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2006.4.1UP |
J鉄局TOP>珍車ギャラリー>JR東日本 クハ415-1901 2階建て電車 常磐線というのは東海道線にひけをとらないくらい強力な輸送力を持つ路線で、 8両編成でも「長い」と思っている関西人にとって、ひっきりなしにやってくる 15両編成の列車にすし詰めの乗客が乗っておられるのを見ると、 「さすが首都圏、ただものではないなあ。」と思わざるを得ないものがあります。 それだけではありません。乗客の多くが、かなりの遠距離から ずーっと立ちっぱなしの難行苦行に耐えておられるのです。 それも1時間以上と聞くと人ごとながら、同情を禁じ得ないものがあります。 さてJRでは、混雑緩和のために、415系をロングシート化する一方で 長距離通勤者の切実な願いを叶えるべく座席数を大幅にアップした2階建て車両を試作しました。クハ415-1901です。 415系といえば、S46年からH2年まで、20年の長きにわたって製造された近郊形電車で、 MT54系モーターを搭載した113系の交直流版と言いきってしまいたい車両なんですが、 S60に登場した1500番台ではステンレス車体となり、211系の交直流版として、 新しく形式を起こしても、見た目おかしくない車両も含まれています。 113系改造の800番台も含めて、実にバラエティに富んだ系列といえるでしょう。 そんな415系の一員である、クハ415-1901は、415系、いやすべての交直流電車の中にあって、唯一の2階建て車両です。 2階建て車両自体は、東海道線でグリーン車としてサロ213が、すでに導入されていたわけですが、 さて、このサロ213に900番台がないのに、 なぜ1900番台という試作車の番号が、このクハ415-1901に付与されたのでしょう。 それは着席が原則のグリーン車で、一定の需要がすでにある東海道線と違って、 グリーン車の設定のない常磐線で、普通車を2階建て車両としたことにあるとおもわれます。 なにせ超混雑路線の常磐線のこと、予想外のことがあれば大混乱を招く可能性があると判断したのでしょう。 比較的乗客の少ない下りの先頭車に配置し、ピーク時を少し外して上野に到着するスジに投入されました。 2−3の5列シートに、満席表示システム。そしてパワーアップされた空調設備など。 どれほどのデータが得られたのかわかりませんが、 これらのノウハウは、E1系MAXや、215系オールダブルデッカー車へ引き継がれてゆきます。 しかし、実際乗車してみると、MAXでさえ、3列シートの真ん中は、本当に窮屈です。 215系も、オールダブルデッカーということで2階席の眺めはいいのですが、4編成しか量産されず、 また現在、運用も限定されていて、必ずしも大成功というわけにはいかなかったようです。 バリアフリーという流れからすれば、段差の多いこれらの車両は、 今どきのニーズには合わないといえるかもしれません。 クハ415-1901は、300両を超える勝田区の415系にあって、たった1両しかいない珍車ですが、 運用される列車が、時刻表にも明記してあったので撮影はラクでした。 でも撮影してしまうと安心してしまって、その後ずーっと忘れてしまっていました。 先日、引退したという話を聞き、こりゃご紹介しなければと思い立った次第です。 ![]() ステンレス車体のサハ。 他の編成に組み込まれた 1700番台がセミロングシートなのに、 これだけはロングシート。 つじつまを合わせるために作られたのでしょうか。 サハ411-1601 上野駅 |
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