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2012/07/27 UP | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
J鉄局TOP>珍車ギャラリー>小田急2600系 VVVF搭載車
小田急2600系 VVVF搭載車 −最新のハイテクで生まれ変わったはずなのに…−小田急2600形は、1964年、輸送力増強のために登場した20m級の大型車両です。 車体幅を2,900mmまで拡げたスタイルが特色で、 これが以後、 小田急における大型通勤車両のスタンダードとなりました。 モータは三菱製のMB-3095-AC型(130kW)を採用。 主制御器は同じく三菱製のABFM-176-15MRH型です。 MT比を1:1としたため、 6連では電動車は3両(モータの数は12個)ということになりますが、 6個のモータの制御を行う制御器を2セット装備するという ユニークな3Mユニット方式(1C6M)を採用しています。 つまり、B号車となるデハ2700の 新宿側の台車(モータ)は 新宿側A号車のデハ2600の制御装置から、 小田原側の台車(モータ)は 小田原側C号車のデハ2800の制御装置から それぞれ制御されるということです。 ブレーキはHSC-R形。 小田急では初となる電力回生ブレーキを採用しました。 2600形は2400形(HE車)の経済性を継承して "New High Economcal car" 「NHE」と呼ばれます。 1964年の登場当時は、5両固定編成でしたが、 後に中間車1両が増結されて6両固定編成となり、 1968年までに合計132両が製造されました。 1972年から1981年にかけて冷房化改造がなされました。 CU-12系分散式冷房装置を搭載しています。 主に各駅停車や準急に単独6両編成で使用された2600形でしたが、 1983年3月より他形式と相互連結されるようになり、 1993年からは、その一部が8両固定編成化されることになりました。 その変遷を表に示しましたのでご覧ください。
車両番号については、それまでの形式では各形式ごとに連番となっていましたが、 2600形NHE車からは同一形式でも編成中での連結位置によって番号をあわせ、 末尾の数字が編成の中で揃う方式としました。 そのため改番を伴う車両入替となり、非常に複雑なものとなっています。 要は6連2本を8連1本にまとめなおすということですが、 前述したように3両ユニットとなるM車をバラすわけにはゆかず、 Tc_MMM_MMM_Tc という6M2Tの編成が登場することになりました。 結果、Tc車とT車があぶれてしまったのです。 特にT車は、5両編成を6両編成に増強する際に作られたわけですから、 2600系のなかでは新しいのです。そのまま廃車するのはもったいないですね。 またT車は将来電装化することも考慮された造りになっていたので 1995年。小田急電鉄はこれら余剰となるT車4両を電装し、 新たに8両固定編成を組成することにしたのです。 この表において、緑の字体で示したのがそうです。 1995年ともなればインバータ制御が主流となっていました。 今回の改造に当たっては、 VVVFインバータ制御となる2000形と同タイプのVVVF制御装置 (IGBT素子3レベル方式:三菱製MAP-178-15V50形)を使用することになったのです。 旧型となる抵抗制御車など系列にVVVFインバータ制御搭載車があるという場合、 VVVFインバータ制御試作車であることが多いのですね。 小田急2600形についても、 1986年。2662×6のサハ2762にVVVFインバータ制御装置を装備した という例があるのですが、この場合は違います。 なお、MAP-178-15V50形インバータ制御器は、 1台でモータ4個を制御する (1C4M) ユニットを2群、装置の中に収めています。 つまり2M(MM’)ユニットを構成していることになります。 この点もオリジナルの2600系NHE車とは大きく違う点です。 ただ、ブレーキは他のNHE車と同様のHSC-R形のままです。 また台車はTS-818Aに換装されましたが一部のパーツはFS360Aから流用しています。 さて2000年度からNHE車の淘汰が開始されました。 最初に廃車となったのはこのVVVF改造車の8連です。 私は、「えー!?」と思いました。 前述したように車体も程度問題ですが新しいのです。 それになにより最新の足回りでリニューアルしたわけです。 いったいどうして? そこで、私はもう一度2600系VVVF編成と、新2000形のスペックを見直してみました。 制御器の形式もモータも(三菱製MB-5061-A形)一緒です。 ともに出力は175kW。歯車比も全く同じの7.07となっています。 しかし、2600形に新2000形と同じ性能を期待することは出来ません。 軽量ステンレスの車体を持つ2000形は、ドアの開口幅も広く、ラッシュ時でも スムーズに乗客をさばけますが、スチール製の2600形ではその遅れを取り戻すにも 一苦労ということになるでしょう。 一方8連化された抵抗制御編成の2600形は、モータの出力こそ130kwと 170kwモータのVVVF制御編成に及びませんが、6M2Tの強力編成です。 総出力で比較すると、130×4×6=3120 対 175×4×4=2800で 1割方力負けしています。 まして1編成しかないわけです。 VVVF編成に乗務することになった運転手さんにしてみれば、 ジョーカーをひいたような思いをされていたのかも知れません。 最新のデバイスは、最新の車体でもってこそ その能力を遺憾なく発揮すると言うことなのでしょうか…。 結局、モータと・主制御器については2054×8に転用されていくことになるのです。 参考文献 新車年鑑 1995年版 鉄道ピクトリアル No612 1995.10 私鉄の車両2 小田急電鉄 保育社 1985年
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