鉄道写真管理局 珍車ギャラリー
  名古屋市営地下鉄 鶴舞線用 3159F  2017/02/15 UP
JS3VXWのHP toppageへリンクHP  
  J鉄局TOP珍車ギャラリー名古屋市営地下鉄 3050/3000系 3159編成
名古屋市営地下鉄鶴舞線 3050/3000系6連 編成表
←赤池・豊田市@       上小田井・犬山E→
3150-3250-
3700 -3800-3750-3850
(Mc1-T1-
M1-M2'-M -Tc )
59F : 3159-3259-
3706-3806 -3759-3859
3000系を組み込んでいるのは59Fのみ。
参考:私鉄車両編成表2011年版
−鉄道車両写真集−
名古屋市営地下鉄 3050/3000系 59F
地下鉄 鶴舞線乗り入れ車 名鉄 100系_200系
へJUMP

   名古屋市営地下鉄 3050/3000系 59F  撮影2016、12  上小田井駅 

ー 92÷6=15 余り 2 −名古屋市営地下鉄 3050系 3159編成

名古屋市交通局3050系は3000系の次に鶴舞線用に造られた車両です。
1993年に登場しました.
開業時(1977年)にデビューした3000系と同様の20m級4扉車ですが,
制御装置をGTO素子による1C4MのVVVFインバータ制御に変更、
台車はボルスタレス、と足回りは当時最新の桜通線6000形とほぼ同じ仕様となっています。

3050系が登場した1993年はといいますと、
鶴舞線が上小田井まで延伸開業し名鉄犬山線と相互直通運転を始めた年ということになります。
これを機に鶴舞線は輸送力を増強することになり,編成を4連から6連へと変更することになりました。
よって3050系は最初から6連固定(3M3T)でデビューしています。

さて既存の4連についても、すべて4連から6連へと変更することになりました。
名鉄では100系4連に中間車2連を新造しこれを増結することで6連化したのに対し、
名古屋交通局では3000系4連に新造の中間車を増結するのではなく、編成組み替えで対応することにしました。
しかしながら,3000系の在籍数は92両(4連×23編成=92両)です。
これを6連に組み替えると…、6連×15編成=90両となり,2両が余剰となってしまいます。
交通局ではこの余剰の2両を新製投入した3050系4連に中間車として組み入れることにしたのです。
これが鶴舞線3159編成です。
外見や内装などのみならず制御システムに至るまで,異なった車両同士が常時固定編成を組むという珍しい編成です。

ここで異種混結のお相手となる3000系についてお話しします。
3000系は,1977年の鶴舞線開業時に投入された車両です。
名古屋市営地下鉄初の冷房車で,車体側面のコルゲード板が特徴のセミステンレスの軽量車体です.
名鉄との相互直通運転を予定していたのため,車両構造や仕様については計画段階から名鉄と協議を行い,
車体寸法や性能などを統一した仕様となっています。
軌間は1,067mmですが車体長は20mの大型車両です。
集電方式は第3軌条の東山線や名城線とは異なる架空線式(直流1500V)となりました。
車両の全てが電動車となる強力な編成で登場しました。
営団地下鉄ふうに100の位が号車を表す形式を割り当てました。
3000形は将来の8連をとなることも考慮したようで、上小田井側は3800形となります。
前述したように1993年の名鉄犬山線との相互直通運転を機に4連から6連へと変更することにしたのですが、
3000形では3100,3200(Mc1-M2)と3700,3800(M1-Mc2)のユニットにバラし中間車として組み込むことにしました。
なお改番はしていません。
すなわち3000形は4両組成で登場し,その後中間車の製造も行われなかったため,3100,3200と3700,3800しか存在しないことになります。
もともとその意をなしてはいませんでしたが、号車を100の位で表すという野望ははかなく潰え去ったのです。

ところで、なぜ3000系では中間車を新製するのではなく、編成組み替えで対応することにしたのでしょう。
中間車2両を新造し旧編成に組み込むことにした名鉄100系とは車両構造や仕様について車体寸法のみならず、
性能なども統一した仕様となっているわけです。
事業者の考え方が違うのだと言い切ってしまうと話が進まないので、もう少しこだわってみてゆくことにしましょう。

まず3000形が増備されてゆく経緯をみてみます。
1977年の伏見〜八事間部分開業のために1次車36両(4連×9本)を製造して以降,
1978年八事〜赤池間延伸用16両(4連×4本),
1981年浄心〜伏見間延伸用16両(4連×4本),
1984年庄内緑地公園〜浄心延伸用に24両(4連×6本)と,
7年間で合計で4連×23本=92両が製作されました。
折に触れて追加投入されているわけですが、基本的に制御システムに変更はありません。

対して、名鉄100形は−−−といいますと
1977年の鶴舞線(伏見〜八事開業時)は名鉄線とは繋がっていません。
1978年、名鉄豊田新線と繋がった八事〜赤池間延伸時に1次車8両(4連×2)が製造されたのが最初です。そして
1979年に2次車8両(4連×2)が追加されてからは、どういうわけか
1981年の浄心〜伏見間延伸時も1984年庄内緑地公園〜浄心延伸時も追加投入されてはいないのです。つまり
1988年に3次車4両(4連×1)を追加するまで10年近く増備されていないことになります。

1979年から1988年の9年間はといいますと、国鉄がJR化される時期に重なってきますが、
折しも電車の性能が劇的に進歩した時機ともなります。
抵抗制御車であった100系が9年の空白を経て増備された時、3次形は界磁添加励磁制御となりました。
そして1991年、犬山線との相互直通をにらんで追加された4次車16両(4連×4)もまた界磁添加励磁制御です。
そして1993年に5次車20両が追加増備されるのですが、これはVVVFインバータ制御となりました。
この2年の間にまた制御システムが変更されているのです。
結果、100系では抵抗制御の1.2次車にはじまって、
界磁添加励磁制御(3〜4次車)そしてVVVFインバータ制御(5次車以降)と3通りの制御方式が混在することになります。

本来ならそれぞれ別系列にしても良さそうなものですが、
5次車は6連体制へと編成組み替えが行うべく新造された中間車ユニット(2連×10)です。
VVVFインバータ制御である5次車は、抵抗制御の1.2次車にも界磁添加励磁制御の3、4次車にも組み込めて
同じく所定の性能を発揮できるよう造られたものです。
ですから、まとめて100系でいいのです。

異種混結というのは、運転手さんはもちろん、保守に携わる方々にとって出来れば避けたい事象です。
しかし、VVVFインバータ制御というのは、異種混結のデメリットを抑え、交流モータの使用によるメリットを享受できる優れものなのです。
名鉄さんは無茶をしているわけではありません。

3000形に話を戻しましょう。
余剰となってしまった界磁添加励磁制御の3000形2両ですが、
これを新製投入したVVVFインバータ制御の3050系4連に中間車として組み入れることで無駄にすることなく有効利用できます。
そしてこのことは決して出来ない相談ではないのです。
旧型編成に新型中間車を新製するのと、新型編成に旧型中間車を組み込むのとは全く逆のことのように思えますが、
実は異種混結であるということで同じことです。
異種混結は、目の前で名鉄さんがやっているのです。
これを名古屋市交通局が無視できるわけはありません。
ブレーキシステムの違いもあったのですが、特殊な変換装置を装備、59Fの中間車として3000形は再デビューすることになるのです。



参考文献:鉄道ピクトリアル 特集「名古屋市営地下鉄」 1999年.12月 No673 の記事

J鉄局 トップページへ  鉄道写真管理局 (JR/JNR)へ (私鉄/都市鉄道編)へ 鉄道車両写真集INDEX 
 鉄道切符管理局 
ローカル線切符紀行へ  リンク集へ   鉄道資料室へ
JS3VXWのHPです