J鉄局TOP>珍車ギャラリー>JR九州 オハ24-301 レガートシート
オハ24_301 |
(サロ481_52改) |
1990年2月 |
鹿児島工場改造 |
|
長さ(m) |
幅(m) |
高さ(m) |
自重(t) |
20.500 |
2.949 |
3.919 |
31.9 |
ブレーキ |
定員(座席) |
冷房機 |
台車() |
CL |
31(31) |
AU13E |
TR-69E |
*サロ481_52はS47製
*シートピッチは1160mm
*ロビー室(回転いす*5)、電話室付き
オハ24_301 京都駅
特急「なは」用レガートシート車(JR九州所属)
九州方面行きのブルートレインの凋落ぶりには目を見張るものがあります。
「さくら」、「みずほ」、「あさかぜ」は廃止され、 「富士・はやぶさ」は併結運転となりました。
これら東京発のブルートレインに続いて、2005年10月のダイヤ改正では、
関西発の「彗星」が廃止され、「あかつき」と「なは」も京都-鳥栖間で併結運転することになりました。
14系と24系が併結運転することになったわけですが、バラエティに富んだブルートレインが一度にみられるようになった
というよりは、もはや寄せ集めの感を否めません。
私が学生の頃は、高嶺の花であるのにもかかわらずブルートレインの切符は入手することすら難しかったのです。
なぜここまで乗客が離れていったのでしょう。
まずは飛行機です。地方空港が整備拡充され、路線も便数も増えて便利になりました。
九州の各空港までせいぜい1時間のフライトで目的地近くまでたどり着けるようになりました。
飛行機嫌いの友人_N川氏もビジネスでは飛行機を利用するといいます。
そして自他共に認める鉄道ファンの私も、九州へ行くときはフェリーを利用することが多くなりました。
なんといっても安いのです。2等寝台をおごっても、ブルートレインの半額以下です。
あるいは高速バスを利用することも多くなりました。大阪-博多で1万円。鹿児島でさえ1万2千円です。
かつては2×2で足もとも窮屈なバス旅でしたが、いまは3列シートにグリーン車よりもハイグレードなリクライニングシート。
高級感もあり、かなりくつろげます。十分寝られます。
一方、JRの寝台列車はというと、窮屈な3段ハネを2段化したり、コンパートメント化するなどグレードアップを図ってきました。
しかしコストパフォーマンスの点では、まだまだで乗客減に歯止めをかけられないでいました。
そんな中で高速バスのアメニティを取り込んだ3列シートの座席車が90年3月のダイヤ改正で登場することになるのです。
それがレガートシート車です。”Legato”というのは「つながれた」という意味のイタリア語が語源で、
音楽用語としては「なめらかに」という意味をも持ちます。なかなかいいネーミングですね。
「あかつき」には、JR西日本がオハ14を改造してオハ14_301〜を3両用意しました。
「なは」には、JR九州が481系電車であったサロ481を改造してオハ24_301〜をこれまた3両用意しました。
電車改造の客車という点でも特異な存在です。(先例はスシ24_501)
さて、05年10月のダイヤ改正で「なは」「あかつき」が併結運転することになったということは前述しましたが、
レガートシート車については「あかつき」用のオハ14_300が存続し、「なは」用のオハ24_300は廃止されることになりました。
種車は同時期のS47製ですから、古い方をつぶしたわけではありません。
単純に「あかつき」のほうが利用者が多かったからかもしれませんが、
見比べてみると違いは歴然としています。
派手な塗装に加えて、最後尾(下り時)に連結される「あかつき」用レガートシート車は結構インパクトがあります。
そしてこの貫通路をふさいだ最端部には、女性専用の化粧室に更衣室まで備えつけられているのです。
男性である私はもちろんそこに足を踏み入れたことはありませんが、
女性専用シートとあわせて結構女性の支持を得られたのではないでしょうか。
対して「なは」用レガートシート車も3列シートの座席車でグレード感もひけをとらないのですが、
編成の中程に位置し、一般客にとっては見た目も変わらずインパクトに乏しいのです。
でも私なら、あえて「なは」のレガートシート車を選びます。なんといっても、もとグリーン車です。
シートピッチは、ゆったりとしていて「あかつき」より、なお6cmのゆとりがあります。
そして窓もシートごとに配置されているのです。
夜が明けて「今、どのあたりを走っているのだろう?」と外の景色を眺めるとき私は何ともいえぬ幸福感を感じるのですが、
気兼ねなくカーテンを引くことが出来るのは、とてもありがたいことなのです。
もはやグリーン車ではないのに、グリーン車以上の快適さを、そして
日本一のゆとりを提供してくれたのが、このオハ24_301「なは」用レガートシート車だったのです。
特急「あかつき」用レガートシート車(JR西日本所属)
オハ14_301 |
(オハ14_9改) |
1990年2月 |
鷹取工場改造 |
|
長さ(m) |
幅(m) |
高さ(m) |
自重(t) |
21.300 |
2.900 |
4.062 |
31.0 |
ブレーキ |
定員(座席) |
冷房機 |
台車() |
CL |
31(31) |
AU13A |
TR-217C |
*オハ14_9はS47製
*シートピッチは1100mm
*ロビー室(ソファー6人分)、女性専用化粧室、更衣室付き
*11席は女性専用席
オハ14_301 京都駅
しかし、考えてみるとレガートシート車の座席が31席しかないということは、
オハネ14の寝台数48 の3分の2にも満たないということになります。
レガートシート車は特別な料金を取りませんから、収益性は高くありません。
これで採算がとれるなら寝台車だって寝台料金を取らないくらいのサービスは出来るのではないでしょうか。
通年とはいいません。期間限定とか、早割とか航空会社がやっているようなことをやって
既存の機材をより有効に活用することを考えてもいいような気がします。
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