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J鉄局TOP>珍車ギャラリー>JR九州 ヨ28001車掌さんのかわりにエンジンがいる車掌車?−−JR九州 ヨ28001−−熊本駅は市街の西に位置し、街の中心部へは東へと延びる市電を使うのが一般的です。しかし地図を見ると、豊肥本線が市街の南部に回りこんで中心部に入り込み東へと延びているのです。 現在、豊肥本線は、肥後大津まで電化され、熊本駅着8時台はおおよそ10分おき、デイタイムでは30分おきに列車が運行されており、 今や都市交通の一部として位置づけることが出来ます。 非電化のローカル線であった国鉄時代とは趣を異にしています。 S62年。国鉄はJRとなり、一企業として利益の見込めるところは当然活用すべきだという点に関してJR九州も例外ではありません。 当時鹿児島本線の特急有明は何本かが、熊本駅どまりとなっていたのですが、 これを市内中心部である水前寺駅まで、延長しようということになったのです。 しかし特急有明は電車ですから、乗り入れるには電化しなくてはなりません。 電化にかかる経費に見合う分、有明からの直通客が増えるかどうかはわかりません。 採算度外視の投資は、小さいものでも民間企業にはできません。 そこで余剰のディーゼル機関車を利用し、これに牽引させることにしたのです。 熊本-水前寺間は5.8km。現在普通電車で10分足らずの距離です。 ディーゼル機関車でひっぱってゆくことはたいしたことではないと思われるかもしれません。 しかしディーゼル機関車と電車とではブレーキシステムが違います。 加えて、その間、車内灯やクーラーの電源をどうするのかという問題もあります。 そこでJR九州は、サービス用電源を供給するエンジンを積んだスハフ12形客車に目をつけ、 ブレーキシステムを改良し、これに対応することにしました。 そこで、めでたくJR化のS62.3と同時に特急有明の水前寺乗り入れが開始されたのです。 翌年、JR九州は他のJR各社に先駆けて、オリジナルの特急電車をデビューさせます。 783系ハイパーサルーンです。旧態然とした485系に合わせるようなことはしません。 ブレーキシステムも電源も全く新しい仕様となりました。そうなれば前述のスハフ12では対応できません。 それにスハフ12には本来の仕事があります。これ以上、改造工事をさせるための余裕はありません。 そこでJR九州は、新しい電源車を用意することにしたのです。 それが、ヨ28001 なのです。 ヨ という称号は、もともと車掌車のものです。 新車を開発するには経費がかかるため、余剰の車掌車 ヨ8000 を使うことでこの場を乗り切ったのです。 ですから車掌車とはいえ、車掌は乗車していません。 電源用エンジンが、1000Lの容量を持つ燃料タンクとともにドドーンと備え付けられています。 そんなわけで重量も10.tから15.1tにUPしています。 電源方式は、当然783系、485系の両方に対応しています。 ヨ28001の登場により、臨時列車扱いであった熊本−水前寺間は定期列車に昇格しました。 7年後のH6年。有明のすべてが、783系化されるのに伴って、JR九州は水前寺乗り入れを取りやめることにしました。 そして残念ながらヨ28001もお役ご免となってしまいました。 でもその5年後のH11年10月 前述したように豊肥本線は肥後大津まで電化され、 12往復の有明乗り入れが復活したのです。(うち1往復は肥後大津まで) 今度は、特急列車としての乗り入れです。 申し遅れましたが、かつての乗り入れにあっては、普通列車扱いだったのです。 まあ停車駅も多く、実際ゆっくりと走っておりましたから、特急料金を取るのははばかられたと思います。 手間と経費がかかる割には、思ったほどの収入をあげられなかったということでしょうか。 でも、当区間の潜在的な需要(短距離の普通列車としての利用も含めて)を掘り起こすことができたのではないでしょうか。 ヨ28001がいたからこそ、当区間の電化にGOサインが出たのではないかと思うのです。
今回の記事を、考えるにあたって例のごとくネットサーフィンしていたのですが、検索エンジンがピックアップしたWebページに鉄道模型のサイトがやたらでてきたのが特徴的でした。 同じDE10のボディーでも、特急電車の塗装が施された姿は、鉄道ファンならずとも目を引くもので、特急有明の水前寺乗り入れを広くアピールできたのではないかと思われます。
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