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J鉄局TOP>珍車ギャラリー>JR東海 キハ40形3000番台JR西日本にもいる−キハ40形3000番台−キハ40形3000番台同姓同名っていうのはやっかいですよね。 ちなみに私と同姓同名をググってみると、まずヒットしたのは広島の公認会計士さんでした。 自分がトップに踊りでるとは思ってもいませんでしたがど、ちょっとしゃくですね。 それはさておき、鉄道車両にも同姓同名?が存在します。 いわゆる大手民鉄において、たとえば8001なんていうのは、どこにでもいる代物ですが、 JR車両となると話が違います。 JRには、まだ国鉄時代に製造された車両が頑張っていますが、 彼らは国鉄時代に一括管理されていたわけです。重複など認められるわけありません。 カナで車種、数字三桁で系列を区分し、なお車番でグループ分けをすることで、徹底して重複を避けました。 すから、それを受け継いだJR各社において同形式で同番台区分、 加えて番号まで同じとなると、重複するその確率は限りなく少なくなるはずです。 しかし、JRにおいて、重複番号車両が存在することになってしまいました。 その嚆矢となるのは、イベント列車であるJR東日本「江戸(1986年〜2000年)」のオロ12-851〜854と 同じくイベント列車であるJR西日本「あすか(1987年〜現役)」のオロ12-851〜854です。 JR東日本の車両が廃車されましたので、今は解消しています。 また、JR西日本、トワイライトエクスプレスのサロンカーであるオハ25形550番台と、 JR北海道の北斗星用ロビーカーオハ25形550番台とが重複していました。 これも、JR北海道の車両が廃車されましたので、これも今は解消しています。 そんなわけで、今回ご紹介するのは、JR東海 キハ40形3000番台です。 JR西日本のキハ40形3000番台と併記すべきかと思いましたが、 重複番号車両にした張本人はJR東海のキハ40形3000番台ですから、その点ご了承ください。 さて彼らのベースとなる車両は国鉄時代に製作されたキハ40形2000番台です。 まず、そこからお話を進めましょう。 キハ40系の中でキハ40形は両運転台の車両という位置づけになります。 次にそのキハ40形の中での違いを番台区分で表します。 他の国鉄形系列の多くもそうですが、キハ40系は日本全国に配備されたことにより、 地域特性に合わせた仕様があり、その違いも番台区分で示したわけです。 2000番台は温暖地を対象とした2段上昇式ユニット窓を持つ一般仕様車でデッキは装備されていません。 キハ47形の両運転台版というところです。 北海道仕様の100番台、寒冷地仕様の500番台に遅れて1979年に製造が開始されました。 1982年までに148両 (2001〜 2148) が製造されています。 しかし、キハ40系はエンジン出力が車体の割に小さく、 冷房装置も付いていなかったため、 JR各社でエンジンの換装並びに冷房改造が行われることになります。 JR東海に継承されたキハ40系は、 キハ40形14両(500番台2両・2000番台12両)、 キハ47形5両(0番台2両・1000番台3両)、 キハ48形40両(0番台3両・500番台18両・1000番台2両・1500番台17両)の計59両です。 伊勢車両区と美濃太田車両区に配備されました。 ほどなく、国鉄色(朱色=首都圏色)から 順時アイボリー地に湘南色(緑とオレンジ)のラインを入れたJR東海色に塗り替えられました。 そのうち1989年から1990年にかけて キハ40形2000番台のエンジンをカミンズ製のC-DMF14HZに換装し 冷房装置C-AU711Dを2基搭載したものが6両登場します。 これがキハ40形5000番台です。 番号が前後するのですが、 キハ40形3000番台は、1999年にこの5000番台を改番したものです。 3001〜3003・3005・3010の6両でその変遷をまとめてみると。 キハ40_2030〜2032・2058・2059・2129 →_5030〜5032・5058・5059・5129 →_3001〜3003・3005・3306・3010 となっています。 5000番台の時、下3桁は現番号を引き継いでいたのに対し、3000番台では、01〜の通し番号にしたわけですね。 でもよく見てください。それにしては、なぜ04と07〜09が存在しないのでしょう? それと06が3300番台になっている点も妙です。 先に、3300番台について解決しておきましょう。 3300番台はワンマン改造対象車ということです。 キハ40形に限りません。JR東海ではワンマン改造対象車には+300するというルールになっているからです。 ですから3001がのちワンマン改造されれば、3301になるということです。 むしろ、ワケがわからないのは04,07〜09の空番です。これは何を意味するのか? キハ40形3000番台は5000番台を改造したわけですから、全部で6両です。 01〜06でいいではないですか? 実は1997年から キハ40形2000番台のエンジンをC-DMF14HZBに変更して換装したグループが存在するのです。 キハ40形6000番台です。 HZとHZB…。何がどう違うというのでしょうか? 出力は350ps/2000rpmで同じです。 違いは、カミンズ社製か国産かと思ったのですが、共にカミンズのNTA855Rエンジンということだそうです。 3000番台の空番04,07〜09を埋めるように、6000番台の下二桁が揃えられているのは、 国鉄時代、すなわち2000番台の番号順に合わせたものです。 途中の経過はあえて記載せず、現状と国鉄時代の番号を照合すると以下のようになります。 3001-2030 3002-2031 3003-2032 6304-2057 3005-2058 3306-2059 6307-2111 6308-2112 6309-2113 3010-2129 6311-2130 6312-2131 同一性能であれば、種車の製造順に番号を合わせておくというのは納得できるところです。 なお6000番台はすべてワンマン改造がなされたため、6300番台になっています。 3000番台も、近いうちにすべてワンマン改造がなされ3300番台に統一されるかもしれませんね。 というわけで、現在、JR西日本所属車であるキハ40形3000番台(3001〜3005)のうち JR東海のキハ40形3000番台、3001〜3003・3005の番号が重複することになります。 JR西日本 キハ40-3003 岡山駅 JR西日本には、 キハ40形63両(すべて2000番台)、 キハ47形189両(0番台108両・500番台3両・1000番台75両・1500番台3両)、 キハ48形5両(0番台3両・1000番台2両)の計257両が継承されました。 このうち車内の座席をロングシートに交換したものの車番に、+1000番台が付加されました。 結果、すべて2000番台だったキハ40形は、+1000で3000番台になったというわけです。 (同様、キハ47形は0・1000番台は2000・3000番台に、500・1500番台は2500・3500番台に改番されました。) JR東海とは違い、エンジンの違いを示しているわけではないのです。 キハ40形3000番台は岡山区に5両配置されました。 キハ40_ 2009・2010・2116・2117・2028 → 3001〜3005 なお車番はJR東海とは違い、原番に1000を加えたものではないのでご注意を。 JR西日本でも1995年度にはエンジンをコマツ製SA6D125H-1Hへ換装したものが現れました。 しかし番台区分の変更はなされませんでした。 加えて、JR西日本では、1989年度よりワンマン化改造をキハ40形(全車)とキハ47形(その大半)に施工しました、 また、1991年度からAU34による冷房改造も行っています。 ですが、ともに番台区分を変更したりはしていません。 JR九州などはエンジンの換装をもって形式から改めているのとは大違いですね。 (例)キハ40形→キハ140形 思えば、JR西日本では257両もキハ40系を継承しているのです。 シート形状×エンジン×ワンマン×冷房と言う具合に数限りなく増えてゆくバリエーションに番台区分をするというのは、 煩雑なだけで現実的ではないという判断がなされたのでしょう。 JR各社が、どういう契機に番台区分、形式を変更するのか。 ということについて、今や共通ルールをつくることに意味がないのはもちろんのことなんですが、 JR西日本のみならず、JR各社とも、40系気動車を独自に改造、アレンジをすすめてゆくうちに、 キハ40系はとてつもなくそのバリエーションが増えてしまいました。 重複ナンバーが現れても、そんなのは気にしていられないというのが、実際のところでしょう。 マニアにとっては頭痛の種(笑)ですが、 キハ40形(系)の奥の深さを感じる今日この頃です。 参考文献;JR全車両ハンドブック 2008 鉄道ピクトリアル 特集キハ40系 T、U 2008.7 2008.8 RailMagazine 356 キハ40系気動車のすべて 2013.5 鉄道ファン 597 特集キハ40系一族 2011.1 *JR九州にもキハ47形5000番台が存在します。JR東海同様、エンジン出力UP車です。 ただしJR東海と違って、現番号に+5000しているので重複番号はありません。
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