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2012/09/17 UP | |||||||||||||
J鉄局TOP>珍車ギャラリー>豊橋鉄道 7300系
−−新性能車を追い出した旧性能車。−− 豊橋鉄道 7300系 (もと名鉄7300系)渥美線と名鉄豊橋鉄道渥美線は、渥美電鉄が1924年に開業した路線で当初から電化路線で、概ね現在の姿となったのは新豊橋駅まで延伸された1927年ということになるでしょう。 1940年には名古屋鉄道に合併され名鉄渥美線となりました。 現在の豊橋鉄道渥美線になったのは1954年。 名古屋鉄道が渥美線を東田本線(市内線)を経営する豊橋鉄道に譲渡したときからです。 ですから、豊橋鉄道渥美線として、もう60年近い歴史を経てきていることになります。 使用してきた車両については、そのほとんどが転籍車両ですが、 特に名鉄にこだわることなく様々な電車が使用され、撮影してても本当に興味深いものでした。 さて、そんな豊橋鉄道渥美線が、名鉄車両一色に染まってしまった時期がありました。 そして、その時の車両はというと、これが名鉄7300系なのです。 車体の色には、多少変化が見られましたが、番号も変わらず、車体自体はそのまんまというわけで、 ちょっとがっかりした記憶があります。 名鉄7300系とはいえ名鉄7300系自体は、決して悪い車ではありません。どのような車両なのかというと… 足回りこそ旧型車である3800系(800形からも1両)の機器を流用してはいますが、 7000系パノラマカー(7次車)と同等の車体を組み合わせた車両です。 1971年にデビューしました。(2連×9本(18両)と4連×3本(12両)の計30両) 台車は当初3800系から引き継いだ日車D-18形でしたが、 1978年には、住友FS-36形に変更され乗り心地もぐっとUPしています。 名鉄では座席指定特急にも使用され、 空調完備・固定窓のオールクロスシート車である7300系はミュージックホーンを響かせながら 名鉄各線で颯爽と駆け回っていた豪華車両だったのです。 しかし、これほどの設備を持ちながら吊り掛け駆動というのも凄いですね。 昇圧前のエース 1900系さて1997年4月に名鉄での営業運転を終了した7300系でしたが、、そのほとんどが、豊橋鉄道に譲渡(28両)されることになったのです。 (2連×10本(20両)と4連×2本(8両)の計28両) ところで、7300系の導入当時、豊橋鉄道渥美線には、どのような車両がいたのでしょう。 西武のモハ200形であった1700系や、東急の初代3000系である1730系など、 旧型電車も健在でしたが、主力は1900系で、在籍車両の半数にあたる12両が活躍していました。 この1900系もなかなかの珍車です。 豊橋鉄道には1986年から89年にかけて導入されました。 もと名鉄モ5200形の車体に、 名鉄3880系の主制御器(日立MMC)と 国鉄101系・111系のDT21台車やMT46主電動機を組み合わせたもので、 カルダン駆動の新性能車です。 しかし、豊鉄初の冷房車でもあるエース1900系を 10年ほどで、追いやってしまうことになるのが、7300系ということになるのです。 前述したように名鉄7300系は新性能車ではありません。 つまり「カルダン車(1900系)を吊り掛け車(7300系)へ置き換えた」 ということになります。 なぜこのようなことになったのでしょう。 それは、豊橋鉄道が1997年に架線電圧を600Vから1500Vに昇圧し、 列車の増発と高速化に加え100% 冷房化を図ったためです。 タイミングよく名鉄に大量廃車となる1500V車があったことも後押しになったのではないでしょうか。 短命だった 豊鉄7300系しかしながら、7300系は2ドア車片開きであったことから停車時の昇降に時間がかかり、単線でありながら高頻度の列車をネットダイヤで捌く渥美線には向いていませんでした。 せっかくの高速化も駅の数が多い渥美線では効果は乏しく、むしろ加速性能こそが、望まれるところでしたが、 ギヤ比の変更すらなされなかった特急仕様の7300系にそれは望めないところでした。 結果、僅か3年で豊橋鉄道は7300系の使用をとりやめ。 2000年から2年かけて、その全てを 3ドアの通勤用車両である東急7200系(豊鉄1800系)に置き換えることになりました。 そして2002年3月。最後まで残った7304F(初代なのはな号)も引退、 その姿を消すことになったのです。 妻の実家が浜松にあることから、伊勢湾フェリー経由、渥美半島周りのルートで何回か渥美線を利用しました。 やっぱり7300系が一番よかったなあー。 キヤ比を変えるくらいのことをして、昼間時には7300系を残すことはできなかったのか。 とも思うのですが、沿線の景色は変化に乏しく、観光の需要もさほど見込めない渥美線では、仕方のないことなのかもしれません。 参考文献 鉄道ピクトリアル 新車年鑑 1998年版 No660
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