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2014/12/31 UP |
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J鉄局TOP>珍車ギャラリー>名古屋市営地下鉄7000系 上飯田線用 −
−外見は名古屋地下鉄、中身は名鉄? 名古屋市交通局 7000系 上飯田線用−
名古屋市営地下鉄7000系は 2003年3月に開業した上飯田線用の車両として4連×2=8両が導入されました。 さて上飯田線は、名古屋市北区の上飯田駅から平安通駅までを結ぶ路線ですが、 わずか0.8kmしかなく、日本で距離が最も短い地下鉄路線でもあります。 なぜこんな路線ができたのでしょう。 まずはそこからお話しします。 上飯田駅は名鉄小牧線(上飯田−犬山間20.6km)のターミナルです。 しかし、ターミナルというには上飯田駅は市内の中心部からは離れており不便な立地です。 小牧線は名鉄の前身である名岐鉄道が1931年に城北線として開通させたもので、 計画では上飯田から大曽根まで路線を延ばす計画があったようですが、計画は頓挫し、 名古屋市電御成通線が1944年に上飯田まで開業するに及んで結果的にターミナルとなったといういきさつがあります。 ですから名古屋市の中心部へは上飯田駅で名古屋市電御成通線に乗り換えればよかったのですが、 1971年に御成通線が廃止されると上飯田駅はバスが接続するだけとなり、 多くの乗客は、地下鉄名城線平安通駅まで歩くことになってしまいました。 私が上飯田に初めて降り立ったのは、2000年8月。 バスに乗り換えようとも何一つ案内らしきものはありませんでした。どうすればよいかわからず、結局、平安通まで歩くことにしました。 800mとはいえ炎天下の徒歩10分はコタえたのを覚えています。 この乗り換えの不便さが嫌われて、小牧線の乗客数は伸び悩み、ローカル線然とした運行形態が続くことになるのです。 この状態を解消するために、建設されたのが上飯田線です。 上飯田駅 - 平安通駅間は地下新線で整備されることとなりました。 800mですめばよいのですが、そうはいきません。 上飯田駅のすぐ北には矢田川、そして庄内川があります。 その北側に位置する味鋺駅近くまで地下路線とすることになりました。 併せて3kmほどです。 膨れあがった建設費を何とかするために、 愛知県、名古屋市、小牧線沿線自治体及び名古屋鉄道などが出資する第三セクター上飯田連絡線株式会社が立ち上げられました。 同社により当線は建設され、2003年3月に開業しました。 (なお、この地下区間は、現在も同社が保有、すなわち第三種鉄道事業者となっています。) 地下鉄上飯田線(上飯田 - 平安通)は名鉄小牧線(上飯田 - 犬山)と相互直通運転を行うことになり、 これによって名鉄小牧線と名古屋市営地下鉄名城線との連絡が可能となり、小牧線沿線は、劇的に便利になりました。 さて、そんな路線用に投入されたのが、名鉄300系であり、名古屋市営地下鉄7000系です。 名鉄は300系を4連×8本=32両を、名古屋市営地下鉄は7000系を4連×2本=8両を同じ日本車輌製造に発注します。 名鉄300系が日車製のブロック工法であるのに対して、 名古屋市営地下鉄7000系は同じく日車製ステンレス車体ではあっても従来工法により建造したため、外観のイメージが大きく異なります。 しかし、7000系は乗り入れ先である名鉄小牧線用300系と仕様を合わせることになります。 ですから、名古屋市営地下鉄にとっては、たった1駅間のみを結ぶ路線ではあるのですが、 地下鉄車両としては珍しい転換クロスシートを採用することになりました。 (もっとも、今は小田急のロマンスカーであるMSE60000系が地下鉄千代田線に入線します。 地下路線であれば、古くは阪急の2800系も京都市内の地下区間に乗り入れていました。 しかし、地下鉄事業者が保有しているクロスシート車はやはり珍しいと申せましょう。) シートだけではありません。足回りなども共通化しています。(VVVFインバータ制御 IGBT) 運転台も名古屋市営地下鉄の車両としては初めてワンハンドルとなりました。 もちろん名鉄の車両と同じ右手操作型です。 ちなみに7000系は名古屋市交通局日進工場の配置となっていますが、普段は犬山にある名鉄の車両基地に留置され、 検査も日進工場ではなく、名鉄の舞木検査場で実施されたそうです。 それならば、名古屋市交通局は名鉄300系をそのまま7000系にしても良さそうなものですね。 ちょうど芝山鉄道3600形が京成の3618Fの帯色を変え社名貼り付けを行ったように。 しかしそうはなりませんでした。 7000系の方が後から、登場しているため300系のOEMであるかのように見えますが、 私には名古屋市交通局のほうが共同設計に積極的だったのではないかと思われます。 事実、参考文献である鉄道車両年鑑をみても名古屋市交通局の関係者による7000系の記述は気合いが入っています。 具体的にはまず保安装置です。 小牧線(地上部分)のATSは名鉄の従来型ですが、地下新線では車内信号式ATCが導入されました。 そしてホームゲート車上制御装置も導入されています。これは名古屋市営地下鉄では初めての試みです。 上飯田線はワンマン運転なのですが、これを支援すべくホームの映像を車載のモニターに伝送する対列車映像伝送装置も搭載しました。 これらの取り組みは、2004年の東山線のCS-ATC化。2011年の桜通線のホームゲート設置に活かされているに違いありません。 日本で最短の地下鉄路線である上飯田線に投入された7000系は21世紀の名古屋市営地下鉄をうらなう存在だったともいえるのではないでしょうか。 参考文献 鉄道ピクトリアル 「鉄道車両年鑑 2003年版」 2003年10月号 No738 |
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