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  山万 ユーカリが丘線 1000系 こあら3号編成    2009/09/12UP
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山万 1000系 こあら3号編成  

山万ユーカリが丘線
こあら号 編成表 
1100-1300-1200
 Mc  T   Mc

−鉄道車両写真集−
山万ユーカリが丘線 1000系  
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山万 1000系 こあら3号編成            女子大駅 2009.3.

山万ユーカリが丘線 1000系  −異次元ゾーンのこあら達−

ユーカリが丘の人々にとって、こあら号編成は珍しいものでも何でもありません。
なにせ、1982年の開業(全線開業は翌年9月)以来、
四半世紀以上ずっと走り続けてきたのは、
この”こあら号たち”3編成で、これが全てです。
当然のごとく、ユーカリが丘にさえ来ればいつでも撮影できます。
そう思って、ずーっとほったらかしにしていました。
ところが、同じくニュータウンの足として作られた桃花台新交通が、
開業15年(91.3〜06.10)にして廃止されてしまいました。
新交通システムだからといって安心してはいられない状況です。
まあユーカリが丘線については、廃線の噂こそ聞きませんが、
こあら号編成自体は、全部で9両。
新たに車両を導入するなら、一気に更新されるに違いありません。
ようやく、重い腰をあげて撮影に向かったのが2009年春のことでした。

さて、行ってみてわかったのですが、
山万ユーカリが丘線は、他のいわゆる新交通システムとは違う、
全く異質のものです。
まず、ホームドアがありません。車両のサイズは新交通システムのサイズといっていいのですが、運転手さんがいます。
自動運転ではありません。
そして驚くべき事にクーラーが付いていないのです。
全線乗ってもわずか4.1kmです。一部ループ状になっているので、実際には全線通しで乗ることは考えられませんから、
乗車時間はたかがしれています。
それでいいということなのでしょうか。
一度夏にも乗ってみたいものです。
ところが一方、わずかな距離なのに、景色は変化に富んでいます。
トンネルもあります。また新交通システムとは思えないのどかな田園風景が…。
開業当初ならまだしも、まだこのような景色を目にするとは想像もしませんでした。

車庫がある女子大駅で下車します。
こういっては何ですが、流行ってない遊園地の遊覧鉄道から下車したっていう感じです。
下車したのは通勤時間も過ぎ去った9時過ぎでしたが、本当に乗客は少なく、女子大駅で下車したのは私だけでした。
無人の改札口(自動改札)から出ても、駅前という感じはしません。
突然道路脇に放り出されたという感じです。
「ずばり女子大!というのも凄い駅名だなあ。なんていう女子大なんだろう?」と思って、駅前をうろうろしても、わかりません。
なにか異次元ゾーンに降り立ったようでした。

そうだ、車庫です。駅のすぐ横にあります。
誰もいらっしゃらないような様子でしたが、誰かに断るまでもなく、外からキレイに形式写真が撮れました。

画像をご覧ください。
流線型でいかにも近未来の車両をイメージしているかに見えますが、
失礼ながら、このフォルムから思い起こされたのは、昭和10年代当初に流行した あの”流線型”です。
たとえば、そう…阪神国道線の金魚鉢こと200形。あるいは国鉄の流電クモハ52。etc
そしてとりわけ、足回りを隠すスカートは…名鉄のイモムシこと3400形を思い起こさせます。

あれっ?ところでなぜ、足回りにスカートなんてものがあるんだ。
普通、新交通システムの車両なら、ここに舵取り用の案内輪があり、集電用の集電靴が並んでいるはずです。

実は、山万1000系の舵取り用案内輪は、軌道の外壁に沿う2対の案内レールに押しつけられるのではなく、
軌道内中央に据えられた1本の案内レールにむけて設置されているのです。集電靴も中央にあります。
考えてみればこの方がシンプルだし、軌道も安価に設置できるはずです。
なぜ、いわゆる新交通システムは、この構造をとらなかったのでしょう。
新交通システムの多くは、公営または、第3セクターです。財政が豊かだった時代だから、
建設費にお金がかかってもなんとかなったというわけだったのでしょうか。

鉄道事業者である山万の本業は不動産業です。
住宅購入は高価な買い物だけに、信用が何より一番です。
公共交通を預かる事業者であることをして、信用を得、新たな路線を建設することで、
土地の価値を高めるというという戦略をとられたのだと思います。
しかし、その一方で、施設、車両にかかる費用は抑え、住宅購入者にも、ユーカリが丘線利用者にも
その負担は出来る限り抑えたいという思いがあったに違いありません。

山万ユーカリが丘線1000系は、他に例を見ない特殊な構造の新交通システムです。
新車を投入するのは、たやすいことではありません。

結構長生きするんじゃないかな?こあら達。

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