![]() |
![]() |
2007.1.21UP | ||||||||||||||||||||||||||||||||
![]()
ほぼ同仕様の普通ドアー車と較べると2tほど重い。 開口部が大きい分、車体が強化されているからです。 ----1752 小田原駅 2005.8 小田急 1000系ワイドドアー車東京への一極集中は、バブル景気とともに土地の高騰を招き、都心を追われた人々は郊外から都心へと通わざるを得なくなってゆきました。 また折からの好景気にも後押しされて鉄道の利用者もこの時ピークを迎えていたといっていいでしょう。 そんなバブル景気の末期に、小田急1000系ワイドドアー車は登場しました。 当時、 列車の遅れが、混雑に拍車をかけ、そのことがまた列車の遅れを増大させるという悪循環が当たり前のようになっていました。 鉄道各社は、輸送力のアップをしてこれを解決しようとするのですが、新線や複々線化は土地の高騰でままならない、 一方で、200%という混雑率を目の前にこれをなんとかせねばと頭を悩ませていたのです。 そこで、とりあえず列車の遅れの原因である停車時間を削減するにはどうすればよいかということを考えました。 方法は2つありました。一つはドアの数を増やす方法です。 JR東日本は、平成2年に205系の6ドア車 サハ204-901を試作し、 京王帝都は、翌平成3年に6000系の5ドア車を登場させました。 もう一つは、ドアそのものを拡大する方法です。 小田急1000系ワイドドアー車がそれです。1.3mだった間口を一気に2.0mにまで拡大しました。 翌年には営団地下鉄の05系が1.8mの拡幅でこれに追随します。 扉の数を増やせば、乗車位置に違いが生じ整列乗車の意味がなくなってしまいます。 ワイドドアーにしても駅員の案内どおり4列で並んでくれたかどうか…。 座席の数も当然減り、乗客にとってもメリットの少ないのがこれらの車両といえるでしょう。 でも彼らが、稼いでくれた数秒の停車時間減。これこそが、定時運行の切り札という時代があったのです。 その後バブルが崩壊し、乗客もわずかですが減少に転じました。 また一方で、輸送力の増強もすすみ、殺人的なラッシュは、かなり改善されつつあります。 いわば対処療法的に製造された彼らは、幸か不幸か、その特性を活かす場がなくなり、 京王帝都の6000形はその半分が4ドアに改造されました。 そして小田急1000系ワイドドアー車も平成10年。引き戸幅を1.6mにし、座席定員の増加をはかっています。 そんなわけで車内から見れば、すっきり開ききるドアが、外からはワイドドアーのまま、20cmずつ左右に引きしろが残るという 不思議な構造になっています。 改造前の写真も持っていますが、今回は改造後のものをUPしています。外観は変わらないということでお許しを。 ![]() ![]() ---デニ1001 83.5 小田原駅 -------日立電鉄 モハ1008 87.12 久慈浜- さて2mというワイドなドアーを持つのは、後にも先にもこれしかいないと言いたい所なんですが、 昭和35年に、それもこの小田急に2mドアの電車が存在していたのです。 デニ1000形です。(写真左上) 昭和2年小田急開通当時に、荷物電車として製造されたモニ1形をルーツとする車両ですが、 昭和35年に旧1500形の車体を利用するカタチで改造されたものです。 当時は郵便室もありデユニ1000形と称していましたが、昭和46年に郵便室を撤去、 デニ1000形として最後はデニ1300形とともに経堂−小田原間の配送列車に使われていました。 片開きドアを2枚分使ったこのドアが自動で開くとは思えませんが、 1000系ワイドドアー車と同じ2m幅であることに因縁浅からぬものを感じます。 残念ながら昭和59年7月に廃止されてしまいましたが、 もし平成3年当時まで残っていたならこのドアでもって実車試験(シュミレーション)されたかもしれません。 ここでもう一つ興味深い車両をご紹介しましょう。今はなき、日立電鉄の1008です。(写真右上) 日立電鉄の1000形は3つのグループに分かれていますが、 ご紹介する1007〜09は昭和54年、相模鉄道から転籍してきたグループです。 とはいえ、もともと小田急の旧モハ1形であるデハ1150形を相鉄時代に荷物電車に改造したもので 前述のデニ1000形と同様、片開きドアを2枚分使った両開きドアが付いています。 日立電鉄では、旅客用として用いたため、 元旅客用であった荷物電車を再度、旅客用として再生するというもの凄い経歴を持つ珍車です。 さて、この中央部のワイドドアーが、日立電鉄で大活躍したのかといえば、さにあらず、 片側は固定され、3ドア片開きドア車として用いられていました。 過ぎたるは及ばざるがごとし、結局は使いやすいサイズに落ちついてゆくものなのですね。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||