鉄道写真管理局 珍車ギャラリー
  JR西日本 113系300番台  2010/02/13UP
 2010/02/17補筆訂正
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JR西日本 113系300番台 クモハ112-302
クモハ112
300番台
302 1995年改 鷹取工場改造
長さ(m) 幅(m) 高さ(m) 自重(t)
20.000 2.983 4.140 45.5
駆動方式 制御器 モーター(kw) ギア比
中空軸
平行カルダン
CS12
(クモハ113に)
MT-54D
(120×4)
4.82
ブレーキ 定員(座席) 冷房機 台車
SED発電ブレーキ
電磁直通ブレーキ
138(57) AU75B DT-21B
種車 モハ113-6329
鉄道車両諸元表:鉄道ピクトリアル「新車年鑑1995」No612 1995.10
クモハ112-302             京都駅 1996

113系300番台−なぜか戸袋窓が大小二つ並んでいる電車

113系300番台は、1996年3月の山陰本線園部−福知山間の電化に伴い、
1995年に113系の6000番台となるモハ113+112形ユニットから改造された2両編成の電車です。
福知山電車区にS編成として投入されました。
S編成は、閑散区間2両で運行し、都市圏となる園部に入った段階で列車を増結、
このままターミナルの京都へと向かいます。ですから電気連結器が設置されており、
扉も半自動化(電気式)されています。

6本×2=12両が改造されました。番号の対照は以下の通りです

モハ113/112−6329〜6332・6335・6337
  →クモハ113/112−302〜 305・307・309
  (のち高速化対応で改番→5302 〜 5305・5307・5309 )

301・306・308が欠番となっているのが不思議ですね。
本来は300番台を9編成用意する計画だったそうです。
改造年は1995年ですが、95年といえば阪神大震災です。
詳しい経過は分かりませんが、
この予想外の災害の影響で、車両のやりくりがつかなくなったという説があります。
結局300番台への改造は6編成にとどまり、
不足する3編成分は113系800番台(2両編成3本)で補うことになりました。

さて、そんなわけで、同じ用途で運行されることとなった300番台と800番台ですが
何が違うというのでしょうか。

前照灯は全車ともシールドビームに改造されていて、
その顔立ちはほとんど変わりありません。
(ちなみに、300番台で新設された運転台は廃車となったクハ111形から移植されたものですが、
800番台では運転台を新製しています。)
またトイレについても800番台の改造と同様の手法で設置されています。
S4、S9編成(304、309)にはパンタグラフが増設されましたが、
800番台であるS33編成も2丁パンタですから、これも違いとはなりません。
同じ運用に就く以上、電気連結器の設置や扉の半自動化は、共通仕様です。

ただ、300番台は、改造時よりワンマン運転に使用されることから、
運賃収受の利便性を考慮し、最前部の側扉を前方に64cm移設して
運転台までの距離を近づける改造がなされている点が違うのです。
JR四国の6000系と同じ発想ですね。
これにより、新設された戸袋窓のすぐ後に元の戸袋窓が並んでいる点が、
なんといっても外観上の特徴です。
JR西日本 113系5300番台 クモハ112-5302 JR西日本 113系5800番台 クモハ112-5809
クモハ112-5302   体質改善車       京都駅 クモハ113−5809           福知山駅

(ただし 1999年から2000年にかけて、S2、S4編成(302、304)には体質改善40Nリニューアル工事が施工され
新設された方の戸袋窓は、ふさがれてしまっています。写真左上)



2010年の春には、山陰線京都口から113系が撤退するという噂を聞きましたが、
よりワンマン運転に適応した300番台です。
活躍の場を転じ、まだもう少し活躍してくれるのではないでしょうか。

さて便宜上、300番台として話を進めてきましたが、
国鉄オリジナルの111系には、すでに300番台が存在します。
クハ111形300番台です。
CP付きの偶数向き専用制御車(Tc)で301〜504が該当します。
数的にいっても、こちらこそが300番台というべきかもしれませんね。
もっとも、S編成用の300番台には、Tcが存在しないので問題ないといえばそうなのですが、
400番台ぐらいを割り当てておいた方が無難だったような気もします。

まあ、こんなこととは全く関係ないと思いますが、
1996年には、5000番台改造、すなわち高速化対応工事
(高速域からの減速力を強化するために台車への増圧装置および応荷重装置の取付け、制輪子の交換など)が施工され、
全車とも5000が加えられて「5300番台」となっています。

改造される前の中間車だった6000番台時代は、前述の高速化対応工事(+5000)に加え
ブレーキテコ比にも変更を加え、もうプラス1000!より高いレベルで高速化対応し、その性能を遺憾なく発揮していました。
そんな彼らが山陰線に転用されることになって、高速化対応する必要がないのは納得できますが、
2年もたたないうちに、再び高速化対応工事をすることとなった経緯は謎です。
5300番台となった彼らが、再びアーバンネットワーク上で新型電車達と張り合うことがあったのなら話は別ですが…。
私には、記憶がないのです。

なにはともあれ、彼らが300番台でいられたのは、わずか2年足らずです。
だから、300番台の画像は貴重なんですよ!
外観上は、番号しか変わりはないじゃないかといれればその通りですけど…

でも、近年広島方面に移動した113系5000番台が、再び改造され、
5000番をとっぱらって、元の番号に復旧しています。
ひょっとしたら近いうちに、昔の車番で姿を現すかもしれませんね。

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参考文献;鉄道ピクトリアル「新車年鑑1995」No612 1995.10
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