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JR九州 783系 Cm35編成 クロハ782-407  肥前山口 2011.8.21 JR九州 783系 Cm35編成 4両編成 みどり用
←博多、佐世保⑭             ⑪早岐→
クモハ783_15-モハ 783_115-サハ783_7- クロハ782_407
*クロハ782_407は、クロハ783_7(展望型)7を2006年貫通型に改造したもの
-鉄道車両写真集-
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JR九州 783系 Cm35編成 クロハ782-407  有田 2011.8.21 撮影

リベロというべき編成-JR九州 Cm30番台編成-

JR九州 783系ハイパーサルーン(1988年~91年製)

JR化後、グループ初の新系列特急電車が783系です。
1988年.3月の改正時、特急「有明」として、デビューしました。
制御装置はサイリスタ連続位相制御で、
交流回生ブレーキが可能です。
台車は、通勤電車である205系電車で採用されている
空気ばね式軽量ボルスタレス台車DT50形(TR235形)タイプですが、
ヨーダンパを追加するなど
乗り心地向上に向け変更を加えたDT50Q形(TR235Q形)を採用しました。

ステンレス車体ですが前頭部はスチール製です。
前面展望を楽しめる大きな窓をもつ精悍なスタイルは、
国鉄時代の特急車両とは一線を画する
まさに新世代の特急を感じさせるものでした。

電動車は、1両単位で動作可能な1M方式を採用しています。
これもまた短編成で使用されることを前提にした設定です。

JR九州では、国鉄から485系を承継しましたが、その多くが改造車です。
これらの多くは、
かつては幹線で長大編成を組んでいた485系が、
その末期、
活躍場所を拡大するために短編成化した際に登場したものです。
JR九州で783系をプロデュースしたお方はただ者ではないですね。
485系のあゆみを783系の設計段階から意識しておられたということになります


1次車として7連2本、3連5本が南福岡電車区に配属されました。
翌年には「かもめ」用の9連も用意されています。

デビュー当時の編成 「有明」用(3連C10-C14)本ミフ
←熊本、水前寺
①クロハ782-②モハ783_100-③クモハ783

93年当時の4両編成 「ハイパー有明」用(C10,12,14,16)本ミフ
←熊本、水前寺
①クロハ782-②サハ783-③モハ783_100-④クモハ783

93年当時の編成 「ハイパーかもめ」用(7連C5,8)本ミフ
←長崎
①クロ782-②モハ783-③サハ783_200-④モハ783-⑤サハ783_100-⑥モハ783_100-⑦クモハ783

のち、「かもめ」「にちりん」にも充当され、第1次リニューアル改造前の時点では、
「つばめ」用7連×5本、「かもめ」用9両連×3本、
「有明」・「にちりん」用に4連×7本の計90両が勢揃いしました。

1994年~96年 783系 第1次リニューアル改造

787系「つばめ」の導入により、783系については組成変更が行われ、
かもめ用6両×8本、有明用5両×7本、波動用中間車7両の陣容になりました。
併せて塗装が、銀色ベースに赤・青・緑・黒のブロックパターンを組み込んだものに変更されました。
ドーンデザインの個性が強く反映されています。

今回のリニューアルに際しては、登場してまだ4年というのに、783系は組成変更が行われ、新形式が発生しました。
短編成化に伴うグリーン車定員の見直しに伴い、クロ782形の半室を普通室化したクロハ782形500番台(T'hsc5)です。
(旧番号:クロ782-1 - 8→クロハ782-501 - 508(原番号+500))
これは1992年から787系「つばめ」の導入により、短編成化がすすめられた783系の、グリーン車定員の削減に伴う改造車です。
さて783系は、扉を車体中央部に設けたかつてない車体を持つ異色の特急車でもあります。
奇をてらったわけではありません。実は今回のように短編成で使用されることを前提に、
あらかじめ、グリーン車、指定席車などを半室単位で構成できるようにしていたわけです。



今回は、クロ782形の後部にあたる半室を普通室化しました。
写真を見ていただければおわかりいただけると思いますが、後部にあたる半室は窓が小さいのです。
ここに普通室を持ってくるのは予定通りのことだったのです。
結果、クロ782形は廃形式となりました。

2000年 783系 第2次リニューアル改造車

885系「白いかもめ」が投入されたことにより、783系は、またも短編成化され「みどり」+「ハウステンボス」用へと転用されます。
485系で運行されていたものを取り替えたわけですが、旧塗装のままではたらい回しされている印象を待たれかねません。
塗装も専用色になりました。

今回の組成変更で不足する先頭車は、中間車(サハ)の改造でまかなわれました。
というわけで、今回のリニューアルでも、新形式が発生しました。
「みどり」用(CM11- 15編成)の先頭改造車:クロハ782形100番台 (T'hsc1)
(旧番号:サハ783-101 - 104、110→クロハ782-101 - 104、110 )
「ハウステンボス」用(CM21- 25編成)の先頭改造車:クハ783形100番台 (Tc1)です 。
(旧番号:サハ783-105 - 109→クハ783-105 - 109 )
この際、「みどり」「ハウステンボス」両編成間を行き来できるように貫通化改造も行われました。

私はこの改造には異議を唱えていました。
なぜ早岐寄りのサハをクロハにするのか?
何が何でも下り向きの①号車にグリーン車を配置する必要が果たしてあるのか。
上り向きにグリーン車があってもいいではないか。
なんといっても783系は先頭車がウリの展望形なのです。
先頭よりの半室は側窓も大きく普通室とは差別化を図ることができます。
博多寄りのクモハは当然これをクモロハにするべきではないのか。
と思ったのです。

なお。今回の改造では「ハウステンボス」用(CM21 - 25編成)に2両の中間電動車が組み込まれることになりました。
これらについては、パンタグラフを兼用することにし、
モハ783形200番台 (M2 パンタグラフあり、引通し線を新設(旧番号:モハ783-1 - 3、9、11→モハ783-201 - 203、209、211(原番号+200))と
モハ783形300番台 (M3パンタグラフ撤去、引通し線を新設 (旧番号:モハ783-4 - 7、16→モハ783-304 - 307、316(原番号+300))
を登場させるなど芸の細かいところを見せています。

2006年3月。クロハ782-407登場

JR九州の編成記号には特色があります。
特急系列にはアルファベット2文字+数字という編成記号が割り当てられているのです。

最初の文字は系列を表しています。
A編成は883系、B編成は787系という具合です。そして783系にはCが割り当てられています。

二文字目は配属区所を表します。
大分区なら0、南福岡区ならmという具合です。

よってCm編成は南福岡区所属の783系ということになります。

ところが例外もあります。Cm30番台編成(5連)です。
これらの編成は、もともと南福岡区所属でしたが、大分に転出していた時期があるのです。
南福岡区に戻ってからも5連のまま「にちりん」「にちりんシーガイア」「ドリームにちりん」に使用されていましたから、
これは一時的なものだったのでしょう。

これらCm30番台編成は、のちに2号車を減車し4連となり、
主に4連で「かもめ」「有明」「きらめき」および「かいおう」に充当されることになりました。
もともと「かもめ」「有明」などは長い編成で運行されることが多かったのですが、
佐賀どまりの「かもめ」など短くても済む場合もあり、その際は重宝な短い編成です。

加えて4連となれば、Cm30番台は「ハウステンボス」編成と併結する「みどり」編成にも使用できます。
編成を構成する車種も同じなのですから、まさにおあつらえ向きです。

こうなると、やはり必要になってくるのは、貫通構造です。
展望形の先頭車であるクロハ782-7を貫通型に改造したクロハ782-407を含むCm35編成が登場します。
予備編成のなかった「みどり」編成の増強という位置付けになるので、
クロハ782-407の先頭部は「みどり」編成と同タイプの運転台ユニットを取り付けました。

しかし、それ以外はリニューアル色のままで異色の存在です。

なぜでしょう。それは
前述したように「かもめ」「有明」「きらめき」および「かいおう」に充当されることがあるからです。
「みどり」専用とはならないところがミソです。

「みどり」の783系化にあたって、なぜ早岐寄りのサハをクロハにしたのか?

上り向きのクモハをクモロハにしてもいいではないか。

と前述しましたが、そうしていれば、Cm35編成も「みどり」仕様に合わさなければなりません。
そうすれば、Cm30番台編成として、共通で使用することはできないでしょう。

CM35編成の先頭改造車:クロハ782-407 がCm30番台編成でいられるのは、
クロハ782-7がクロハ782-407になったところで、車種構成が他と一緒だからです。

クロハ782-407が登場したおかげで、ひとつ謎が解けたような気がしました。

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