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J鉄局TOP>珍車ギャラリー>JR北海道 DBR600形
−保線作業用機械ではありません、れっきとした機関車です−冬の北海道といえば、やはり雪です。除雪にはDE15形などで運行される除雪列車の出番となります。 しかし近年では降雪量の減少や除雪用モーターカーの高性能化などにより、 DE15形などを使った除雪列車の出番は減少傾向にあります。 事実、国鉄時代に作られた彼らの後継車両は登場していませんし、 予定もないようです。 JR北海道に限らず、JR各社においても、 積雪量がさほど多くない場合や駅構内の除雪時には 保守機械であるモーターカーが使われているのが実態です。 また老朽化したDE15形ディーゼル機関車を置き換えるために、 除雪用モーターカーを2両連結した「ラッセルモーターカー」で対応する場合もあるようです。 JR北海道では、除雪用モーターカーHTR-600形、400形を複数投入しています。 DBR600形はJR北海道が投入した除雪用機関車です。 機関車といっても、ご覧の通りのモーターカースタイルで、 JR北海道が複数保有する機械扱いのモーターカー、HTR-600形とそっくり、いやそのものと言っていいくらいです。 彼らは同じようにロータリー式、あるいはラッセル式の除雪装置を取り付けることができ、 冬季以外はこれまた同じように除雪装置を外して入換や工事に使用できるのです。 DBR600形もHTR-600形も、同じ札幌市手稲区に本社を置く日本除雪機製作所製の除雪用車両です。 見た目も、その仕事も変わりはしません。 ただ、DBR600形は鉄道車両ですが、HTR-600形は機械扱いなのです。 この違いは何だというのでしょう。 保線や除雪などで使用するモーターカーは、 機械扱いであるために最高速度は45km/hに制限されています。 またATSなどの保安装置を備えていないため、運転時「列車扱い」にはできないのです。 ですから、彼らが本線に入線する際には「線路閉鎖」を行う必要があります。 「線路閉鎖」とは、道路でいうところの「工事作業などによる通行止め」と同じです。 一般の列車運行を強制的に制限し、保守や工事に専念させます。 鉄道の場合は通常、昼間には実施されず、夜間(深夜)に終列車(終電)の運転が終わってから、 早朝の初列車(初電)の運転開始までの間に実施されることが多いですね。 「線路閉鎖」は当該区間で列車の運行ができなくなるため、 作業上の安全を確保するには好都合ですが、 雪は深夜にばかり降るというものではありません。 ローカル線なら、列車の来ない時間を見計らって「線路封鎖」できますが、 札幌近郊など、列車本数が多い区間で昼間「線路封鎖」をしようものなら大混乱です。 できれば列車を止めずに除雪作業を行いたい。 そんな、要望に応え「列車」としての運行を可能にしたのが、DBR600形なのです。 モーターカーであるHTR-600形に対し普通鉄道構造規則に適合するよう各種の構造変更を施しました。 さらにATS、EB、TE、列車無線および防護無線などを装備して、車両としての確認申請を行い めでたく、内燃機関車(内燃排雪動車)として認可を受けたのがDBR600形です。 ディーゼル機関車とはいえ、重機のメカである油圧モーターで駆動する 本線用車両はJRではDBR600形だけです。 そこそこの降雪量がありながら、高頻度の列車を運行する札幌地区をかかえる JR北海道ならではの珍車といえるでしょう。 参考文献 鉄道ピクトリアル No708 新車年鑑 2001年版 |
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