鉄道写真管理局 珍車ギャラリー JR九州 キハ183 1000番台 2006.4.30UP
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JR九州 キハ183 1000番台 オランダ村特急 キハ183 1001 (普通鋼製) S63年 月 富士重工 製
長さ(m) 幅(m) 高さ(m) 自重(t)
21.570 2.928 4.090 45.9
駆動エンジン 出力(rpm) ブレーキ 台車(製造)
DML30HSJ 550HP
(    )
CLE DT54-Q
(TR239-Q)
電源エンジン クーラー 定員 最高速度
DMF13HS-G AU79 53 120km/h
キハ180 1001  佐世保駅? *運転台は半室運転台
 

世界初、電車との協調運転−−JR九州 キハ183 1000番台−−

 この車両は昭和58年にオープンした「長崎オランダ村」の旅客需要UPを目指して昭和63年企画されたものです。
当テーマパークのイメージに合わせてオランダ国旗の紺、赤、白の三色を用いてカラーリングされました。
165系電車改造の「パノラマエクスプレス アルプス(S62.3改造)」とよく似たフォルムですが、ディーゼル特急です。

 昭和63年3月、小倉−佐世保間を走る「オランダ村特急」として、
土休日を中心に運行を開始したキハ183系1000番台ですが、
さて、上記の区間は全線電化されているのに、なぜ気動車を製作したのでしょうか。

 それは「オランダ村特急」が運行する以外の日には、オランダ村を九州全島にPRすべくイベント列車として運行する必要があったからです。
1編成しか製作されなかったのはイベント列車だからと考えるべきかもしれません。
 思い起こせば、JR化間もないこの昭和63年。JR各社はイメージアップを図るため多くのイベント用車両をデビューさせています。
なかでもJR九州は、8620形蒸気機関車が牽引する「あそBOY]をはじめとして、
「アクアエクスプレス」「ふれあいGO」「サルーンエクスプレス」「ジョイフルトレイン長崎」と、この1年に次々と登場させています。
多くの非電化区間をもつがゆえに、電車は一つもありません。

 ところで、キハ183系 1000番台「オランダ村特急」以外は、 いずれもリニューアル車両です。
実のところ、新造車両としてデビューしたイベント列車は、珍しい存在なのです。

 
 それだけではありません。キハ183 1000番台は、電車と併結して運行できるシステムを備えているのです。
                (DCS;Diesel Contorol System)
JR九州 特急有明11号+オランダ村特急
有明11号+オランダ村特急     博多駅

 電車と気動車が併結して走る例は、昭和61年に登場した「ゆうトピア和倉(キハ65改)」+「雷鳥(485系)」が最初です。
これは485系電車に気動車が牽引されて走るものです。
ブレーキシステムが違う両者が協調して走るということで、
それは画期的なことでした。
 でも力行時、モーターとディーゼルエンジンという
全く違う動力源を持った車両が、双方のパワーを出し合って走るのは、
このキハ183 1000番台が最初、それも世界初なのです。
電車のマスコンで後位に連結された気動車のエンジンが唸りをあげる…。

私もこの目で見ましたが、感動しました。

 キハ183系は、北海道向けの新型ディーゼル特急としてデビューしたものですが、この1000番台とは、スタイルも設計思想もまるで違います。
新形式を与えられても何一つおかしいとはと思えません。
また革新的なメカをもつがゆえに、
試作車として900番台が与えられてしかるべき存在
と考えるのは私だけではないと思います。

さて、前述の「オランダ村特急」が走る鹿児島本線は、
現在「かもめ」「みどり」「有明」「リレーつばめ」など1時間に5本以上の特急が走る日本一の特急街道です。

 当時としてもダイヤに余裕があろうはずもなく
キハ183 1000番台も120km/hの最高速度で平行ダイヤを可能にしています。
ならば3両で走るのではなく、他の電車特急と併結するほうが効率的です。
「ゆうトピア和倉」も同様の発想ですが、
長い編成の「雷鳥」に2両編成の「ゆうトピア和倉」なら「雷鳥」にぶら下がってゆくのも可能です。
しかし5両編成の有明に対し、3両から4両に増強された「オランダ村特急」では、そうもゆきません。
DCSは、そうした必要が生んだテクノロジーだったのです。
 
 ところが、協調運転が始まって、3年足らずの平成4年。
西彼杵郡西彼町にあったオランダ村は、工場誘致がままならぬまま20年放置された工業用埋め立て地(佐世保市)に、
エコロジーの思想を取り入れた環境実験都市 ハウステンボス として生まれ変わりました。
その時、「オランダ村特急」は、特急「ハウステンボス」となり、同時に485系電車の定期列車となったのです。

 働き場所を追われた183系1000番台は、その後、転々と職場を変え、その都度、計3度の化粧直しを行い。
今は「ゆふDX」として久大本線へ直通する観光特急として活躍しています。
特に「ゆふDX」はこだわりの内装が、素晴らしく是非乗ってみたい列車の一つですが、
電車との協調運転は「オランダ村特急」以降行われていません。それが残念でなりません。


JR九州 キハ183 1000番台 特急ゆふいんの森2世 

183系1000番台の年譜

88.3 小倉−佐世保間で運行開始。89.3門司港まで延長
89.4 有明11号(5両編成)との協調運転(門司港−博多間)スタート。
                         列車番号は7011M
90.3 協調区間が鳥栖まで延長される。
92.3 ハウステンボス開園と共に登場した特急「ハウステンボス」に道を譲る。
92.7 特急「ゆふいんの森U」として99.1まで運転
99.3 特急「シーボルト」として長崎−佐世保間を2往復 03.3まで運転
04.3 特急「ゆふDX」としてリニューアル。現在も活躍中。



ゆふいんの森U                  大分駅?

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