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2012/06/23 UP | |||||||||||
J鉄局TOP>珍車ギャラリー>名古屋市営地下鉄250形
名古屋市営地下鉄 東山線 250形名古屋市営地下鉄250形は、日本の地下鉄として、唯一の先頭改造車です。 先頭車改造の例は、 かつて長大編成だった国鉄が、列車本数を増やすために これを分割、不足する先頭車を改造車で補った というのがその典型的な例です。 あと大手私鉄の車両が、地方線区に転出する際に 短編成化され、あわせて先頭車改造を行うというのもよく見られます。 しかし、250形の場合、そのどちらの例でもありません。 では一体なぜ? 彼らが生まれ活躍した東山線についてお話しします。 名古屋市営地下鉄東山線(高畑−藤が丘間20.6km)は、 1957年11月にまず、名古屋駅 - 栄町駅(現在の栄駅)間 (2.4km) が開業しました。 次いで1960年6月 栄町駅 - 池下駅間 (3.6km) が。 1963年4月には 池下駅 - 東山公園駅間 (2.5km) が延長開業しています。 この時に用意されたのが、100形です。 見た目名鉄3400形のようなボディーマウント構造のモノコック車体を採用した15m3扉車です。 1963年までに40両が製造されました。 そして、今からは信じられないことですが、 その当初、彼らは2連でデビューしていたのです。 これらの区間は今でも最も混雑する区間であり、 もとより、高頻度運転でスタートした東山線の輸送力増強については 車両を増結することで対応するというのは至極当然のことです。 増備改良型となる先頭車200形や簡易運転台付きの中間車である500形は1964年に また今回ご紹介する250形の種車である700形中間車は1965年から製造されました。 さて1967年。東山公園〜星ヶ丘駅間(1.1km)延長開業時にあわせ、 300.800形が6連で製造されることになりました(〜1975年)。 余分な先頭車はありません。先頭車300形2両に中間車800形が4両という構成です。 それにしても1957年以後、わずか10年で東山線の編成両数は3倍増となっていたのです。 その後、1969年4月には 中村公園駅 - 名古屋駅間 (3.5km)、星ヶ丘駅 - 藤ヶ丘駅間 (4.4km) が開業します。 同年、東山線と呼ばれることになった同線は ますますその輸送力をUPしなければならない状況になりました。 名古屋市交通局は、1975年までに300.800形(6連)を19編成製造しているのですが、 それだけでは足りません。 一方で開業当初の車両である100形(1957年〜)は軽量というメリットと引き替えに、 その傷みは激しく、また、片開きドアであったがため、混雑時には対応しきれず、 廃車せざるを得ない状況に陥っていました、 ところが100形の中間車として増備された700形(710〜)は1965年以後の製造で 800形と製造年次もさほど変わりません。 加えて300形の中間車となる800形と同様の両開きドアの車体構造をもちます。 700形は800形と外観は同一です。700形を活用しない手はないのです。 ただし700形は、300形と制御電圧が違うため混用することはできませんでした。 つまり、300形への編入はできなかったのです。 そこで廃車せざるを得ない100形先頭車を補うために700形を先頭車改造することにしました。 こうしてデビューしたのが250形なのです。 250形は1983年から18両が改造され、 中間車である700形と編成を組んで再デビューを果たすことになります。 さて1980年6月には 5000形が営業運転を開始していました。 250形には、この5000形がベースとなる左右非対称の新しい顔が取り付けられ、 東山線の「黄電」に新風を送り込みました。 しかし、もとはといえば古い編成である彼らに冷房機は取り付けられませんでした。 地下鉄線内は、地上に較べて涼しいとはいえ、やはり夏の暑さはこたえます。 彼らについては1999年までに全車が廃車されました。 ![]() 種車となる700形の製造初年は1965年ですからよく頑張ったといっても良いのですが、 まだまだ頑張れます。このまま廃車するのはあまりに惜しい。 冷房化できないのは、地下鉄線内の車両限界が問題なだけです。 そこでこれを有効利用するため地上線用に冷房化。、 250形は、高松琴平電鉄など地方鉄道で第二の人生を送ることになります。 コンパクトな車体がそのニーズに合い、2000年に廃車された300形も、 そして中間車であるの700形も、新たに先頭車改造を施し、その後を追います。 250形での成功がなければ、こうはいかなかったようにおもえます。
参考文献;鉄道ピクトリアル 「特集 名古屋市営地下鉄」No673 1999.8 |
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