2013/10/30 UP のHP | |||||||||
J鉄局TOP>珍車ギャラリー>JR東海 キハ75系200/300番台 急行かすが
−JR東海 キハ75系200/300番台− JR東海が造った 唯一の急行用車両
急行「かすが」は、もともと関西本線(名古屋 - 湊町間)全線を走っていました。 しかし、近鉄が特急車両をを投入、所要時間も短縮したことで、1960年代以降「かすが」はローカル急行そのものとなります。 年を追うごとに利用者は減少し、JR東海が、国鉄から継承したときには、「かすが」は奈良止まりになっていました。 それでもJR東海では、キハ58.65系に0系新幹線のシートを取り付け、指定席の連結も開始するなどグレードアップが図り、 近鉄に対抗する意欲を示しました。 そして、1999年。 急行「かすが」は、キハ75系に置き換えられることになるのです。 急行列車自体が国鉄(過去)の遺物であり、特急に取って代わられていくその流れに抗して、 JRの手によって新製された急行用車両は極めて希な存在というべきでしょう。 もっとも、キハ75系は1993年に快速「みえ」用として登場しました。 急行用車両とするのは考えすぎかもしれません とはいっても、エンジンはカミンズ製のC-DMF14HZB (350ps×2)、ブレーキも電気指令式で、機関ブレーキとコンバータブレーキも装備しています。 加えて、ヨーダンパ付きボルスタレス台車(C-DT60)で固めた足回りは、特急用のキハ85系と同じく最高運転速度120km/hを可能にしています。 「みえ」は快速列車ではありますが、これに使用するキハ75系は近鉄特急を標的に定めた意欲的な車両であると申せましょう。 ですからこの高性能車をして、急行用に用いても何ら遜色のない車両なのです。 急行「かすが」を置き換えるため、JR東海はキハ75系のマイナーチェンジバージョンを用意しました。200(300)番台です。(300番台はトイレ付き) これは、快速「みえ」の増発用としても追加されているのものでもあります。 また急行「かすが」自体が1往復であったため、とりわけ急行用車両として、取り上げられることもなかった200番台でしたが、 前照灯が追加されたことに加え、液体封入エンジンマウント装着による騒音軽減対策が講じられているということからも 急行用として使用されることが意識されている車両ではなかったかと私は思うのです。 さて、液体封入エンジンマウントで、5dBの低周波騒音が軽減されたそうですが、 実際には、どれくらいの効果があったのでしょうか? ネットで調べているとわかりやすい例があったので、それに基づいてお話しします。 例えばここに80デシベルの音を出す目覚まし時計が2個あったとして、それらが同時に鳴ったら何デシベルになるでしょう? 80dB + 80dB = 160dB といいたいところですが、音の大きさが2倍になるとデシベル表示では6dBアップとなりますので、 80dB+6dB=86dBになるというのが答えです。 つまり、キハ75系200番台の場合、エンジンは2台あるので騒音は2台分発生することになりますが、 液体封入エンジンマウントにより5dBの騒音低減がなされたということですから、半分近くに感じられるということです。 これは凄いことじゃないでしょうか。 もっとも 音量は1/2倍近くに絞られたのか? というと体感的にそこまで感じられないというのが現実です。 加えて、騒音源はエンジンだけではありません。 おそらく0番台と乗り較べても、気付かないレベルなのかもしれません。 でも、このように目に見えないところの積み重ねから、プレミアムな価値というものが生み出されてゆくものではないでしょうか。 さて、急行「かすが」は、この200番台を限定使用し、3つの扉のうち中間の扉は締切としました。 また座席には布のヘッドカバーをとりつけることで、快速との差別化を図ったのでしたが、 キハ75系200番台は、やはり快速「みえ」の車両と捉えられてしまったようです。 キハ58系とは比較にならないくらい快適さはUPしたのに、乗客増には結びつきませんでした。 2006年3月に急行「かすが」は廃止されることになりました。 参考文献 鉄道ピクトリアル 新車年鑑 1999年版 1999年10月号 No678 |
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