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2008.6.15UP | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
J鉄局TOP>珍車ギャラリー>相模鉄道 2100系
最もBRUSH UPされたツリカケ電車 相模鉄道 2100系相模鉄道2100系は、S45年、2000系の主要機器を再利用して製造されたアルミカーです。とまあ簡単に申し上げましたが、 ![]() 相模鉄道の2000系(写真右 モニ2005)といえば、旧型国電がベースであり、 とても一口では言えないほど複雑な経歴をもつ車両たちばかりです。 元木造国電だったもの、戦災で傷つきながらも復旧したもの、 そして青梅電気鉄道から引き継いだ買収国電…etc。 部品一つとってみても、千差万別。 再利用とは言っても、これまた一筋縄ではいかなかったのでは、と想像されるのです。 2100系が、製造されたのはS45。 相模鉄道には6000系という、完成された新性能車が量産されていました。 (S36からS48にかけて量産) もちろん普通鋼製ですが、6021号はアルミカーとして試作されており(S42)、 次世代の車両はアルミ製の新性能車というのが、自然な流れでしょう。 アルミ製の新性能車である7000系がS50からつくられました。 でも、この7000系に先駆けて、2100系が30両も製造されているのです。 なぜ、戦前のメカであるツリカケ駆動をここで復活させなければならなかったのでしょうか。 相模鉄道は、神奈川県内限定の私鉄で、これといった観光地や、横浜市に肩を並べるような都市を結ぶわけでもなく 私のような関西人にとっては、印象が薄い鉄道会社です。 しかし、実際に相鉄横浜駅に行ってみて、多種多様な電車がひっきりなしに、それもおおむね10両編成でやってくるその光景をみれば、 「どうして、相模鉄道が大手の私鉄に入っているんだ。」 と、異議を唱える気が失せてゆくに違いありません。 私が初めて、相模鉄道を訪れた40年前もそうでした。 ところが、もう20年前、すなわち終戦直後の相模鉄道といえば、砂利の輸送がメインの貨物鉄道で、 S24年度の旅客輸送人員は、富山地方鉄道の半分にも満たないものだったのです。 それが、2100系が登場する前年には、つまり20年間で富山地方鉄道の6倍もの旅客輸送をするに至っています。 何という急成長でしょう。以後も順調に業績を伸ばしてきました。 首都圏への爆発的な人口集中と高度経済成長が相模鉄道を大手の私鉄に押し上げたわけですが、 その需要に応えるだけの努力を惜しまなかったからこそ、現在の相模鉄道があるのです。 2000系は、そんな急成長を支えて走り続けてきましたが、 更新の時期を迎え、17m級の小型車では追いつかないと引退を迫られることになりました。 一部は伊豆箱根鉄道などに引き取られ、昔ながらの姿で活躍することになりましたが、 そのほかの車両については、その主要機器を再利用することになったのです。 右肩上がりの業績なんだから、あっさり新車を作っても良さそうなもんですが、 高規格の新線「いずみ野線」開業に向け、多額の資金が必要という状況になっていました。 また、アルミは、高価な素材です。 旧式ではあってもまだまだ使える堅牢な機器を再利用しない手はないということになったのです。 もっとも、そのまんま使うなんてことはしていません。 台車は戦前形旧型国電の基本形ともいうべきDT-10形ですが、 マクラバネをオイルダンパー付きコイルバネに取り替え、乗り心地を改善しました。 制御装置には、弱め界磁を付加しました。 またブレーキもHSC化し、電動発電機(MG)にかえ、静止形インバータ(SIV)を採用しました。 そして、なんと3次形以降の車輌には、冷房装置まで取り付けたのです。 こんな豪華なツリカケ電車は、他には見られません。 6年後、さすがに性能的に見劣りがするツリカケ電車2100系は、その足回りを一新することになりました。 見た目も性能も、ほぼ7000系と同じになってしまいましたが、2000系由来の番号は引き継がれました。 残念ながら私はツリカケ電車時代を含め2100系には乗車できませんでしたが、 直角カルダン駆動の2100系を撮影することができました。 こんな近代的な車両がツリカケサウンドで走っていたなんて… 2100系は、2004年3月にその姿を消しました。
参考文献;私鉄の車両「相模鉄道」1986.9 No20 鉄道ピクトリアル 「特集 相模鉄道」1976.5 No320 |
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