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2009/05/20UP 2011/10/31更新 |
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J鉄局TOP>珍車ギャラリー>JR東海 371系 X1編成
編成表 ←沼津 クモハ371-101(Mc1)+モハ370-101(M'1)+サロハ371-101(Tsd1)+サロハ371-1(Tsd)+モハ371-201(M2)+モハ370-1(M')+クモハ371-1(Mc) もう一つのX1編成 −JR東海 371系X1編成−371系は、1991年1月、御殿場線から小田急電鉄線経由で新宿に乗り入れる特急「あさぎり」号用の車両として登場しました。JR東海が初めて製造した在来線用特急電車なのですが、1編成7両しか製造されておらず、JR特急の中では最少車輌数です。 ところで「あさぎり」号は、定期列車です。 1編成しかない371系がトラブルを起こしたり、検査で工場入りするときなどにはどうするのでしょう? ご心配はご無用です。「あさぎり」号は小田急のRSE(20000系)でも運行されています。 2編成あるRSEが、JR東海371系のフォローにまわるのです。 普段「あさぎり」運用に付かないRSEが余分に1編成あるからできるわけですが、これも遊んでいるわけではありません。 これを他のロマンスカー同様、箱根特急に使用するからこそ効率的に運用できるのです。 小田急あっての371系ということは言えそうです。 それにしても、なぜ1編成しか製造されなかったのでしょうか…? さて、もともと「あさぎり」号は、1955年に小田急の気動車でスタートした御殿場止まりの連絡急行がルーツです。 御殿場線の電化(1968.7)に伴い以後永く小田急のSSE(3000系)でもって運行されていました。 しかし、老朽化したSSEの取り替えを機に、1991年3月のダイヤ改正において、 運転区間を沼津まで拡大するとともに、これを特急に格上げし、小田急、JR東海の共同運行とすることとなったのです。 今度はJR東海側も車両を用意することになりました。これが371系です。 ですから同時に小田急が製造したRSE(20000系)とは、走行性能や定員等の基本仕様を合わせています。 JRグループの在来線では唯一右手でマスター・コントローラーを操作する電車となっているのも。 小田急電鉄の方式に合わせているためです。 しかし、具体的な設計についてはそれぞれに任されたため、結構違いが見られます。 足回りでは 371系は、クモハ371形とモハ370形はM'Mユニット(両端2組)を組んでいますが、 5号車のモハ371形200番台は213系に準じた1M車となっており、これで編成を5M2Tとしています。 このことで、御殿場線内の急勾配 (25‰) においても均衡速度100km/hをキープ。 また33‰の急勾配であっても、1ユニットをカットした状態で起動可能な性能を確保しているのです。 一方、RSEですが、4M3Tです。 モーター1個あたりの出力を+20KWアップすることで対応しています。 ただ、双方とも開発期間が短かった(相互乗り入れの基本合意がなされたのは89年8月)こともあって、 当時最新鋭であったVVVF制御の採用は見送られています。 むしろ、その違いが顕著なのは、なんといってもその車体のデザインでしょう。 B、C号車にダブルデッカーを配置するという点ではRSEと同じですが、 371系では1階と2階の窓を一体に繋いだ超大型の曲面ガラスを使用した大胆なデザインとなっています。 また、先頭車についても、先頭部構体からスカートまで一体化した3次元曲線で描かれた涙滴形の流れるような印象的なスタイルです。、 371系は、スチール製です。JR東海では、異色の存在といえるでしょう。 しかし、これはデザイナーに思う存分腕をふるってもらうために、自由度の高い素材を選択した結果ではないかと思うのです。 だてに新宿へ乗り入れるのわけではないのです。 371系の使命は、首都圏に於いてJR東海の存在感を高めることだったのではないでしょうか。 もちろんJR東海は新幹線で東京へ乗り入れています。 しかし周りをJR東日本に固められ、新幹線の品川新駅を作ることも、なかなかままならなかったのです。 小田急線経由ですが、JR東海の車両が新宿へ乗り入れるということは、 JR東海にとって、JR東日本の土手っ腹に風穴を開けるに等しい快挙だったようにも思います。 ここで、RSEと同様の車両でお茶を濁すわけにはいきません。 もう一つ、371系には使命があったと私は考えています。 それは、ロマンスカーでそのノウハウを蓄積してきた小田急のホスピタリティーを獲得することです。 371系以後、300系新幹線の量産車をはじめ、383系、373系とJR東海の主力車両が続々登場します。 371系は、当時、快適な車内空間を模索していたJR東海の試作車とも言える存在だったのではないでしょうか。 たとえ1編成であっても、JR東海のオリジナル車両が必要だったのです。 当時JR東海のエースだった100系新幹線のカラーを活かした371系は、JR東海の広告塔として十二分の活躍をしたのではないでしょうか。 ちなみに100系新幹線で、食堂車を含む主力編成はX編成でした。 たった1編成の371系ですが、これをX1編成としたのも単なる偶然ではないでしょう。
371系「あさぎり」は2012年春に引退する予定です。 私は「あさぎり」に乗車したことはありませんが、東京への出張や撮影旅行の帰り、浜松にある女房の実家へ立ち寄る際、 ホームライナーとなる371系に何回か乗車しました。 これもなくなってしまうのでしょう。 沼津の駅で371系に乗り込むとき、JR東海の、他の特急車両からは得られない「ときめき」が、371系にはありました。 ステンレスの車体は特急車両に似つかわしくないという思いがあったからかもしれません。 白を基調としたまばゆいばかりの美しいデザインによる視覚効果かもあったでしょう。 でも、私には、371系がX1編成しかない孤高の存在であることが大きく影響していたように思われるのです。 2012年春、JR東海は300系新幹線も淘汰します。東海道新幹線は、N700系、700系だけになります。 次から次へと、新型の快適な列車がやってくるわけで。ビジネスマンにとってはますます重宝な新幹線となるでしょう。 でも、来る列車来る列車、どれも金太郎飴のように同じ顔。鉄道ファンでなくてもおもしろみのない新幹線になってしまうように思えます。 お隣のJR東日本のホームには色とりどり個性豊かな新幹線がやってくるのとは対照的です。 もちろんJR東海が今の新幹線のあり方を根本的に変える必要はありませんが、 JR東海にも乗ってみたいと思わせるような「ときめき」が感じられる新幹線車両があってもいいのではないでしょうか。 −−ここからは、私の妄想です。よろしかったらおつきあいください。 「さくらプレミアム」は8両編成。東京駅を17時過ぎに出発しました。 食堂車(D号車)ロビーカー(C号車)を備えた、オールグリーン車の豪華な編成です。 @.G号車のコンパートメントでは、パソコンの画面を見ながら、商談をはじめたビジネスマンもいるようです。 小田原を過ぎたあたりで、1回目のディナーへと誘うアテンダントの車内放送が…。 今日はいいお天気。真っ赤な夕日に照らし出された富士山を見ながらのディナーは格別です。 名古屋や大阪からの乗客は、山陽新幹線区間で2回目のディナーを楽しむことになります。 TWEのダイナープレアデスとは全く違う夜の車窓風景ですが、なぜかしら時間だけはゆっくり流れているように感じられます。 博多からは、カクテルタイム。ディナーとは違って予約はいりません。乗客は思い思いに大人の時間を愉しみます。 友人は、ロビーカーで、あす鹿児島で開かれるイベントの情報をつばめレディーから聞いているようです。 いかがです?私の設定では、下り列車のみの設定です。 上りは団体専用列車として利用できるときは使用します。なにせX1編成は、1編成しかないのですから。
参考文献;鉄道ピクトリアル 「新車年鑑1991年版」No550 1991.10 |
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