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  能勢電鉄 6000系 6002F  
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能勢電鉄 6000系 6002F   撮影日;2014年8月 十三駅

2014年8月。阪急6000系の1編成が能勢電鉄に譲渡されました。
6002F、8両の固定編成です。
2014年現在、能勢電鉄に在籍する車両は、すべて阪急のお古ですが、そのほとんどが4連(一部2連)です。
8連で運行する列車は、平日、朝夕に運転される「日生エクスプレス」しかありません。
つまり、6002Fは「日生エクスプレス」専用ということですね。
4連を2編成、導入するというのなら昼間でも使えるわけですが、6002Fは8連。
昼間は、能勢電ではお仕事がないということになります。

これは一体どうしたことでしょう。

まず特急「日生エクスプレス」とはどんな列車なのか。みてゆきましょう。

「日生エクスプレス」は、阪急 梅田駅 - 能勢電 日生中央駅間を結ぶ、平日のラッシュ時間帯に運転されている直通の特急列車です。

兵庫県川西市・川辺郡猪名川町にまたがる阪急日生ニュータウンに在住する通勤客のために誕生したのです。
(日生はデベロパーである日本生命保険相互会社の略称。)

日生ニュータウンは1970年から造成を開始し、1975年には入居が始まりました。
そして1978年に能勢電鉄日生線(山下−日生中央間)が開通することになります。
特急「日生エクスプレス」が運行を開始したのは1997年11月。
街が成熟するのを受けてスタートしたわけですね。
宝塚線は阪急きっての通勤路線です。
ラッシュ時には8両編成以上の列車がひっきりなしに走っているわけですから、4連では、お話になりません。
能勢電の車両ではまかなえず、阪急の8000系8連が充当され1日6本(上下3本づつ)の運行でスタートすることになりました。
朝のラッシュ時には上り(日生中央駅 → 梅田駅)のみ、
夕のラッシュ時には下り(梅田駅 → 日生中央駅)のみが運行され、それらは基本的に8両編成で運転されるのですが、
それでは足りず、朝の上り7本のうち5本は川西能勢口駅で梅田方に2連を増結し、阪急最大の10両編成となり梅田へ向かいます。

そして、2003年8月には、1日14本(上下7本づつ)に増強されることになりました。
その際、使用車両に追加されたのが6000系です。
直通運転を行う車両は、何でもいいというわけにはゆきません。
乗り入れ先との協定によって車両は限定され、列車の保安設備(ATS・ATC等)や列車無線などの設備も重複して搭載しなければなりません。
直通車両は阪急用の列車無線アンテナのほかに能勢電用の列車無線アンテナも装備しており、これがいい目印になっています。
阪急電鉄8000系 8104    撮影;2008.12 絹延橋駅

さて現在、「日生エクスプレス」充当される編成は、阪急宝塚線用の8000系8連で8004F・8005F・8006F・8007F(梅田行きの増結車は除く)の4編成。
それに2003年8月以降追加された6000系の8連が加わり6002F・6005F・6006F・6011F・6012Fと以上が直通用編成となります。

そのうち、今回、能勢電6000系となったのが6002Fというわけですね。

まあ、これで片乗り入れから相互乗り入れになったというわけですが、
能勢電6000系は阪急宝塚線8両編成と共通運用であることに変わりはありません。
また6002Fのみしかないため、「日生エクスプレス」に充当されないことも多いのです。
むしろ阪急宝塚線のほうで多く見られ、箕面線でもその姿を見る場合があります。

ちなみに、譲渡後も平野車庫ではなく、原則、阪急平井車庫に常駐しますから、
6002Fは能勢電の車両でありながら、自社線には、あまり姿を見せない不思議な電車なのです。

なぜ、このようなことが行われるようになったのでしょう。
次に相互乗り入れについてみてゆきます。

相互乗り入れをしている鉄道会社は、自社線内を他社の車両が走る場合について
「他社の電車をお借りして営業する」という扱いになります。
また自社の車両が他社に直通した場合は
「乗り入れ先の会社に車両を貸し出した」として扱います。
つまり相互乗り入れをしている鉄道会社は、常にお互いの車両をレンタルしあっているというわけですね。
このレンタル料については当然、精算が行われます。
そうしないと、路線距離が長く、運行頻度の高い会社のほうが相手の会社の電車をたくさん使うわけで、これじゃあ不公平ですからね。
しかし、毎日のように行われている相互乗り入れで、いちいち細かい精算をするのは面倒です。
そこで、−お互いの走行距離を同じにする−ということにしたのです。

お互いの数値を一致させようというときに、その走行距離の調整を見込んで車両の運用を設定する必要があります。
その結果、乗り入れ先だけを往復する運用があったり、
通常の乗り入れ先の区間より長い距離を走ったりする運用が存在することもあります。

先日、東北本線を在来線で旅したのですが、北上から乗った電車は、IGRいわて銀河鉄道の車両でした。
行き先は盛岡。つまりJR東日本区間でのみ運行する列車です。

こんな列車が存在するのは数値あわせのためなのですね。

さて、「日生エクスプレス」用編成は9編成。うち能勢電は1編成です。
将来増えることもあるかもしれませんが、数値あわせのため、6002Fは、精々阪急線内で昼間もがんばる必要がありそうです。

阪急電鉄6000系 6102    撮影;2013.7 絹延橋駅





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