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  JR西日本 103系体質改善40N試作車  2017/9/30 UP
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JR西日本 103系体質改善40N試作車、8両編成、
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クハ103_245-モハ103_387-モハ102_543-サハ103_409-
       サハ103_404-モハ103_408-モハ102_564-クハ103_264

第7編成 H8.4.8より営業運転開始 森ノ宮電車区
参照:JR編成表2000年夏版 撮影1996.*

-鉄道車両写真集-
JR西日本 103系 体質改善40N- 試作車-
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  JR西日本 103系体質改善40N試作車 クハ103-264  撮影1996、5? 大阪駅 

「究極のリニューアル」-JR西日本 103系 体質改善40N試作車

鉄道車両の寿命は各社の規程などにより決められているわけですが、
延命工事を実施することで寿命を延ばし、その間、車両投資を抑制することができます。
103系においても国鉄末期となる1982年度から「特別保全工事」と呼ばれる延命工事が行なわれていました。

JR東日本やJR東海でもリフレッシュ工事、車両更新工事という名でも延命工事は行われましたが、
これをもっとも徹底してやったのがJR西日本です。
内容によって、まず以下の4種に分かれます。

以下は、ウィキペディアからの引用です。

延命N
製造から30年の使用を目指し外板整備・機器の一部更新・配管の交換および内壁の張替。1972年までの製造車大半が該当。

延命NA
国鉄時代の特別保全工事施工車に内壁の張替など前述の延命N工事と同様の工事を施工。施工済部分は省略。

延命NB
1970年以前製造の初期車が対象で延命N工事と同時にWAU102形搭載冷房改造
・側窓の延命N40工事で使用されるものと同様の黒サッシへの交換を施工。
施工車両は11両にとどまり、2006年4月までに全車運用終了により廃車。

延命N40
製造から40年の使用を目指し、外板整備・機器の一部更新・配管の交換・内壁の張替・窓サッシの交換
(上段下降・下段固定の黒色サッシ)
など上述3種よりも徹底した内容の工事。主に1973年 - 1976年製の車両に施工されたほか、
広島運転所では1972年までに製造された車両の一部にも施工。
この工事で採用された黒色サッシは取付部枠の幅が太く、ガラス面積が従来より減少。

ウィキペディアから引用したのは他でもありません。
参考になる文献が見つからなかったからです。

実際、延命NB以外にもWAU102形搭載車はありますし、側窓黒サッシの有無、形態で分類できるものでもなさそうです。
「内容によって、まず以下の4種に分かれます。」といったところで、
実際にはもっともっと複雑で、かりにJR西日本の103系を全車両撮影したとしても、
それがいつなのかで、その有り様は違ってくるようにおもわれます。

一台一台、片っ端から撮影するのが、私の趣味ですが、当時デジカメはありません。
103系のためにそれだけの投資はできませんでした。
私にとっては、むしろ戸袋窓や妻窓の閉鎖とか、座席シートの色とかで、
「こいつは延命工事車だな。」
とおおざっぱに分類していたというのが正直なところです。



ところが、のち「体質改善工事」と名付けられることになる延命工事試作車を見たときの衝撃は忘れられません。
はじめて大阪駅で彼女らの姿を見たとき、私は先頭車に向かってホームを駆け上がりました。
そしてファインダー越しに
「これが103系か?」と私は目を疑いました。
今までの延命工事車とは別の次元ともいうべきものだったからです。

画像をご覧ください。
一番のポイントは張上屋根としたことです。このことで雨樋がなくなりました。
加えて屋根上のベンチレーターも撤去したことで、すっきりとした印象になりました。
そして側窓外縁部のステンレスがいいアクセントになっています。
マスクはキープコンセプトですが、
これまた外縁部をステンレスとした一枚窓とすることでイメージが統一されています。

車内に目を転じると
内壁・床の張替、座席クッションの更新は言うに及ばず、
扇風機はラインデリアへ交換され、
むき出しだった蛍光灯にはカバーが取付られています。
冷房風道がラインフロー化されたため多少天井は低くなっていますが、
207系の車内を彷彿させます。
そうです。今回の体質改善工事では新型車両となる207系並のアコモデーションを目指し、
かつ「延命N40」以上の徹底した延命工事が施工されたものなのです。
のち「体質改善40N」へとつづく この延命工事は
まさに103系究極のリニューアルメニューと申せましょう。
従来の「延命N40」とは区別しておかねばなりません。

201系リニューアル車とはマスクこそ違え、飛び乗った段階ではその違いがわからないほどです。
強いて言えば走行音で「103系かあ。」と認識していました。

森ノ宮電車区に配置された試作車編成(第7編成)8連は
1996年4月8日から環状線で活躍を始めました
Tc245+M387+M'543+T409+T404+M408+M'564+Tc264
後にこの編成は中間のサハ(T409+T404)を除き日根野区へ転属しましたが、
2013年3月に廃車されました。

残留していたサハ2両は、日根野区から転属して来た体質改善40N編成に組み込まれて運用されていましたが、
大阪環状線への323系投入に伴い、2017年1月に廃車回送されたもようです。

クハ、モハは1973年製、サハは1975年製です。見事にその使命を果たしたと言うべきでしょう。

参考文献:JR電車編成表08年夏号
鉄道ピクトリアル 「」 2012年.12月 No870 の記事

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