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J鉄局TOP>珍車ギャラリー>近鉄 鮮魚列車列伝 2005.11.19 UP
ラッシュの後の鶴橋駅に−−近鉄に残る鮮魚列車−−−朝の通勤ラッシュが終わり、鶴橋駅のプラットホームに静けさが戻ってくるそんな時分に、なにかいつもとは違う電車が滑り込んできます。 そして金属製の大きな箱を肩からぶら下げた人々が、 通勤客とは反対側の階段へ足早に消えてゆく… そんな光景をご覧になった方はいらっしゃいませんか。 実はこれ、 三重県の漁港に早朝、揚がった海の幸を奈良や大阪へ運ぶ 行商人の方々のために、運転されている鮮魚専用列車の到着シーンなのです。 毎日、(但し日曜・祝日を除く)早朝、宇治山田駅を出発し 伊勢市・松阪・伊勢中川・榊原温泉口・伊賀神戸・桔梗が丘・名張・ 榛原・桜井・大和八木・大和高田・鶴橋と各駅に停車して、 上本町に9時前に到着する、(下りは上本町→松阪間、) この鮮魚列車は「伊勢志摩魚行商組合連合会」の貸切車両として 1963(昭和38)年9月21日から運行を開始したものなのです、 当初は荷物電車の車両を使用したり、 1400系、2200系などの一般営業車両を使用していました。 いつしか「鮮魚列車」として モワ10形(旧1400形)・クワ50形(旧1500形)が 専用車両としてあてがわれ、 その後、旧特急用電車2250形改造のモワ600形。 旧奈良電1320形を改造したモワ300形と Aクラスの珍車たちの活躍を(それも本線で)見ることができたのです。 写真左 モワ603 鶴橋駅 写真左下 1480系3連(モ1482-モ1481-ク1591) 鶴橋 98.5.27 その後、1989(平成元)年3月には、 1480系3連(モ1482-モ1481-ク1591)を冷房改造し、 トイレまでつけて、鮮魚列車として再デビューさせました。 1480系は、昭和36年に(Tcは昭和41年に) 大阪線の通勤車として登場したもので、 近鉄近代化の嚆矢、ラビットカー譲りの20m4扉車。 MMユニットで、1C8M制御(三菱製)の高加減速車です。 抑速発電ブレーキを備え、国分越え青山越えも可能な 大阪線近代化の立役者ともいえる記念すべき車両です。 外部塗装は一般車両と区分するため マルーンの車体に2本の太・細白帯が入っています。 誤乗車を防ぐためですが、珍車としての個性を引き立てています。 しかしこの車両も老朽化がすすみ2001(平成13)年11月17日をもって引退し、2680系3両(モ2684-モ2683-ク2782)に置き換えられました。 2680系は1971(昭和46)年に 急行用として登場した20m4扉固定クロス車で、 なぜ他の2600系と区別されるのかというと なんと初代ビスタカー10000系の電動機・制御器など を流用しているからです。 登場時から冷房器は取り付けられているのですが、 その後ロングシート化され、そのままなところと、 方向幕で「鮮魚」と表示され 看板がなくなったのは残念なところです。 写真左 2680系3連(モ2684-モ2683-ク2782) 鶴橋 2005.6.3 鮮魚列車は、最盛期100人を越える利用者がありましたが、 自動車利用の増加もあって最近では半数以下に減ったそうです。 なお専用車両まで仕立てて鮮魚列車を運転しているのはここ、近鉄だけです。 (S50年代までには、京成電鉄にも行商専用列車がありました。) 今後も存続して運転することになっているそうですが、キツイ行商の仕事を受け継ぐ若い人は、そうはいません。 がらがらの車内を見るに付けても,このままでは近い将来廃止されてしまいそうです。 逆に鮮魚買い出し列車として、イベント列車化するのは、いかがでしょう。 なんとしても珍車たちの活躍場所を残してやりたいものです。 参考文献:鉄道ピクトリアル No398 近畿日本鉄道特集 81.12 近畿日本鉄道のWEBページ |
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