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2017/01/15 UP | |||||||||
J鉄局TOP>珍車ギャラリー>名古屋鉄道 100系 215F
ー200系と言ってしまいたいけど100系です。− 名古屋鉄道100系 215F−名古屋鉄道100系は,名古屋市営地下鉄鶴舞線と名鉄豊田線との相互直通運転用の車両として登場しました。名古屋市交通局が次々と新系列車両を投入しているのに対し、名鉄は100系のみです。 しかし、その実態は極めて多様且つ複雑で100系と一口に言うのははばかられるほどです。 100系は1978年から1994年にかけて10数年に亘って製造されたわけですが、その間に電車の制御システムは大きな変貌を遂げました。 100系は、その変化、違いをも内包する系列なのです。 1〜2次車(1978〜79):抵抗制御1C8M 3〜4次車(1998〜91):界磁添加励磁制御1C8M 5〜6次車(1993〜94):VVVFインバータ制御1C4M 車番も100番台だけでなく200番台もあります。しかし形式は変わりません。 ただ215F(6次車)だけは形式が200番台に改められ200系と称されることもあります。 だからといって5次車と6次車に違いはありません。同じVVVFインバータ制御です。 200系は制御方式が違うんだよ。といってしまいたいところですが、そうはいかないのです。 それどころか、100系ではこれら制御システムが異なる車両同士でも常時固定編成を組むということをやってのけています。 だからやっぱり100系なのです。 でも、どうしてこのようなことになったのでしょう。 ここで、鶴舞線の歴史を振り返ってみます。 鶴舞線は,上小田井から天白に至る18.2kmの路線として計画されました。 しかし、市内に車庫を設置するのに適当なところが見つからないことから, 交通局は天白から日進町赤池まで路線を延長,ここに車庫を設ける計画を立てました。 しかし八事〜赤池間は名鉄が既に鉄道事業許可を得ていたため,調整が行われ 名鉄豊田新線と相互乗入をすることを前提に同区間の免許譲渡がなされたという経緯があるのです。 すなわち鶴舞線は名鉄と交通局との周到な話し合いを経て誕生したといっていいでしょう。 ですから鶴舞線用の名鉄車両は交通局の車両と仕様を合わせ、20m級の4ドア車となりました。 ちなみに名鉄通勤用車両のスタンダードは18m級3ドアです。 豊田新線が終点の豊田市より先、輸送力の小さい三河線に乗り入れることはないと踏んだからでしょうが、 いずれ犬山線に乗り入れることを考えたなら18m級3ドアにするのが自然な気がします。 どういう経緯で名鉄が歩み寄ったかはわかりませんが、名鉄は新系列の電車を用意することになります。 それが100系です。 100系は,1978年に4連(All-M)2編成が登場しました。 サイズこそ違いますが6000系をベースとした普通鋼製の車両です。 1979年の相互直通運転開始にあわせ3編成が増備され,以後,5編成が名古屋市交通局3000形と共に運用されることになります。 その経過を車両に絡めてみてゆきましょう。 111〜115F 1979年7月の豊田新線開業に合わせて登場するグループです。 1978年12月に1次車2本(111F,112F)が、開業直前となる 1979年6月に2次車3本(113F,114F,115F)が増備されました。 名鉄6000系1〜3次車(1976年〜)を基本にした仕様で, 制御方式は1C8Mの抵抗制御で,発電ブレーキを備えます。 主電動機(東洋製)は100kWで,中空軸並行カルダン駆動となるオーソドックスな構成です。 オールMとなる4連(110-120-130-140)で登場しました。 116F 名古屋市交通局3000系と共に運用されることになった100系ですが、 以後、3000系が鶴舞線延伸のたびごとに増備されてゆくのに対し、100系は10年間増備されることはありませんでした。 そして沈黙を破って登場したのが、116F です。 1988年に増備した3次車(116F)で、制御方式を回生ブレーキ付き界磁添加励磁制御方式に変更しました。 211〜214F 1991年には名鉄犬山線と鶴舞線の相互乗入れ開始に備え, 4次車4本(211F,212F,213F,214F)が増備されます。 200番台を名乗ってはいても形式は変わりません。 116Fと変わるところがないのだから、形式を変える必然性がないのはわかりますが、 4次車の番号から200番台となっているところが謎です。 200番台にするのなら116Fから200番台に変更すべきで、3次車以降は200形と形式を変えてもおかしくないところです。 151-161〜156-166/251-261〜254-264 中間車ユニット 1993年8月からの名鉄犬山線への乗り入れを控え,鶴舞線では列車を6連化することになりました。 そこで100系では中間車2両(1M1T)を新造し旧編成に組み込むことにしたのです。(5M1T) それが5次車20両です。100番台へ6本,200番台へ4本へ増結しています。 さてこの中間車ユニットとなる5次車は,名鉄初のVVVF制御車(GTO-:三菱製1C4M)で、 主電動機も交流モータとなり出力も170kWとパワーアップされました。 結果、 抵抗制御(1〜2次車)+VVVFインバータ制御 界磁添加励磁制御(3〜4次車)+VVVFインバータ制御 という二通りの固定編成ができました。 215F 上小田井駅折返し設備の完成に伴う運用増に対応して,1993年7月に6次車1本が登場します。 主電動機は東洋製から三菱製に変更されましたが、VVVF制御装置は5次車と同じ三菱製でGTO-VVVFインバータ制御です。 編成は210-220-250-260-230-240の3M3Tで,オールVVVF制御となりました。 車両番号は100系200番台の追番ですが,各車の形式も200番台に改められたことから200系と呼ばれることもあります。 今回参考文献に取り上げた記事も200系としています。 しかし名鉄の社内では100系のままなのです。 111F〜115F リニューアル改造 現在,同時期に登場した交通局3000形については廃車による世代交代が進んでいます。 そのような中,名鉄100系は未だに全車健在です。もっともそのままというわけではありません。 1次車2次車に対しては2011年からVVVF化するというリニューアル改造がなされました。 制御装置を発電ブレーキ付き抵抗制御から回生ブレーキ付きIGBT-VVVF制御(1C4M)に変更しました。 2013年には改造工事が終了したのですが、それまでの2年間、 100系は抵抗制御から最新のIGBT-VVVFインバータ制御まで4通りの制御方式が勢揃いしたことになります。 スゴイですね。 さてその際、110形と130形を電動車から付随車にし215Fと同じ3M3Tの6連となりました。 正確にはモ110形とモ130形がサ110形とサ130形になったわけですが、名鉄は車体に数字しか表記しません。 これはややこしい。 6次車と同様の構成になったわけです。本来ならこれを機に200番台に改番したならば、めでたく200系化改造と言えそうなものです。 旧番号をそのまま引き継ぎます。やはり100系のままなのです。 どうやら鶴舞線乗り入れ車は100系と名鉄は決めているようですね。 リニューアルしたばかりなので、しばらくはこのままでしょうが、 次が楽しみです。新100系=N100系がデビューするのでしょうか。 参考文献:鉄道ピクトリアル 名古屋鉄道特集 1979年.12月 No370 の記事 |
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