち出された頃ではないか
と思うのですが、よりエレガントで上質な鉄道の旅への憧れを
OEは、我々に与えてくれたのではないでしょうか。






オリエントエクスプレス寝台車 3537 WLA LX16オリエントエクスプレス寝台車 3551 WLA LX20
寝台車 No`3551 形式WLA LX20
  寝台車 No`3537A 形式WLA LX16

オリエントエクスプレス バーラウンジカー 4146 ARPオリエントエクスプレス乗務員控車 3909 WLA
 
    バーラウンジカー No`4146 形式ARP        乗務員控車 No`3909A 形式WLA

OEが帰国した後、JR東日本では、OEの影響を強く感じさせる「夢空間」をデビューさせます。
しかし試作的要素が強くこの手の超豪華列車は、その後長い間、本格的に運用されることはありませんでした。
バブルの崩壊に伴う長い不況がその背景にあると思われるのですが、
その長いトンネルの果て、1999年に登場したのは
JR東日本のE26系「カシオペア」です。
しかし2階建てを基本とした21世紀の超豪華列車に対し、
「すごいなあ。」と思いこそすれ、「乗ってみたいなあ。」という憧れを
それほど強く感じないのはなぜでしょう。

E26系のエクステリアのコンセプトは、「スペース&フューチャー」。
車窓に映る景色を眺め、お酒のグラスを傾けながら、ゆったりと大人の時間を愉しむ…。
そんなスローで贅沢な旅のイメージとはやはり違うような気がします。

オリエントエクスプレス荷物車 1286 M
荷物車 No`1286 形式M 


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